F-4EJ配備部隊の歴史(3)

先週、第301、302飛行隊のご紹介をしたので、今週は第303飛行隊のご紹介からです。

第303飛行隊は1976年、3番目のF-4EJ戦闘機部隊として、小松基地の第6航空団隷下に新編されました。1987年にF-15J/DJへの機種転換を行なったため、F-4EJの運用期間は約11年と、6飛行隊の中でもっとも短いです。

第304飛行隊は1977年に築城基地の第8航空団隷下にて新編されました。F-86Fを運用する第10飛行隊の閉隊に伴い、F-86Fから機種転換したベテランパイロットが多数編入されたため、翌年開催された戦技競技会では部隊が発足してわずか9ヵ月ながら優勝しています。1989年にはF-4EJでのホットスクランブル1000回達成。1990年にF-15J/DJを装備する飛行隊となりました。現在は2016年に那覇基地に新編された第9航空団隷下で、第204飛行隊とともに南西諸島全域の防空を担っています。

第305飛行隊は1978年に、F-4EJの5番目の部隊として第7航空団隷下部隊として百里基地に新編されました。それに伴い同基地でF-104J/DJを運用していた第206飛行隊は閉隊。1993年に運用機種をF-15J/DJへ機種更新していています。空自F-15飛行隊中の最多戦競優勝を記録するなど、F-4EJ時代から戦競での優勝経験を多数持っており、航空自衛隊においても高い戦闘性を有する部隊となっています。2016年に新田原基地に移駐し第5航空団隷下に編入、F-4EJ改を運用する第301飛行隊との配置交代が行なわれました(第301飛行隊は31年ぶりに古巣の百里に戻る形となりました)。2018年には自衛初の女性戦闘機パイロットが配属された部隊でもあります。

第306飛行隊は1981年に第6航空団隷下部隊として小松基地に新編されました。1989年からF-4EJ改戦闘機への機種更新を開始し、1991年に機種更新を完了。1996年からF-15J/DJへの機種更新を開始、1997年に機種更新完了。第306飛行隊で運用していたF-4EJ改とその搭乗員、整備員の多くは、予定されているF-2の配備が遅れていた三沢基地の第8飛行隊へと転属しました(第8飛行隊では2009年までF-4EJ改が運用されました)。現在の第306飛行隊は、近代改修された最新のF-15F-15J/DJを運用する部隊であり、全国から選りすぐりのパイロットを集めて戦技教育を行なう戦技課程を有する、日本における「トップガン」の部隊です。

なお、2022年1月31日に小松市沖で戦闘機が墜落、隊員2名が殉職した事故は、第306飛行隊と同じ小松基地に所在する飛行教導群のF-15DJでした。

空自が保有するファントムの中で偵察機として運用されたのが、RF-4EとRF-4EJです。

1961年、松島基地に戦術偵察機運用部隊として第501飛行隊が新編、翌年に入間基地へ移動していましたが、RF-4Eの導入に伴い1975年に百里基地へと移動。以来、40年以上にわたって同基地から偵察任務に従事してきました。