わが国に必要な陸海空軍力
独立国家に軍事力は必要不可欠です。
「戦後日本」という国家(?)に必要な軍事力について各自衛隊が考え方を公表しています。
まとめて紹介します。
忘れちゃいけないこと、それは、
国防・軍事・安保戦略は、軍でなく、制服を着ていない国民と政治が決めるものだということです。軍は、決まった方針を軍事の世界で形にする存在にすぎません。
専門家だから軍に丸投げして、軍事にかかわるすべての責任は軍部に負わせる
先の大戦ですべての非軍部に見られた、こういった甘えた意識はもはや許されません。
国防・軍事は、軍だけで対応するにはあまりに重大すぎる事柄です。
ただ、ここでお伝えする言葉の「意味・意義」を理解できる日本国民は、100万人に一人いるかいないかでしょう。理解できないからと言って悲嘆しないでください。
■わが国に必要な陸軍力
わが国周辺の不透明・不確実な安全保障環境、世界的に軍事力の役割が増大する傾向に
踏まえて、陸上自衛隊は、わが国の平和と独立を守るため、3つの大きな役割を果たし
ています。
(1)新たな脅威や多様な事態への実効的な対応
⇒新たな脅威や多様な事態は、予測困難で突発的に発生する可能性があるため、事態
の特性に応じた、即応性や高い機動性を備えた部隊などを、事態の特性やわが国の
地理的特性に応じて編成・配置することにより、これらに実効的に対応しています。
(2)本格的な侵略事態への備え
⇒わが国に対する本格的な侵略事態が生起する可能性は低下する一方、新たな脅威や
多様な事態への対応等が求められることから、装備・要員の見直しを行いました。
同時に防衛力の本来の役割は本格的な侵略事態への対処であり、また、その整備が
短期間になし得ないことから、本格的な侵略事態に対処するための基盤的な部分を
保持しております。
(3)国際的な安全保障環境の改善のための主体的・積極的な取組
⇒国際平和協力活動の範囲は非常に幅広く、自衛隊のみならず、政府全体として取り
組んでおりますが、陸上自衛隊は、自己完結性、組織力などの能力を生かし適切に
取り組むため、平素から教育訓練体制、所要の部隊の待機態勢等を整備するととも
に、迅速に部隊を派遣し、継続的に活動するための準備をしています。
また、平素から諸外国陸軍等との2国間の安全保障対話・防衛交流を積極的に推進
しています。
陸自HPより抜粋
http://www.mod.go.jp/gsdf/about/roles/index.html
■わが国に必要な海軍力
わが国の国土は、ユーラシア大陸の大国と近接し、大陸東北部から太平洋へ通過するた
めの戦略上の要衝を占める場所に位置しています。また、細長い弧状の列島で、長大な
海岸線と多くの島嶼を有しています。さらに、その狭隘な国土に多くの人口を抱え、
特に都市部に産業・人口が集中し、経済の発展に不可欠である重要施設が沿岸部に多数
存在するなど、安全保障上の脆弱性を抱えています。
わが国周辺地域には、現在もなお不透明・不確実な要素が残されており、万一他国から
の侵略を許した場合、国民の生命・財産の損失の大きさは計り知れないほど甚大です。
一方、自由貿易体制に基盤を置くわが国の安定、発展のためには、国際的な安全保障環
境の安定が不可欠です。とりわけ、わが国は原油の約9割を中東に依存するなど資源の
多くを海外に依存していることから、海上交通路を行き交う商船等の安全確保を含む
海洋の安定的利用はわが国にとって死活的に重要なのです。
自衛艦隊HPより
http://www.mod.go.jp/msdf/sf/about/index.html
■わが国に必要な空軍力
防衛力は、外部からの侵略を未然に防ぎ、また万一侵略を受けた場合、それを排除する
国の意思と能力を表すものです。その機能は、他のどのような手段によっても代えるこ
とはできません。
その中にあって航空自衛隊の防衛力は、戦い全般の行方を決める大きな力です。
空において相手の戦力を上回り、大きな損害を受けることなく作戦を遂行する(これを
「航空優勢」と呼びます)ための、中心的な役割を担っています。
「航空優勢」は陸・海作戦にも大きな影響を与えるものですから、その意味で航空自衛隊
は、日本の防衛の「鍵」といえます。また領空へ侵入してくる航空機へ戦闘機を緊急発進
させるなどの措置は、他の組織が代わることのできない大切な役割です。
航空自衛隊は、日本の平和と安定、そして独立を守るため、日夜、任務を遂行していま
す。
航空自衛隊のミッションは以下の3点に集約できます。
(1)防空
空からの侵略に対して、できる限り国土から離れた空域で迎え撃ち、国民と国土の被害
を防ぎます。敵に大きな損害を与え、敵の空からの攻撃が継続するのを困難にするよう
に努めます。
(2)大規模災害等各種事態対応
大規模災害などの事態が起こった場合、人の命や財産を保護するため、各都道府県など
と連携して、航空機などによる偵察や連絡要員の派遣、人員・物資の輸送などを行いま
す。
(3)安全保障環境の構築
国際平和協力業務を通じて、国際平和のための取り組みを進めています。また、国際緊
急援助活動などで国際協力を推進し、国際社会の平和と安定のために様々な取り組みを
積極的に行っています。これら任務を確実に遂行することで、内外から真に信頼される
組織を目指しています。
空自HPより
http://www.mod.go.jp/asdf/about/role/ninmu/