みんなのスペイン学

2019年2月6日

 あなたは、スペインとかラテンアメリカとか言うと、何となく観光以外では縁が無さ
そう・・・と思ってみたりしていませんか?
 また、21世紀の現代では、政治、軍事、経済(天と地の間で人が存在する上での重要
事項ですが)では、”模範”や”判例”をアメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、ロ
シア、イタリアあたり・・・に仰ぐのが「(学術やら政治やらの)常識」と思ってし
まっていて、無意識に「そう行動」していませんか?
(戦後、米国留学が一つの常識とされているような”分野”では、アメリカ重視とは、
無視できない問題であるとは思いますが・・・)

 あるいは、欧米以外なら・・・せいぜい激安の人件費やら、資源とか、日本経済とか
との関係、それに結構、政治家へのハニートラップやら何やらの工作やらがうまくいっ
ている・・・要するに、現状をうまくやっているような支那あたりが・・・マスコミや
ら評論家やらが飯が喰いやすいネタになるから・・・注目してしまっていませんか?
 支那・・・例えば・・・分譲マンションの軒下が居住者たちの共有財産としての意識
がなかったら、ちょいとその軒下に勝手に不法侵入して生活を始めてしまい、実はマン
ションは最初から自分のものだったのだ、だからオマエ等は出て行け・・・とかいうノ
リで話題になることを違和感なくやってしまうところです。
(支那ですが・・・アニメ「ロックマンエグゼ」では”チョイナ”と呼んでい
て・・・思わず笑ってしまいましたが・・・)
 所謂、サミットやらG8とかの現代時事用語に出てくる国々は、大切です。
が、政治、軍事、経済の中で、前二者(政治、軍事)に関しては・・・興味深い発想、
着想やら、あまり知られていない淵源やら、それらは意外と”スペイン”という国にあ
るのです。
 その”スペイン”について研究すれば・・・自ずと現代で主流と捉えられている国々
のことも知ることになります。
「遺跡のような国から何を学ぶんだね?きみぃ~」とか「過去の栄光を見ても仕方がな
いだよ~」とか言う方もいらっしゃいますが、ここは、謙虚に自然体になってみること
をお勧めいたします。
 では、スペインのネタを・・・取りあえずその項目を単純に挙げて見ると:
(1)近代政治について(スペイン王国の誕生 かのマキアヴェッリが著書で絶賛)
(2)近代陸軍について(スペイン陸軍 ”テルシオ”)
(3)近代海軍について(スペイン海軍 ”アルマーダ”)
(4)非対称戦について(弱者の戦略研究 ゲリラ戦の淵源)
(5)征服事業について(これはマーケティングや”商圏”の拡大に参考となる)
(6)現代戦術について(スペイン内戦での航空戦術、機甲戦術)
 以上の(1)~(6)は、近代~現代の政治、軍事、経済についてのアイデアあるい
はインスピレーションを得る上でとても重要なネタが詰まっています。案外、歴史なの
で、「スペイン研究」を標榜している方々にはイデオロギーの汚染があったりするもの
ですが、あなたは”リテラシー”からそれらを洗浄してみると・・・意外な姿が見えて
くるものです。
 ここで、スペイン語が分からないとダメだ・・・とか言う方が出てくるのです。が、
それは「思い込みにしか過ぎません」。あなたは、スペイン史よりもイギリス史、ドイ
ツ史、フランス史、ロシア史などについての日本語の文献や”英語”の文献(仏語や独
語でも結構ありますよ)などが多数でていますので、そこからアプローチすると面白い
と思います。
 また、戦略研究学会や軍事史学会を過剰意識して学術以外の内容で以て批判する文書
を著者の元に送りつけてくる・・・ここの理事で編集委員を名乗る”自称スペイン文
学・演劇研究のエセ大家”のことで触れたこともある「日本イスパニヤ学会」(この学
会もこの件で迷惑しているようです)が出しているHISPANICAという機関誌をチェック
したり、他には「スペイン史学会」というのもあって、そこの機関誌、研究活動など
を・・・”リテラシー”から学術的にチェックすれば・・・あなたにとっては、突っ込
み所満載の興味深い論点が簡単に得られることでありましょう。
(ということは・・・新しい研究分野や新規参入、あるいは”人がやらないネタ探し”
を考えている研究者、院生、著述業の方々には、「超おススメな分野」が”スペイン”
なのですよ!)
(7)バルタサル・グラシアン(自己啓発、処世術に関する知恵と戒めに溢れている
著作があります)→日本語でも何冊か”英語”から翻訳されています!何故か、「大学
にいるスペイン語屋は多い」のですが不人気なのがこのグラシアンです。研究するには
語学以外に幅広い教養とか哲学のセンスが求められると思いますが、それがネックに
なっていると思われます。
(8)スペイン文学(かの有名なドン・キホーテがあります)
 →現実世界と仮想世界の入れ違い、裏表が逆の世界観が興味深いところで、アニメの
「シュレック」とか「かいけつゾロリ」などの根底になっていますし、このノリが映画
「バニラ・スカイ」になったりしています。
 やろうと思えば誰でもできる・・・それが、一見マイナーと思えるスペイン研究で
あって・・・しかし、やれば、汲み取ることが出来る事柄がとても重厚かつ本質的なも
のがある・・・それがスペイン研究なのです。
 以上、簡単に列挙しただけですが、来年は、これらのテーマについて、多次元多面的
にあなた自身の「兵法思考」が向上する内容をスペイン、ラテンアメリカを題材にがん
ばって行きたいと思います。
 あなたにとっても得意技の一つにスペイン学(できたら、それにラテンアメリカをも
含めたイベリア学)と本格的な兵法が身につきますように、著者も努力を重ねて行きた
いと思います。
 一方、長期戦であったスペイン語講座の方はあと半年くらいで終了しますが、スペイ
ン語の単語がわからなくても、文法の解説は読んで見てください。兵法思考も学べるよ
うにしてあります。
 今年一年の講読、誠に有り難うございました。
 どうか良いお年をお迎えくださいませ。