陸上自衛隊北部方面隊
北部方面隊(北部方面軍)は総監隷下に2個師団と2個旅団、約50の方面直轄部隊を置き、侵略・自然災害等から道民を守るため、道内38カ所で約3.6万人の隊員が任務にあたっている。担任区域は北海道全域。
任務は北海道を守ること。そのため、予測できないが急にやってくる危機に対し、いつでも対応できる態勢を取ることが必要となる。危機管理のための最小限の備えとして、北部方面隊(北方軍)は2個師団と2個旅団、約50の方面直轄部隊を保有している。
これらの部隊の存在と、日々たゆまぬ訓練で実効性を高めることにより、戦後60有余年にわたり外国からの侵略を未然に防止してきた。また、訓練で培われた実動能力や組織力は、災害派遣や各種地域行事支援等において地域及び地域住民に大きく寄与している。
編成
中核となる方面総監および方面総監部を札幌に置き、旭川第2師団、北千歳第7機甲師団、帯広第5旅団、真駒内第11旅団および、北千歳第1特科団[砲兵旅団]、東千歳第1高射特科団[高射砲兵旅団]、北部方面混成団[混成旅団 東千歳]、北部方面施設隊[工兵隊 南恵庭]、北恵庭第1戦車群[戦車第1連隊]、東千歳第1電子隊、北部方面通信群(札幌 通信連隊)、北部方面航空隊(丘珠)、北部方面後方支援隊(島松)、北部方面会計隊(札幌)、北部方面衛生隊(真駒内)、北部方面音楽隊(札幌)、北部方面指揮所訓練支援隊、北部方面情報処理隊(札幌)、北部方面対舟艇対戦車隊(倶知安)、北海道補給処(島松)などの部隊が、管内にある38の駐分屯地で展開している。管内には4個の地方協力本部も配置されている。
特性
わが国唯一の機甲師団である第7師団を隷下に持つ。冷戦期は対ソ戦略の最前線部隊として重視され、新装備の優先配備などが行なわれた。現在もわが国最大の打撃力を保有する。
略歴
1952年(昭和27年)10月15日 方面総監部が開庁。
2000年(平成12年)3月 方面後方支援隊及び方面衛生隊を新編
2004年(平成16年)3月 帯広第5師団を旅団に改編
2008年(平成20年)3月 中期防(2005)に基づく隷下部隊の改編及び新編。真駒内第11師団を第11旅団に、第3施設団を北部方面施設隊に改編。11師団隷下の1個対戦車隊と普通科連隊1個中隊を統合、方面直轄部隊として方面対舟艇対戦車隊を新編。方面総監直轄部隊である第301保安中隊を北部方面警務隊隷下に編成替え。
2011年(平成23年)4月 部隊の新・改編。旭川第2師団及び帯広第5旅団の改編。北部方面教育連隊を方面混成団に改編し、真駒内普通科第52連隊等を新編。
【参考】
現北部方面隊の担任地域は、帝国陸軍では北部軍(⇒北方軍⇒第5方面軍)が担任していた。
1935年(昭和10年)8月1日 内地を東部・中部・西部の三つの区域に分け、それぞれの区域に防衛司令部を新設。
1940年(昭和15年)8月1日 防衛司令部を軍司令部に改称。
同年12月2日 新たに樺太・北海道・青森県・岩手県・秋田県・山形県を管轄する北部軍司令部を設け、軍司令部がそれぞれの区域内に在る軍隊を指揮・統率するものとした。
1943年(昭和18年)2月 北部軍を改組し北方軍が編制され、北部軍隷下部隊と大本営直属の北海守備隊を編入した。
1944年(昭和19年)3月 第5方面軍の編成により北方軍は廃止された。