陸上自衛隊 第12空中機動旅団


第12空中機動旅団は、東部方面総監の隷下にあり、司令部を群馬県榛東村の相馬原駐屯地に置く。群馬県・栃木県・新潟県・長野県の防衛警備、災害派遣を任務とする。
編成
旅団は、中核となる旅団長と旅団司令部(相馬原)、司令部付隊(相馬原)(*1)及び以下の部隊が、相馬原(群馬県榛東村)・高田(新潟県上越市)・松本(長野県松本市)・新発田(新潟県新発田市)・宇都宮・北宇都宮・新町(群馬県高崎市)の各駐屯地に展開している。
(*1)司令部の管理及び業務支援を任務とする旗本部隊。
高田第2普通科(歩兵)連隊(3個普通科(歩兵)中隊基幹)、松本第13普通科(歩兵)連隊(3個普通科(歩兵)中隊基幹)、新発田第30普通科(歩兵)連隊(3個普通科(歩兵)中隊基幹)、相馬原第48普通科(歩兵)連隊(3個普通科(歩兵)中隊基幹・コア部隊(*2))、相馬原第12ヘリコプター隊(2個飛行隊基幹)、相馬原第12偵察隊、宇都宮第12特科(砲兵)隊、相馬原第12高射特科(高射砲兵)中隊、新町第12施設(工兵)中隊、新町第12後方支援(輜重)隊、相馬原第12通信中隊、相馬原第12音楽隊
(*2)教育訓練を主体とする部隊の事。2012年現在、広くは即応予備自衛官を主体とする部隊のことを意味する。「平時はコア(指揮官及び幕僚機能)のみを維持する部隊」の意味。コア部隊の2割が常備自衛官で残りの8割が、教育を受ける隊員・即応予備自衛官で構成される。
特性
 陸上自衛隊で唯一、空中機動力を高めた即応近代化旅団である。空中機動力を活かしてヘリボーンにより全国に緊急展開する。隷下の松本普通科(歩兵)第13連隊は、日本アルプスの防衛を担任する「山岳連隊」として高名である。
略歴
昭和37年 第12師団編成。
平成13年3月 第12師団から旅団(総合近代化旅団タイプ)に改編。
      第48普通科連隊及び第12ヘリコプター隊を新編。
平成25年3月 即自訓練を終了し3個普通科連隊基幹に改編予定
【参考】
現在の12旅団担任地域は、帝国陸軍では、名古屋3師団(愛知県・岐阜県・静岡県)、宇都宮14師団(茨城県・栃木県・群馬県 S15から51師団)、仙台2師団(宮城県・福島県・新潟県)が担任していた。
帝国陸軍第12師団は、衛戍地(*)を小倉⇒久留米⇒満洲と変えている。ひとことでいえば、長きにわたり大陸方面で展開を続けた重要師団。日露戦争では第1軍(黒木大将)隷下にあり、シベリア出兵にも参加した。第一次上海事変では、隷下の歩兵第24旅団を基幹とする混成第24旅団が出征。昭和11年4月から満洲駐箚の任に当たり同15年7月から師団の衛戍地が満洲(東寧)に移った。大東亜戦争では、満州国内で対ソ戦準備や抗日パルチザン掃討等の治安維持活動にあたっていた。昭和19年11月台湾派遣が決まり、第10方面軍戦闘序列に編入、臺灣の新竹で台湾西部方面の警備に当たった。しかし連合国軍は直接沖縄本島に上陸したため、戦うことなく陣地構築中に同地で終戦を迎えた。
(*)陸軍部隊が永久にひとつ地に配備駐屯することを意味し、その地を衛戍地と称した。英語では Garrisonに相当する。