古谷ツネヒラ 「韓流、テレビ、ステマした」 青林堂

2019年2月6日



韓流はヤラセ?
<韓流(ハンりゅう、かんりゅう、Korean wave)とは、2000年代以降の韓国大衆文化の流行を指す言葉である。1997年のアジア通貨危機によって韓国経済が破綻すると、韓国は官民を挙げて韓国ドラマや映画などコンテンツの輸出を推進し、韓国政府も積極的にコンテンツ産業振興策を支援した。日本のテレビドラマの価格上昇や香港映画の衰退などの追い風も受けて、韓国の俳優や音楽など大衆文化に対する人気が高まってブームが形成された。>
Wikipediaより http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9F%93%E6%B5%81
ヨン様のときから、何か違和感を覚えてきた人も多かったのではないでしょうか?このブーム。
本著は、この現象をネット言論の立場から読み解こうとする書です。
今のネット言論の気分を知りたいあなたにとって、この本は最適でしょう。
ネット言論とは何か?
なぜブログは炎上するのか?
を考えるうえでも、この書は必読だと思います。
なかでも本文で紹介されている黒沢さんの言葉は、非常に参考になります。
ネット言論には戦後日本のタブーがありません。原則匿名だからです。
とともに、あまりに理に走りすぎることから、プロの情報屋にうまく踊らされる面も持っています。
「ステマ」というキーワードを核心に、著者は、韓流ブームを分析し、真犯人を特定します。そこに至る分析が、ネット言論特有の「理」に満ちており、非常に読みごたえがあります。
それでは、心してページをめくってください。
もくじ
はじめに ~テレビとリアルのリアルな温度差
第一章 「ステマ時代」の到来
 アニメ制作会社「シャフト」の「ステマ騒動」
 『食べログ』の「ステマ騒動」
 二つの「ステマ騒動」から発展した「韓流ステマ」の存在
第二章 「韓流ステマ」の実態
 「韓流ステマ」の何が問題か~ラーメン屋とサクラ行列
 「ゴリ押し」と「ステマ」の違い
 「K-POP」アイドル・グンソクのステマ
 横行する韓流スターの出迎えステマ
 代々木公園に人はいなかった
第三章 「韓流ステマ」の裏側に迫る。その目的は何か
 「韓流ステマ」で「K-POP」は本当に成功したのか?
 韓流の主役は「K-POP」ではなかった
 世界中から嘲笑される韓国と韓国企業
 韓国のイメージを改善したい。『韓国国家ブランド委員会』の誕生
 たった二人の日本事務所
第四章 電通と韓流
 「電通の天皇」故・成田豊氏と韓国
 故郷に「恩返し」をする在日朝鮮人
 電通とは何か
 成田豊氏、出生の真実
 鬼軍曹、成田豊
 典型的戦後左翼
 左翼メディアと見下ろしの意識
第五章 何故それはフジサンケイグループだったのか?
 それはNHKから始まった
 フジサンケイグループとは何か
 もともと保守的だったフジテレビ
 堀江貴文がフジサンケイグループを変えた
 フジテレビに生殺与奪権を握られる産経新聞
 犯人はフジテレビ第二制作室?
 日本初の韓流エンタメ週刊誌「韓Fun」
 産経新聞と韓国
第六章 「反共」の同志から敵対的ライバルへ
 「嫌韓」「嫌韓流」は「ネット保守」の新潮流
 「反共」「親米」から出発した伝統的戦後保守
 「反共」の同志だった韓国~パチンコを追放できなかった理由
 冷戦後に変質した韓国
 統一教会とK-POP
第七章 劣化していくテレビ
 テレビ局は意外と小さい
 再生産される業界人
 劣化していくテレビ
 『世にも奇妙な物語』の変遷と韓流
第八章 テレビを捨てる日本人
 『テレビに関する大規模意識調査』の結果とその分析
本書の総括とあとがき ~見下ろしの左翼、しがらみの保守
著者
古谷経衡(古谷ツネヒラ)
1982年北海道札幌市生まれ。立命館大学文学部卒。インターネットラジオ・パーソナリティやアニメ批評ブログを手がける傍ら、2010年に出演したNHK討論番組が話題に。以降、CS放送やインターネット番組への出演、執筆、街頭演説などその活動領域は多岐に及ぶ。
オフィシャルサイト
http://www.furuyatsunehira.com/
Twitter
http://twitter.com/aniotahosyu
FACEBOOK
Tsunehira Furuyaで登録
「韓流、テレビ、ステマした」特設サイト
http://www.furuyatsunehira.com/kantere.html
著者公式サイト内に、本書の特設サイトを開設した。また同サイト内に投稿フォームを設置しているので、ご読了の際に貴重なご意見・ご感想をいただければ幸いである。
最大の読みごたえは、真犯人特定に至る事実の積み重ねです。
これでもかこれでもか・・・という感じです。
読んでいるうちに、ミステリー小説を読んでいるようなドキドキ感を覚えます。
その意味でエンターテインメントに分類されるのかもしれません。
真犯人はだれなのでしょう?
著者が特定した意外な真犯人に、驚く人もいるかもしれません。
ビジネスの最前線にいる人にとっても、いろいろな意味で楽しく読めます。
時代の気分を上手にすくいあげた好書といえましょう。
時代とともに、変わるべきことと変えてはいけないことがあります。
その見極めをおこない、実践できるかどうか?
この5年で、上から下まで問われる課題です。
本著は、そのきっかけになる書かもしれません。
今回ご紹介した本は、
『韓流、テレビ、ステマした』
著:古谷ツネヒラ
発行:青林堂
発行日:2012/6/7
でした
(エンリケ)