「さざなみ」派遣に関する重要情報

2019年2月6日

「戦争映画音楽コンサート 「男たちへ」」
昨年、マガジンでご紹介した<伝説のコンサート>の続編開催が決定しました!
[日時]8月3日(日)15:00開場
(16:00~「不肖・宮嶋」氏のプレトーク)
(16:30~演奏)
[会場]C.C.Lemonホール(渋谷)
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 軍事情報 (「さざなみ」派遣に関する重要情報)
                              11,422部
平成20年(2008年) 6月29日
┏【目次】─────────────────────────────☆
┃  ☆ 「さざなみ」派遣に関する重要情報
┃  ☆ 広告に関するご案内
┃  ☆発行:おきらく軍事研究会
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取材・インタビュー・原稿作成・webコンテンツ用テキスト文作成・自費出版の
原稿作成支援およびアドバイス・その他《書く》ことに附帯する一切の業務に
ついて執筆活動を展開しております。     ライター・平藤清刀
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⇒平藤さんはわが国唯一の即自ライターです。ライター歴十六年を数えます。
文章作りでお困りのあなた、迫力と簡潔さとわかりやすさであなたの思いを
形にしてくれる「即自ライター」平藤さんに、伝えたいこと・どうしても
書き残しておきたいことを委ねてみてはいかがでしょう?(エンリケ)
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◎◎  「さざなみ」派遣に関する重要情報  ◎◎
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二十四日にわが「さざなみ」はシナを訪問しました。
C130で運べなかった四川地震の救援物資を運んで先方に贈呈しています。
(毛布約三〇〇枚、非常食約二六〇〇食)入港歓迎行事は湛江軍港内で行なわ
れ、宮本駐中共大使、中共海軍南海艦隊司令官の蘇士亮海軍中将などが列席し
ています。予定されていたわが音楽隊による演奏会はドタキャンになっています。
「さざなみ」訪シについては、中共内新聞では一面で報じたのもあります。
ある新聞は「自衛艦旗を艦尾に掲げ、控えめな態度で入港した」と報じています。
しかし、軍艦旗を艦尾に掲げるのは常識です。控えめではありません。
マストに掲げると「戦闘旗」を意味することが多く、誤解の元です。
(停泊中に艦尾旗竿の修理などでマストに掲げることもありますし、空母や潜水
艦などのように艦型の制約で航行中でも艦尾に掲げられない場合もあります)
韓国艦が我が国を訪問して出港時に巨大国旗(軍艦旗と同一)を掲げて顰蹙を買
った例もあります。(その直後にエンジン爆発か何かで面目丸潰れでしたが・・
・)。
読み手の無知に付け込んで、メディアは平気でウソを報じて世論作りをするわ
けです。これは中共の新聞ですが、わが国の新聞も同じことです。
宣伝謀略手法の典型です。
ちなみに海自艦旗という造語を伝えている国内メディアが一部あります。
そのようなものはこの世に存在しません。あるのは自衛艦旗(軍艦旗)のみです。
いまだにこんなレベルでは「非常に」困ったことです。
二十七日、中共軍副総参謀長の馬暁天空軍中将は派遣艦「さざなみ」指揮官・
徳丸将補と北京で会談しました。
馬中将は「両国の軍事部門がPKO、災害時の救難活動で何か協力できないか
考えている」と述べています。「この方針は胡主席が五月に訪問したときの共同
記者発表に盛り込まれており、中共軍側の実行姿勢を伝えたものだ」と国内メデ
ィアは伝えています。
おき軍事は、国内メディアの「さざなみ訪シ」に関する報道には、奥歯に物が
挟まったような違和感を持っておりました。例の、何かを隠そうとするいやな
雰囲気です。
新聞情報だけでも、出迎えが南海艦隊司令官であったことなど、様々おかしな
点が見受けられます。その後の過程で、信頼できる情報筋から入手した情報を
まとめましたので、以下に紹介します。
どうも、わが国政府は取り返しのつかないことをやってしまったようです。
亡国という言葉が現実化してきました。
(おき軍事)
■軍艦と国旗
今回の軍艦派遣の問題は相手国の国旗を掲げて入港することです。こんな先例
を知りません。行先国の国旗を掲げるのは商船のやることで、直接には入港国
の法に服することを意味します。(根拠文書を探しているのですが未だ見付か
りません。知っている方がいれば教えてください)
軍艦の場合は所属国の領土がエンジンを付けて動いているのですから、相手国の
主権下に入ることは決してありません。自国の軍艦旗だけを掲げるのが常識です。
反対に、例えば複数の艦艇が同一海域に停泊しているときにその内の一国の祝日
等が有る際には在泊全艦がその国の国旗を掲げて祝います。オーストラリア海軍
艦艇が広島県呉港に入港しているときにオーストラリアの祝日(英女王の誕生
日?)には呉在泊の全海自艦艇もオーストラリア国旗を掲げて祝いました。
■相互主義が大原則
また、国際的なプロトコルは相互主義が大原則です。
晴海入港や海上幕僚長の出迎えを要求されて応じたのなら、こちらも上海なり何
処なりの表玄関入港と海軍トップの出迎えを要求すべきです。
それが実現出来ないなら、今回の訪シは拒否すべきでした。
これではまるで属国扱いです。
これだけバカにされながら政府や外務省はなぜ断固とした態度が取れないのでし
ょうか?
少なくとも防衛省や外務省はバカにされていることを充分に認識しているはずで
すが、首相や大臣が鈍感なのでしょうか?
独立国としての気概はまるで感じられず、とても悔しい思いで一杯です。
指揮官として派遣された徳丸将補の屈辱的心中を思うと同情を禁じ得ません。
■艦艇外交プロトコルの実態
国旗及び軍艦旗(軍艦旗と国旗は主権国家の象徴として同等の権威が認められて
います)への対応は外交において極めて厳密、厳粛なものです。
1986年、日本の練習艦隊はカナダ(バンクーバーだったと思います)に入港の
際、カナダ国旗に対して21発の礼砲を打ちました。それに対してカナダ側が
ウッカリミスで20発しか答礼しなかったのです。
当然カナダ側は平謝りしましたが練習艦隊司令官小西将補は「これは日本国に
対する欠礼であるから私の一存で諒とできることではない。」として謝罪を受け
入れず(しかし訪問自体は極めて友好的に推移し)、ことは外交問題に上げられ
ました。結局この件は同艦隊がパナマ運河を超えて大西洋側に出て再度カナダ
(オタワでしたか)に入港した際に、まずカナダ側が自衛艦旗に対して前回の
答礼21発を打ち、次いで再度相互に21発の礼砲を交換することで決着しました。
実はこの話にも先例があります。
昭和7年ごろに、日本の巡洋艦(艦名不詳)が太平洋(だったと思います)上
でフランスの艦隊(2隻で少将座乗だったかな)に出会い、海軍の伝統に従って
日本側から礼砲を打ったのですが、フランス側が欠礼したのです。
日本は直ちに抗議し、翌年の同月同日同時刻に同一海域で同一の指揮官麾下の同
一艦相互で、まずフランス側が昨年分の答礼を打ち、その後改めて礼砲を交換し
た事件がありました。
これが艦艇外交プロトコルの実態です。再三繰り返しますがヤクザの世界の仁義
を切る話と全く同様で、基本的にコワモテな話なのです。そうしなければ国際社
会では侮蔑・哄笑の対象になるのです。
■平和ボケ
外務省も日本政府も全く平和ボケしています。
軍事はビロードに包んだ拳骨であって自分の政策上のオプションの一つである、
という信念がありません。
国家の威信や尊厳は相手と共通の認識基盤でなければなりません。
国内で通用する謙譲の美徳が対外的に通用することは皆無です。
一度譲った立場を元に戻すには極めて多大のエネルギーを要します。
下手な妥協やへりくだりは何等利益を生まないばかりか、長い将来に亘って国益
を損ないます。
竹島の話を教科書に載せることに再び慎重論がでていると聞きます。
かつて尖閣列島に民間有志の建てた灯台を宥和政策で無視したツケが今の東シナ
海のガス田問題に到っていることを何故学習しないのでしょうか?
その慎重姿勢自身が将来万一、国際司法裁判所で審理の対象になった場合にどの
ような心証を裁判官達に与えるか、想いを致さないのでしょうか?
「私の心情は最近荒れ狂っています。」(元海自将校)
エンリケはじめ、おき軍事一同も同じ気持ちです。
(おき軍事情報部)
参考
(080623配信分)
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防衛省・海自発表によれば、二十四日から二十八日にかけてシナ訪問を行な
うため、わが海自の「さざなみ」(呉、艦長:溝江2佐 四護衛隊群八護衛隊所
属)が十九日、呉を出航しました。出航にあたっては、派遣部隊指揮官の徳丸将
補(四護衛隊群司令)が、呉総監部幕僚長の福本将補に出航報告を行なってい
ます。
「さざなみ」は中共海軍南海艦隊司令部がある広東省湛江に向かいます。
昨年わが国にきた中共艦隊(「深セン」など)の指揮官は南海艦隊副司令
官の肖新年少将でした。
ヨーソロさまは以下のようなご高見を示されています。
<「さざなみ」の中国訪問ですが、両国政府は緊張緩和をシンボリックに描こうと
していますね。国際社会は警察力の及ばないヤクザ社会と同じですから、緊張関
係にある国同士では艦艇の領海通過だけでも無害航行とはみなされないわけで、
波風が立ちかねません。これまでも潜水艦が南西諸島の列島線を横切ったことが
大問題になりました。一方、友好国艦艇ならこんなことは問題にもならないわけ
です。
そのことから逆に、艦艇の相互訪問は緊張関係を解く象徴的オプションとして良
く使われます。この前の中国艦艇日本訪問も今度の中国訪問もそうですね。
海軍は陸軍や空軍に比べて目立つ割には印象が柔らかい、ということもあるでし
ょう。米国が世界中の大使館などに海兵隊員を警備のために派遣しているのも陸
軍兵士よりも相手国側の反発が少ないからですね。
1962年と1966年に海上自衛隊練習艦隊はオーストラリアを訪問しました。
それまで第二次大戦の影響でオーストラリアの対日感情は最悪でした。しかし、
この二回の訪問を契機にそれは180度好転しました。オーストラリア政府も歓
迎の大キャンペーンを事前にやったようですし、日本艦隊乗員の規律や態度の良
さが驚きをもって迎えられたことも大きかったようでした。
2002年の海上自衛隊創設50周年記念では諸外国11カ国からも軍艦が参加
しましたが、象徴的だったのは何と言ってもロシア海軍の参加でした。
海上自衛隊はソ連崩壊までの40年間、ひたすらソ連海軍を仮想敵として成長し
てきたのです。
「一生のうちにこんなことが見られるなんて!」が率直な感想でした。
同時に「現役時代の大半を励んだことは一体何だったんだろう?」との感慨も少
しありましたけれど・・・、今は懐かしい思い出です。
以上、ヨーソロの管見でした。>
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