令和8年熊本地震災害派遣と過去の長期災害派遣事例(11)
8月6日には陸自西部方面特科連隊が八代市において、業者が実施するブルーシート展張作業時の地上における補助作業(土のう作成・輸送等)を実施。7日には陸自第8高射大隊も加わり、宇城市でも同様の作業を行ないました。
8月8日には連絡員が最大8か所・延べ約25名にまで減少しています。
8月9日から11日の3日間は、米軍輸送機KC-130やC-130により、横田基地から陸自高遊原分屯地まで救援物資を輸送しました。報道発表の写真によれば、物資の一部はシャワー・入浴支援会場で配布するペットボトルの水です。
8月12日には給水支援が12か所、給水車は23両へ、13日には6か所へと規模が減少。これには水道管・インフラの復旧という背景があります。地震発生からすでに半月、被災自治体や日本水道協会などの応急復旧班によって配水管の漏水修繕や仮設給水管の敷設が進み、各家庭や地域避難所での通水が順次再開されています。また、自治体・民間給水への移行も進みました。水道網が一部回復するにつれ、自治体の給水車や民間事業者の給水サポートへ支援主体が移行したのです。
しかしまだ、自衛隊の活動が縮小されたわけではありません。自衛隊は約5100名態勢で活動しています。
8月15日には「はくおうⅡ」における宿泊支援と食事支援が始まりました。
さて、ここでどうしてもお伝えしたいことがあります。
いのちの党副代表の奥田ふみよ参議院議員が、8月13日に自身のXで以下のような発信をしました。
「2016年の熊本地震の際は翌日から自衛隊が炊き出しを行った。2016年にできた支援がなぜ今できないのか」
これに対し、ネットでは「炊き出し(応急給食)の要請主体は都道府県(自治体)であり、必要性が高ければ自治体側から要請が入る仕組み。防衛省や自衛隊が勝手に判断して行わないわけではない」という手続き上の指摘などで炎上、奥田氏は「批判の対象は現場で活動する自衛隊員ではなく、支援の枠組みや判断を下していない政府および防衛省の政治決断(姿勢)にある」という釈明をしました。
この発信の段階で国会議員の立場にあるものの無責任な発言に驚いていたのですが、10月19日には参院予算委員会で奥田氏の求めを受けた防衛省が直近の自衛隊による入浴支援や給水支援の実績を明らかにすると……
以下に10月20日の産経新聞の記事を貼り付けます。
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答弁を受けた奥田氏は「何それ。給水支援もお風呂の支援もやめたのか」と批判した。「井戸の復旧や水道を引くのに百万円単位のおカネを自腹で切らされるおじいちゃんおばあちゃんが多くいた。おカネがなくて困っていると言っていた」と述べ、首相に対し自衛隊による支援拡充を求めた。
まず答弁に立った小泉進次郎防衛相は「自衛隊の名誉にかかわる。今の『何それ』と言いたいことが目的かもしれないが」と反発した。「自衛隊の災害派遣というのは、自治体からの要請に基づいて行っている。活動の撤収も自治体の撤収要請に基づいて行われている」と説明した。その上で、「あたかもそうではないかのように訴えるのはやめてほしい」と反論した。
続けて首相は、(中略)「防衛相が答えたことを言おうと思った。熊本県からの申し入れで撤収した」と小泉氏と同様に答えた。「井戸の支援もこれまでなかった。初めて国として井戸を支援するということを高市内閣で行った」と付け加えた。
奥田氏は熊本地震を受けた自衛隊の炊き出しの状況についても質問した。
小泉氏は「これも現場で熊本の震災に携わった隊員の士気にかかわるから申し上げるが、自衛隊の災害派遣における具体的な任務内容も自治体と調整をした結果、要請があったものを行っている。今回、給食支援についての要請はなかったが、事務方に答えさせるなら、件数はゼロと言うと思う」と説明した。奥田氏がSNSで「自衛隊の炊き出しゼロ」などと発信していることを挙げ、「まるで自衛隊がやるべきことをやっていないかのような印象を与えるような発信をしているが、事実と全く異なる」と述べた。
奥田氏は「印象操作だとか言うが、みんな忖度して要請が出せないのではないか」と反発した。
首相は「熊本地震発生以降、高市内閣は8月も9月も、そして今に至っても懸命に熊本県の支援に取り組んでいる」と述べた。「自衛隊の任務はこれで終了してほしいと熊本県側からあったので、その日から撤収準備を始め、速やかに撤収した」と述べ、「居座れという指摘か。それとも、求められていない支援を無理やりやれということか。これは自衛隊の名誉にかかわる」と強調した。
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自衛隊に忖度して要請が出せないと思っている議員が存在するのです。
無償だしクオリティも高く被災地にいること自体が防犯につながる自衛隊に自治体が頼り、引き際に苦労している自衛隊の現実を知らない、知ろうとしない議員が、公の場でこのような無知丸出しの発言をすることに、呆れると同時に情けなさを覚えます。このような議員にも国民の税金が使われているのだと思うと、心底幻滅します。
(つづく)





