自衛隊音楽隊の演奏会に思うこと

来月に都内で陸上自衛隊第1師団第1音楽隊の定期演奏会が開催されます。
自衛隊音楽まつりや陸海空3自衛隊合同コンサートをはじめ、屋内で開催される自衛隊音楽隊の演奏会は基本申込制で、応募者多数の場合は抽選です(入場はいずれも無料)。
ちなみに毎年秋に日本武道館で開催される人気の音楽まつりの場合、私の場合は取材で行くことは可能ですが、一般で応募すると落選することのほうが多いです。推測ですが、同じ応募なら募集につながるような若い人の当選の確率を上げているのではないかと思います(それでも客席の平均年齢は高めですが……)。

第1音楽隊の定期演奏会が開催されること、その開催日時を知ったのは、申し込みが始まって数日経ったときでした。確か申し込み期間は2週間程度だったかと思います。あわてて応募しました。

これまで普通に申し込んで普通に落選したこと、多々あります。アクセスのいい会場での演奏会やセントラルバンド(陸自中央音楽隊、海自東京音楽隊、空自航空中央音楽隊)の演奏会などは競争率が高いので、落選したことのほうが多いです。会場のキャパがあるのでしょうがないことですし、それだけ応募者多数ということなのでそれはそれで残念ですが納得しています。

私はもともとクラシック好きなので、音楽まつりのようなエンターテインメント性の高いイベントはもちろん好きですが、各音楽隊が演奏技術のみに特化して(音楽まつりのようにマーチングの要素がないので)そのクオリティの高さを存分に発揮する定期演奏会は、それはもう大好物です。今や音大出身でなければ入隊は難しい狭き門と聞けば、演奏技術の高さは想像していただけることでしょう。20年以上前に初めて3セントラルバンドによる合同コンサートで聴いたガイーヌやボレロ、2019年の陸自中央音楽隊特別演奏会での客演指揮下野竜也氏によるアルメニアン・ダンスパート2などを聴いたときの感動と興奮は、今でも昨日のことのように憶えています。

また、定期演奏会はどんな曲を演奏するかにも各音楽隊(と音楽隊長)の思い入れや個性、熱がぎゅっと詰まっているだけでなく、世界初演の曲も少なくありません。ですから機会とタイミングがあえば、できるだけ多くの音楽隊の定期演奏会を訪れる機会を得たいのです。

しかしですね。
個人的にかねがね不満なのは、多くの音楽隊の定期演奏会情報の発信が「弱い」ということです。
陸自に21、海自に6、空自に5ある音楽隊のうち、私が定期演奏会に通える地理的条件の合う音楽隊は計7~8音楽隊に限られています。それですら、そのすべての音楽隊の定期演奏会情報を定期的にチェックするのは、なかなか大変です。まめにHPやSNSをチェックする習慣をつけなければいけませんし、WEBには大量な情報があふれていて演奏会情報を見落としてしまうことも珍しくありません。大げさに言えば、食事や歯磨きのように日常のルーティンに「音楽隊サイトチェック」が加わらなければ、演奏会情報を見逃してしまうこともありえるのです。

これまでも「あ! そろそろ●音楽隊の定期演奏会の時期なのでは」と焦ってサイトを確認したときは、応募終了していることは数知れず。

しかもなんと。
令和のこの時代に応募申し込みが「往復はがきのみ」という音楽隊まであるのです。

往復はがきを自宅に常備している方が今、どれくらいいるでしょう。郵便局やコンビニで買えばいいじゃないかと言われればそれまでですが、ネットならその時点で申し込めるのに、当日や翌日が休日で郵便局が休みだったら? コンビニは自宅からはまあまあ遠かったら?
私に限らず、落選する段階以前に、申し込みが間に合わなかった方が少なくないと思うのです。

もっともっと演奏会情報を告知してほしい(防衛省HPには最新情報は載りません。各音楽隊のサイトで確認する必要があります)。そして全音楽隊がネットで申し込めるようにしてほしい(ネット環境がない方のために葉書応募も有効、という併用はありだと思います)。

以上、自衛隊音楽隊をこよなく愛する一個人として、常々思っていることを書かせていただきました。

(了)