【本の紹介】「漫画 グデーリアンと機甲戦」 石原 ヒロアキ (著), 大木 毅 (監修)

おはようございます、エンリケです

昨今評価が変わりつつあるグデーリアン。ただ、装
甲部隊指揮官として戦場で上げた輝かしい実績の数
々が色褪せることはありません。そんな彼の生涯と
ドイツ装甲師団の戦いを元1佐の漫画家が描き出し
ました。

監修者と著者はこの方々です。

大木毅(おおき・たけし)
現代史家。1961年東京生まれ。立教大学大学院博士
後期課程単位取得退学。DAAD(ドイツ学術交流会)奨
学生としてボン大学に留学。千葉大学その他の非常
勤講師、防衛省防衛研究所講師、国立昭和館運営専
門委員等を経て、著述業。
『独ソ戦』(岩波新書)で新書大賞2020大賞を受賞。
主な著書に『「砂漠の狐」ロンメル』『戦車将軍グ
デーリアン』『「太平洋の巨鷲」山本五十六』
『日独伊三国同盟』(以上、角川新書)、『ドイツ軍
事史』(作品社)、訳書に『戦車に注目せよ』
『「砂漠の狐」回想録』『マンシュタイン元帥自伝』
『ドイツ国防軍冬季戦必携教本』(以上、作品社)な
ど多数。

石原ヒロアキ(本名:米倉宏晃)
1958年、宮城県石巻市生まれ。青山学院大学卒業後、
1982年陸上自衛隊入隊。化学科職種幹部として勤務。
第7化学防護隊長、第101化学防護隊長を歴任。地下
鉄サリン事件(1995年)、福島第1原発事故(2011年)
で災害派遣活動に従事。2014年退官(1等陸佐)。

学生時代赤塚賞準入選の経験を活かし、戦争シミュ
レーション漫画『ブラックプリンセス魔鬼』および
自衛官の日常を描いた『日の丸父さん』(電子書籍
で発売中)、『日米中激突! 南沙戦争』『漫画クラ
ウゼヴィッツと戦争論』『漫画マハンと海軍戦略』
(以上、並木書房)を発表。現在、名将マンシュタイ
ンを題材に執筆中。

「ドイツ装甲部隊の父」と謳われた名将グデーリアン──。

戦後刊行された回想録『電撃戦』には理想的な軍人
像として美化されていますが、最近の軍事史研究では、
その評価は変わりつつあります。
実際のグデーリアンは我が強く、利己的で、実に人
間臭い男でした。参謀総長代理になっても東方重視
で、個々の作戦の勝利のみを追求し、自分の育てた
装甲部隊を偏重しました。

しかし、その一方で装甲部隊指揮官として幾多の戦
場で歴史的勝利を重ねた輝かしい実績は誰も否定で
きません。

本著は、戦車運用で戦場に革命をもたらしたグデ
ーリアンの生涯を漫画で再現したものです!

監訳者の大木毅さんは、

<現時点でのグデーリアンに対する評価は、本人が
喧伝し、流布させた「自画像」ほどに輝かしくはな
いけれども、けっして愚将・凡将のカテゴリーには
入らないという微妙なものとなる。それだけに、グ
デーリアン伝をものするには、よほどバランスの取
れた、醒めた視点が必要とされるわけだが、このた
び、旧知の石原ヒロアキ氏がこの難しいテーマに挑
戦された。その際、強みとなったのは、氏が幹部自
衛官(陸上自衛隊の元一佐)として、将校の実務を
経験していることであったろう。……石原ヒロアキ
氏の努力により、漫画というわかりやすいかたちで
新しいグデーリアン像が提示された。(大木毅)>

と語っておられます。

今やグデーリアン研究で本著を外すことはできない
ようです。漫画が最先端の軍事史を描き出せる時代
になったことに感無量です。

作者・石原ヒロアキさんは「作者ノート」でこう語
っています。

<作者ノート

 私は陸上自衛官OBで、当然戦車には興味があり、
いつか戦車が主役の漫画を描きたいと以前から思
っていました。いろいろと構想を練っていたのです
が、ある日、ウォーゲーム仲間でもある大木毅氏が
『戦車将軍グデーリアン』を出版し、一読したとこ
ろ大変面白く、これならグデーリアンと戦車に関す
る漫画を描けそうだと思うようになったのです。大
木氏に漫画の監修をお願いしたところお忙しいにも
かかわらず快く引き受けていただき、早速描き始め
ました。
  描いているうちに驚いたのは、以前持っていた
グデーリアンの軍神的なイメージがかなり違うとい
うことでした。歴史の研究は終わりがなく、新しい
資料が発見されれば常に書き直されていくというこ
とを改めて認識させられた次第です。
  戦車に関しては、自衛官時代、第7機甲師団や
装備実験隊での勤務で、ある程度知識はありました。
新しい戦い方や装備の開発は大変な苦労がありま
すが、グデーリアンも若いころは同じような苦労を
したのではないかと共感するところがありました。
  グデーリアンは指揮官として、タイフーン作戦
まで参戦していますが、その後は第一線から退き、
病気療養ののち、戦車の運用や開発の総元締めのよ
うな補職につき、さらに参謀総長代理としてドイツ
陸軍全般をみる立場になります。よってスターリン
グラードの戦い、ハリコフの戦い、クルスクの戦い
など独ソ戦の後半のクライマックスは間接的にしか
経験していません。この時期は絵的にもとても面白
く、よりダイナミックな戦車戦のシーンがいくつも
あるので、今まで何回も映画や漫画のテーマになっ
てきました。本書の後半では壮絶な戦車戦のシーン
が少なくなるので、将来、最新の資料をもとに新し
い視点からハリコフ戦やクルスク戦の戦いを描いて
みたいと思っています。
  本書の完成には、大木氏に大変お世話になりま
した。特に最新の研究によるグデーリアンの情報や
ドイツ軍に関する情報は大変参考になりました。深
く感謝申し上げます。
  ほかにも多くの人から激励をいただき、新型コ
ロナという悪条件のなか、なんとか完成させること
ができました。
この場を借りて御礼申し上げます。

(石原ヒロアキ)>

と語っておられます。

大木さんがおっしゃる

<強みとなったのは、氏が幹部自衛官(陸上自衛隊
の元一佐)として、将校の実務を経験していること
であったろう>

は正鵠を射たもののようです。

石原さんの存在意義はこれからますます上がりますね!!

内容は次の通りです。

目 次

〈監修者のことば〉
漫画で示される新しいグデーリアン像(大木 毅)

グデーリアン略年譜

第1話 第1次世界大戦
第2話 ドイツ装甲部隊に誕生
第3話 戦車に注目せよ!
第4話 ポーランド侵攻
第5話 フランス侵攻
第6話 バルバロッサ作戦
第7話 タイフーン作戦
第8話 装甲兵総監
第9話 参謀総長代理

付録:第2次世界大戦後の機甲戦

作者ノート

主な引用・参考文献

年末年始のたっぷりした時間を使って、
ぜひお楽しみください!
おススメです。

ご紹介した本は、


「漫画 グデーリアンと機甲戦」
石原 ヒロアキ (著), 大木 毅 (監修)
出版社: 並木書房
発売日:2021/12/10
言語:日本語
単行本(ソフトカバー):A5判212ページ
https://amzn.to/3IBg1XC

でした

エンリケ

追伸
石原さんの次の作品はマンシュタインになるようで
すね。グデーリアンとともにこちらもすごく楽しみ
です。


「漫画 グデーリアンと機甲戦」
石原 ヒロアキ (著), 大木 毅 (監修)
出版社: 並木書房
発売日:2021/12/10
言語:日本語
単行本(ソフトカバー):A5判212ページ
https://amzn.to/3IBg1XC