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最低限の基礎体力をつけてから志願しよう ― 外人部隊の真実(2)  元上級伍長 合田洋樹

time 2016/01/20

最低限の基礎体力をつけてから志願しよう ― 外人部隊の真実(2)  元上級伍長 合田洋樹

□はじめに

 この項では、外人部隊に志願するに際して、最低限達して欲しい
基礎体力について、私の経験をもとに書きました。明確な目標を志願者
に与えると、それに向けて努力しようとする者が増えるとの思いがあるから
です。またこの最低基準を設けることにより、この10年ほどで増えた
「軍人としてまったく適性のない日本人」志願者に、志願を思いとどませる
狙いもあります。一般の方には信じられないかもしれないですが、恐ろしく
貧弱な日本人も志願しにくるのです。

 まったく走れず、懸垂が4回しかできずによく外人部隊に志願する気になるなと、
逆に感心してしまいます。そのような人たちは明らかに軍隊のことを甘く
見すぎています。外人部隊に入隊すれば「鍛え直してくれる」、そう思って
いたのでしょうか?

 日本人に限らず、他国出身の志願者の中にもこのような者は多いのです。
私が志願した時には「俺は元スペツナズだ」とまわりに言いふらしていた
ロシア人が、まったく運動ができず失笑をかっていました。

 なんの準備もしないで入隊すると、基礎教育中の同期や上官から
ゴミのように扱われることとなるでしょう。運動ができず、マラソンや行軍に
ついて行けなくなると、皆の足を引っ張ることになります。そうなれば当然、
仲間や上官は苛立ちます。逆にしっかりと準備してくれば、基礎教育の
段階で同期よりも頭一つ抜きん出ていることに気づくはずです。志願前に
流した汗は必ず報われます。

 マラソンや腕立て伏せといった基礎体力づくりとは別に、10キログラム以上
の荷物を入れたバックパックを背負い、起伏のある道を10キロほど早足
で歩きまわるのもよい訓練になります。とくに落下傘連隊を目指すので
あれば、このトレーニングは行なっておいたほうがよいでしょう。

 前置きが長くなりましたが、以下、本編です。

▼最低限の基礎体力をつけてから志願しよう!

 入隊前に身につけてほしい最低限の基礎体力は次のとおりである。
人によってはハードルが高く感じられるかもしれないが、本気で入隊を
希望するならこれくらいできるはずだ。逆にこれができないのなら、
本気ではないという証拠。
若者であれば半年もトレーニングをすれば、これくらいのレベルには
なるだろう。私は高校2年生のころから少しずつ準備を始めたので、
志願前にこのレベルはクリアしていた。

● 腕立て伏せ50回
● 懸垂10回(順手)
● 腹筋は2分間以内に60回
● スクワット40回
● 5メートルのロープ登りを両腕だけで1回。さらに両腕と両足を
使ってもう1回(ロープ登りをする場所がなければ、懸垂10回でOK)。
● クーパーテスト(400メートルトラックを12分間走り続けた距離)で
最低3000メートル以上走れること。
● 水泳は入隊時のテストにはないが、基本的に志願者は全員泳げる
という前提だ。だから最低でも100メートルは泳げるようにしよう。
クロールでも平泳ぎでも構わない。それに最低10メートルの
潜水(筆者注:毎年一回、どこの連隊でもCCPMと呼ばれる体力テスト
が行なわれ、その際に水泳テストもある)。

 今までまったく運動してこなかった人は、少しずつ身体を慣らしながら
やっていく。もしケガをしたら無理せず、しっかり休養をとろう。運動を
始める前には身体を温め、終了後はきちんとクールダウンをする。
寒い時は薄着ではなく、厚着をした方がよい。夏でも冬でも暑いと感じる
くらいの方が、蒸し暑いアフリカや南米のギアナに派遣される前の訓練にもな
る。柔軟性を保つためのストレッチも忘れずに。柔軟性を欠いた身体はケガ
をしやすい。

 最低限これくらいの体力がないと基礎訓練を上位で終えることはできない。
それは自分が望む連隊に配属されるチャンスを逃すことにつながる。
逆に運動の成績がよければ基礎訓練での成績も上がり、望む連隊へ行ける
確率が飛躍的に高くなる。だから日本にいる時に、ある程度以上の基礎体力
を養っておく必要がある。志願前に流した汗は入隊後に必ず報われる。

 体力に余裕があれば心の余裕も生まれる。小隊の先頭をきって走るのは
壮快だ。毎日のように部隊で行なわれる体力錬成も楽しみへと変わっていく
だろう。周囲に一目置かれるようになれば部隊の生活も楽しくなること請け合いだ。

(つづく)

(ごうだ・ひろき)

【著者紹介】
合田洋樹(ごうだ・ひろき)
1978年神奈川県生まれ。都内の高校卒業後18歳で渡仏。
1997年フランス外人部隊に入隊。計17年半勤務し2014年11月除隊。
最終階級は上級伍長。在隊中は主に第2外人落下傘連隊に在隊し、
ジブチの第13外人准旅団にも計3年在隊。長い在隊期間中の約11年間
を後方支援中隊にて事務員として勤め、そのうちの5年半を警務課で
勤務。外人部隊を深く理解するうえでこの部署での経験が非常に役立つ。
『外人部隊125の真実』を近く出版予定。ほかに第2外人落下傘連隊に
ついての電子書籍版を執筆中。

《長期派遣歴》
1997年01998年ジブチ、2009年02011年ジブチ
《短期派遣歴》
1999年ボスニア、2000年ガボン、2001年ジブチ、2002年ギアナ、
2004年ジブチ、2006年ジブチ、2010年カタール、2011年ウガンダ

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