『アーノルド元帥と米陸軍航空軍』 源田孝 芙蓉書房出版

アーノルド元帥の人生は、アメリカ陸軍航空ひいては米空軍の軌跡そのものでした。戦略爆撃の先駆者として知られ、空軍独立を強く主張しました。この本は、彼の足跡をたどりながら、空軍の成立までの歴史を描いています。

ミッチェル、アーノルド、ルメイという空軍戦略の巨人たちがどのような役割を果たし、どのような戦略を展開したのかを紐解いています。彼らの活躍は、現代のエアパワー理論や米空軍の発展にも大きな影響を与えました。

さらに、本書では戦後の米空軍の展開や冷戦時代の航空戦力充実にも触れられています。空軍戦略の変化が軍事の変化をもたらし、空軍がどのように進化してきたのか、その背景や成立過程を明らかにしています。

また、空軍に興味のある方々には、戦闘機、爆撃機の写真や詳細データも豊富に収録されています。航空戦略の歴史を知るだけでなく、戦闘機、爆撃機の進化も楽しむことができるでしょう。

この本は、空軍戦略の進化と空軍部隊の展開を通じて、航空戦の重要性やエアパワーの本質について深く考えさせられる一冊です。理論書とは異なる視点から、空軍戦略の核心に迫る手引き書としておすすめです。

空軍独立に尽力したことで有名なアーノルドの軍人人生は、まさにアメリカ陸軍航空の軌跡そのものでした。アーノルド元帥一代記といって差し支えない本著は、航空戦略の発展と航空部隊の進化を垣間見ることのできる一冊です。

アーノルドが示した情熱と功績は、現代の空軍戦略にも大きな影響を与えています。ぜひ、本書を手に取り、米空軍だけでは収まらない空軍戦略の核心に迫ってください。著者の源田孝さんは、元空将補。空軍に関する書を多数出されています。


『アーノルド元帥と米陸軍航空軍』
著者:源田 孝
ISBN 9784829508626
発行日:2023/05/20
本体価格:本体2,700円+税
発行:芙蓉書房出版
https://amzn.to/459OibW

おはようございます、エンリケです。

本日は、アメリカ陸軍航空の歴史を彩ったヘンリー・アーノルド元帥の一代記をご紹介します。この本を通じてあなたは、20世紀初めに誕生した米航空部隊が空軍として独立するまでの歴史を概観できるだけでなく、戦略爆撃思想の系譜も理解できます。

この本では、空軍戦略の巨人たちであるミッチェル、アーノルド、ルメイの功績や彼らが展開した戦略に迫ります。彼らの足跡は、エアパワー理論や米空軍の創設発展に大きな影響を与えました。

また、軍用機の進化や航空産業の発展にも触れられています。20世紀のアメリカ航空産業が他国と比較してどのような段階にあったのかを知ることで、歴史の解釈に新たな視点を与えてくれます。

航空ファンやミリタリーファンにとっては、本書に収録された戦闘機や爆撃機の写真や詳細データが非常に魅力的です。さらに、著者である源田孝さんは元空将補であり、豊富な知識と経験を持っています。

◆著者略歴

源田 孝(げんだ・たかし)
1951年生まれ。元防衛大学校教授、元空将補。戦略研究学会監事、軍事史学会監事。 防衛大学校航空工学科卒業、早稲田大学大学院公共経営研究科公共経営修士(専門職)修了。 著書に『アメリカ空軍の歴史と戦略』(芙蓉書房出版)。訳書に『戦略論大系(11)ミッチェル』(芙蓉書房出版)、『エア・パワーの時代』(芙蓉書房出版)、『ノモンハン航空戦全史』(芙蓉書房出版)、『ワイルド・ブルー 米爆撃隊 死の蒼穹』(早川書房)、『ロシア戦闘機SUKHOI』、(ニュートンプレス)等がある。

それでは、アーノルド元帥一代記の内容を見ていきましょう。

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目次
■第1部 アメリカ陸軍航空の創生
第1章 陸軍の草分けパイロット
第2章 第一次世界大戦の勃発
第3章 ミッチェルの啓蒙活動
■第2部 戦間期のアメリカ陸軍航空
第4章 戦間期の陸軍航空隊とアーノルド
第5章 ヨーロッパでの危機の高まり
第6章 アメリカの重点正面はヨーロッパか太平洋か
第7章 戦略爆撃の道徳的問題
第8章 陸軍航空軍の戦争準備
第9章 航空機の開発
■第3部 第二次世界大戦の航空戦
第10章 シェンノートとアメリカ義勇航空隊
第11章 真珠湾攻撃への道
第12章 真珠湾攻撃
第13章 太平洋航空戦、1942年
第14章 ヨーロッパ航空戦、1942年
第15章 地中海航空戦
第16章 第15航空軍の航空戦
第17章 太平洋航空戦、1943年
第18章 ヨーロッパ航空戦、1943年
■第4部 勝利を決定した戦略爆撃
第19章 B-29の開発、生産、配備
第20章 太平洋航空戦、1944年
第21章 第21爆撃軍の対日戦略爆撃
第22章 ヨーロッパ航空戦、1944年から1945年
第23章 太平洋航空戦、1945年
■第5部 戦後を見据えて
第24章 グローブスとマンハッタン計画
第25章 第二次世界大戦での航空戦の評価
第26章 カルマンの貢献
第27章 アメリカ空軍の独立
第28章 最 期

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空軍戦略の根源となった信念と決断に触れ、エア・パワーの力とその重要性を再認識する──それが本著を読むことで得られる醍醐味です。空軍の独立という歴史的な節目を追体験しながら、私たちは彼らの偉業に敬意を払い、空軍戦略の進化を知ることができるのです。

アーノルドの空軍組織建設には、徹底したマニュアル化による要員育成や、民間産業やアカデミズムとの連携といった要素が取り入れられています。彼の創造的なアプローチと試行錯誤が見事に発揮された空軍戦略の進化を、本書を通じて肌で感じることができます。

また、アメリカという国の核に宿るダイナミズムと同時に、既存勢力からの排除粛清の試みに立ち向かうための戦い方についての示唆も見出せるでしょう。どの国においても、強烈な圧力に立ち向かう勇気と戦略が求められます。本書は、そのヒントを提供してくれるでしょう。

20世紀の航空部隊の興隆とその軌跡は、まさに勢いに満ちた壮大な物語です。この物語を紐解くのは、空軍戦略の巨人たちが刻んだ足跡を辿る旅です。彼らこそが、ミッチェル、アーノルド、ルメイという偉大なる航空戦略家たちです。

本書は、戦略爆撃思想の系譜をたどることで、彼らがどのような役割を果たし、空軍戦略に何を残したのかを明らかにしてくれます。なぜウィリアム・ミッチェルは空軍独立を熱く主張したのか? アーノルドは「ミッチェル・スクール」のリーダーとして、どのようにしてエア・パワーの強化と空軍の建設を成し遂げたのか? そして、カーチス・ルメイは夢見た空軍独立を果たし、対日戦略爆撃をいかに実現したのか? さらに、陸軍航空軍の航空戦略思想は、戦後の米空軍のドクトリンにどのような影響を与えたのか? これらの謎が解けていくのです。

本書を読むことで、私たちは空軍戦略の発展と航空部隊の進化を垣間見ることができるでしょう。ミッチェルの情熱、アーノルドの貢献、ルメイの実践が紡いだ航空戦略は、その後の米空軍の発展に大きな影響を与えました。彼らの偉業に触れ、空軍戦略の軌跡をたどることで、私たちは航空部隊の栄光とエア・パワーの力強さを実感することでしょう。

まさに、空軍戦略の頂点への一歩を踏み出す準備は整いました。本書と共に、空軍戦略の未知の領域へ飛び立ちましょう。偉大なる空軍戦略家たちの物語が、あなたの心を鷲づかみにすること間違いありません。

空軍戦略の興奮と知識の世界に飛び込む準備はできましたか?本著を手に取り、アーノルド元帥の素晴らしい歴史を追体験してみてください。きっと、あなたの空軍戦略への洞察が深まることでしょう。それでは、さあ、新たな航空戦略の旅に出発しましょう!


『アーノルド元帥と米陸軍航空軍』
著者:源田 孝
ISBN 9784829508626
発行日:2023/05/20
本体価格:本体2,700円+税
発行:芙蓉書房出版
https://amzn.to/459OibW

エンリケ

追伸
米空軍(陸軍航空軍)の指導者たちに共通する特有の精神構造は「工学的戦争観」に由来している、と「あとがき」で源田さんは指摘しています。このことばで、読了後のなんとも言えない違和感がある程度解消したのはなぜでしょうか?源田さんの指摘が正鵠を得ているからでしょうか?何も米空軍だけの特徴ではないからでしょうか?

あなたにもぜひ考えてほしいです。

さて、空軍独立ときくと、空自高橋2佐の「空軍創設と組織のイノベーション―旧軍ではなぜ独立できなかったのか」を思い起こします。合わせ読むと、より立体的に「空軍独立」に関する叡智を養えることでしょう。


『アーノルド元帥と米陸軍航空軍』
著者:源田 孝
ISBN 9784829508626
発行日:2023/05/20
本体価格:本体2,700円+税
発行:芙蓉書房出版
https://amzn.to/459OibW