歯舞群島「ロシア語名」へ調査航海

産経新聞
http://sankei.jp.msn.com/world/news/120909/erp12090909480002-n1.htm
2012.9.9 09:48
 【ウラジオストク=遠藤良介】ロシアのプーチン大統領が、首脳会談で「静かな雰囲気のもとで解決していきたい」と語った北方領土問題。その北方領土を事実上管轄する露サハリン州の関係者らが、歯舞群島の島々につけるロシア語名を募る運動の一環として、現地への大規模な調査航海を行っていたことが明らかになった。参加者は歯舞群島とみられる2つの小島に上陸し、ロシア国旗を立てるなどしたという。言葉と裏腹に、北方領土の実効支配強化に向けて着々と布石を打つプーチン政権の姿勢が浮き彫りになった形だ。
 運動を主導しているのはプーチン氏を支持する政治団体「全露人民戦線」のサハリン支部。クリール諸島(千島列島と北方四島)のうち、ロシア語名をもたない小さな島や岩礁に名前をつけるのが目的とされる。対象には歯舞群島が含まれ、サハリン州も運動に全面的に協力する立場だ。
 団体は特設のインターネットサイトで、まず6つの島について名称公募と投票の呼びかけを開始。同サイトの情報などによると、州関係者や地理学者、ジャーナリストら約140人が7日までの3日間にわたり現地への調査航海を行い、2つの小島に上陸した。
 サイト上では、8月に死去した著名物理学者の「カピッツァ」や、宇宙飛行士の「ガガーリン」といった名前が候補として挙がっている。
 クリール諸島にはロシア語名のない小島や岩礁が200以上あるとされ、州ではネット投票や専門家の討議を経て地名制定の手続きに入る方針だ。
北方領土をめぐっては、メドベージェフ首相(前大統領)が7月、2010年に続いて2度目の国後島上陸を敢行した。
 ただ、ロシア人が「小クリール諸島」と称する色丹島、歯舞群島には足を踏み入れておらず、これが日ソ共同宣言(1956年)に基づき、「2島引き渡し」での問題決着を図るプーチン氏の意向を裏打ちしている-とも解釈されてきた。
 今回の動きは、ロシアがその「2島」についてすら返還するつもりがないことを示唆しているようだ。