【本の紹介】『青の翼 ブルーインパルス』 ー東京の空に五輪を描いた男たちー   小峯隆生[著]柿谷哲也・今村義幸[撮影]


『青の翼 ブルーインパルス』
ー東京の空に五輪を描いた男たちー

小峯隆生[著]柿谷哲也・今村義幸[撮影]

判型・ページ数:四六判316ページ(内カラー口
絵8ページ)
定価1870円
発行:並木書房
発行日: ‎ 2022/7/25
https://amzn.to/3b2buSd

『蘇る翼 F-2戦闘機』
『永遠の翼 F-4戦闘機』
『鷲の翼 F-15戦闘機─歴代イーグルドライバーの証言』

に続く、小峯さんの「翼」シリーズ第4弾です。

< 本書のコンセプトは「日本の空は空自が守り、
日本人の心はブルーが守る」である。戦闘機パイロ
ットは国民が見ることのできない高空で領空を守っ
ている。その代わりに誰もが見ることができる低空
で、その凄まじい姿を披露しているのがブルーであ
る。それは目に見える抑止力である。大空のサムラ
イが見られる数少ないチャンスを提供しているのが
ブルーインパルスだ。>(本文より)

この一文に、シビれました

◆大空に二度も五輪を描いて見せたのは、、

この本は、、わがブルーインパルスの苦難と栄光の
歴史をOB隊員、整備員、現役パイロットらの証言
をもとに再現したものです。

「五輪がつながるよう何百回もぐるぐる回って練習
しました」(3番機・鬼塚1尉)。

「バックミラーで黄色のスモークを確認して、『よ
し!』と思いました」(6番機・眞鍋1尉)

2021年夏、6機のブルーインパルスがカラース
モークで五輪を描き、新型コロナとの戦いに疲れた
日本人の心に大きな希望を与えてくれました。

オリンピック史上、二度も大空に五輪を描いて見せ
たのは、世界で、わがブルーインパルスだけです。

しかし、そこに至る道のりは平坦ではありませんで
した、、、、

◆著者はこの方。

小峯隆生さん。

個人的には、週刊プレイボーイのコミネさん。
のイメージのほうが強いですw

本著は、「翼」シリーズの4冊目、最新刊です。

わたしのような素人にとって、
超高度なテクノロジーを自由自在に運用して周りの
人に感動を与える戦闘機乗りやブルーインパルス隊
員は、まさに雲の上の存在です。

戦闘機乗りについてよく耳にするのは、
一分の隙も見せず、つねに戦える姿勢を崩さない。
刀を抜かずに戦わずして勝つ。という、まさに大空
のサムライそのものです。

じっさい、それがブルーインパルスの姿みたいです。

「そうです、それが理想です。それだけで、相手が
逃げる。それがいちばんです」(吉田信也元2等空
佐)
 

それでは「ブルーインパルス史」の概要を見てみま
しょう。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

◆はじめに

 2020年5月29日、6機のブルーインパルス
が、新型コロナウイルス対応に従事する医療従事者
らに敬意と感謝を示すため、医療機関がある地域を
含む東京都内の上空を飛行した。

  待ち望んだ「東京2020オリンピック競技大
会」は1年延期となり、日本人の心は新型コロナと
の戦いに疲弊し、閉塞感に覆われていた。

  そんななか、筆者は白いスモークを曳きながら
飛行する6機のブルーインパルスを目にして、先の
見えない不安が消えて気分は一気に明るくなった。
この気持ちの変化はなんなのだろう?

  同日夕刻のテレビニュースの映像には、病院の
屋上でスマホを片手に航過するブルーへ歓声を送る
医療従事者たちの様子が映し出されていた。それを
見た瞬間、筆者の心の中の大空にスモークで答えが
現れた。

  ──日本の空は航空自衛隊が守り、日本人の心
はブルーが守る。

  これが本書執筆のきっかけだった。

  1964年東京オリンピック開会式の上空で、
五輪のシンボルマークを描いた航空自衛隊の第1航
空団特別飛行研究班(当時)「ブルーインパルス」
は6人のパイロット(予備機1機を含む)だった。
  しかし、2020年3月20日に松島基地で開
催されたオリンピックの聖火到着式では違っていた。

  この時、ブルーは5色のカラースモークで五輪
を描いたが、点火台が設けられた地上は10メート
ルを超す強風で、上空の五輪もあっという間に吹き
消された。すると、どこからともなく上空に別の6
機のブルーが現われ、霧散していく五輪が息を吹き
返したかのように5色のカラースモークを曳きなが
ら飛行したのだ。ブルーインパルスは6機のはずだ
が……、筆者には一つの疑問が生まれた。まずはそ
こから解き明かすことにした。

  オンラインによる取材の画面には、かねてから
知己の航空幕僚監部広報室勤務の園田健二3佐の懐
かしい顔があった。じつは、園田3佐は第301飛
行隊でF‐4ファントムのパイロットとして勤務当
時に取材しており、それ以前の2014年3月から
17年8月まで、第4航空団第11飛行隊「ブルー
インパルス」の5番機パイロットを務めていた。

  ブルーの展示飛行では飛行終了後、地上に降り
立ったパイロットたちのサインを求めてファンが長
い列を作る。この時、5番機・園田3佐の前には常
にいちばん長い列(?)ができたという伝説の持ち
主だ。

  筆者は最初の疑問、ブルーが12機になった理
由を尋ねた。
「東京2020オリンピックで、青、黄、黒、緑、
赤5色の輪をカラースモークで描くためには12機
が必要だったんです。もし、1機でもスモークが出
ないなどの不具合が生じたら、5色のシンボルマー
クは描けません。そこで予備としてB編隊(6機)
を用意したんです。状況によってはA編隊とB編隊
を入れ替えることも考えました」

  そういう理由があったのか、筆者は納得した。
しかし、これまでブルーは6人のパイロットが切磋
琢磨して、それぞれ番機を引き継いでいくのが伝統
だったはずだが……。
「A編隊とB編隊の1番機は2人搭乗します。そこ
で全部で6機、計14人のパイロットが必要でした
。残る番機ごと2人のパイロットを確保するため、
3月20日の聖火到着式の2か月前に3番機と6番
機の経験があるパイロットを各飛行隊から呼び戻し
て人数を揃えたんです」

  通常、戦闘機パイロットは保有する資格に応じ
て次のように分けられている。

  TR(トレーニングレディネス):当該部隊へ
配属後の訓練中。訓練以外の飛行は原則禁止。

  OR(オペレーションレディネス):訓練を終
えて、作戦任務での飛行が認められる資格。

  また、ORも次の二つに区分されている。

  AR(アラートレディネス):戦闘機パイロッ
トとして緊急発進などによる領空侵犯対処任務が認
められる資格。

  CR(コンバットレディネス):戦闘機パイロ
ットとして有事には敵戦闘機との戦闘ができるだけ
の技量が認められている資格。

  これらのうち、ブルーインパルスの第11飛行
隊のパイロットにはARとCRは必要ない。
「はい。ブルーはコンバットしませんから。でも、
もともと皆、戦闘機パイロットですから、すべての
資格を持っています」

  園田3佐は笑顔で答えた。その表情は、かつて
ファントムライダーとして防空の最前線で任務に就
いていた精悍な顔つきとは違って見えた。
「この2個編隊、パイロット12人態勢が、3月2
0日の聖火到着式で功を奏しました。五輪のシンボ
ルマークが強風で消えてしまった直後、予備のB編
隊がスモークを曳きながら、1番機を先頭にほかの
機が横一列になる『リーダーズ・ベネフィット』と
いう編隊隊形でフライパス(航過)を実施して事な
きを得たんです」

  演劇や芸能の舞台では主役が台詞を忘れてしま
ったり、シナリオどおり進行できなくなったりする
と、咄嗟に脇役がアドリブで演技して、その場を持
たせることがある。
「場を持たせる……、ぴったりの表現ですね。強風
でシンボルマークが消えて、観客の皆さんが落胆し
ているところに、B編隊が現われて5色のスモーク
を吹きながらローパス。まさに『場を持たせた』わ
けです」

  2021年夏の東京オリンピック・パラリンピ
ック開会式を控え、ブルーは2個編隊態勢となり、
14人(1番機にはパイロットおよびナビゲーター
が搭乗)の頼れる男たちがその日を待っていた。

  本書は、両大会での展示飛行を無事に成し遂げ
たブルーのメンバーから直接話を聞き、その舞台裏
を明らかにするものである。しかし、新型コロナは
依然、収束せず、ブルーインパルスのホームベース、
松島基地での取材はなかなか実現しなかった。

  そこで2021年秋からオンラインによって関
係者へのインタビューを開始した。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

いかがでしょうか?

興味湧きましたか?

ではさっそく中身を見てみましょう。

どうぞ↓

◆目次

はじめに 10

第1章 ブルーインパルスの基礎知識 19

1番機から6番機まではどう選ばれるか?/メンバ
ー全員が「センター」/4番機の魅力/急遽決まっ
た「医療従事者等への感謝の飛行」/T‐4ブルー
の最大の特徴/徒弟制度で学ぶ飛行の極意/戦闘機
部隊とブルーの違い/飛行班長の役割/ブルーは地
上を走る車ではない/「サッカーボールを描きたい」

第2章 青の軌跡 53

「ハチロク・ブルー」二つの〝衝撃〟の思い出/世
界に誇れる日本のブルーインパルス/驚きのアイデ
アを実現させたT‐2ブルー/T‐4練習機を使っ
た教育システム/ブルー特別仕様のT‐4/T‐4
ブルー、早くも30年、まだ30年

第3章「シン」さんのブルーインパルス 75

ブルー飛行班長の重責/自由な発言が危険を回避す
る/4番機の猛抗議/展示課目「サクラ」の誕生秘
話/忘れられない展示飛行/緊張するウォークダウ
ン/ブルーが空を飛ぶ理由/ブルー好きが集う最大
級のファンサイト/ブルーインパルス三つの役割

第4章〝9年ジンクス〟を打ち破れ 109

魔の7月4日/事故から学んだ教訓/自分が攻めら
れる限界はどこか?/ブルーに求められる三つの原
則/難を逃れたT‐4ブルー/ブルーの帰還を待ち
わびた地元住民/飛行技術断絶の危機/天皇陛下と
ブルーインパルス

第5章 試練を乗り越えて 133

パイロットは飛行隊長を目指す/牡鹿半島墜落事故/
創設50周年記念から3・11へ/被災者支援に
全力を尽くす/ブルーの機体が残ったのは奇跡/松
島基地への帰還/50周年の明暗を味わって

第6章〝オールラウンドプレーヤー〟155

未知の世界を体験したかった/10秒を正確に数え
る/後輩パイロットの育成術/ブルーのメンバーは
全員一致で選ばれる/T‐4後継機の選定

第7章〝五輪飛行〟2021年夏 171

松島基地「ブルーベース」/東京オリンピック開会
式/飛行計画の立案/事前の準備と訓練/ブルーの
技量は落とせない/どのコースを飛べばよいか/A
編隊離陸/「オリンピック・シンボル・レッツゴー」/
ナビゲーターの役割/秒単位の編隊誘導/空自広報
活動の最前線/3番機ならではの苦労/本番まで残
った不安/「成功させたいという一心でした」/ブ
ルーを志望した理由/鼻歌で緊張をやわらげる

第8章 整備小隊の東京五輪 246

「任せるね」と言ってもらえる整備士になりたい/
愛機は〝ナナキューマル〟/愛機に対する熱い思い/
直前にちょっとしたトラブル

第9章 B編隊の〝五輪飛行〟261

ポスト五輪のメンバー/大勢の人に見られていると
いう緊張感/クールな次期4番機パイロット/空の
「ギャング」2番機パイロット/地元の空を飛んで
多くの人に見てもらいたい/認識を新たにしたF‐
2戦闘機/デジタル戦闘機からアナログ機へ/五輪
を描くコツ/〝スリー・アギトス〟飛行/時代が変
わっても同じ能力を保持する/4番機・永岡1尉の
悩み/ブルーの新たな師弟関係/新メンバーたちの
思い/目指すアクロ飛行とは?

おわりに 310

————————————————-

さあ、どうでしょう?

面白そうでしょ?

この方々と編集者さんが作りました。

小峯隆生(こみね・たかお)
1959年神戸市生まれ。2001年9月から週刊「プレイボ
ーイ」の軍事班記者として活動。軍事技術、軍事史
に精通し、各国特殊部隊の徹底的な研究をしている。
著書は『新軍事学入門』(飛鳥新社)
『蘇る翼 F-2B─津波被災からの復活』『永遠の翼
F-4ファントム』『鷲の翼F-15戦闘機』(並木書
房)ほか多数。日本映画監督協会会員。日本推理作
家協会会員。元同志社大学嘱託講師、筑波大学非常
勤講師。

柿谷哲也(かきたに・てつや)
1966年横浜市生まれ。1990年から航空機使用事業で
航空写真担当。1997年から各国軍を取材するフリー
ランスの写真記者・航空写真家。撮影飛行時間約
3000時間。著書は『知られざる空母の秘密』(SBク
リエイティブ)ほか多数。日本航空写真家協会会員。
日本航空ジャーナリスト協会会員。

今村義幸(いまむら・よしゆき)
1964年東京都生まれ。2003年小松基地航空
祭でブルーインパルスと出会う。2006年に応援
サイト「ブルーインパルスファンネット」を開設、
2013年より活動主体をSNSに移行し、主にF
acebook(フォロワー数約43000人)で
応援活動と情報発信を続ける。元第11飛行隊飛行
班長吉田信也氏による非定期投稿【説明しよう!】
が人気。2009年幻冬舎より小説『スカイクリア
』を発表。航空自衛隊幹部学校後援会理事。防衛日
報デジタル・コラボ記事ライター。

これだけ有名なのに、中身を詳しく紹介解説した本
って意外に見当たらなかったんですよね。ブルーに
ついては。

この本に、ブルーを知りたい欲への火をつけられま
した。とくに、ブルーという組織を組織論から解き
明かすコンテンツが欲しいと感じました。

キレイな写真もたくさんあって、見栄えもバッチリです。

心ふさがることの多い昨今、
スコーンとすっきりしたいあなたに
本当におススメしたい一冊です。

今日ご紹介したのは、


『青の翼 ブルーインパルス』
ー東京の空に五輪を描いた男たちー

小峯隆生[著]柿谷哲也・今村義幸[撮影]

判型・ページ数:四六判316ページ(内カラー口
絵8ページ)
定価1870円
発行:並木書房
発行日: ‎ 2022/7/25
https://amzn.to/3b2buSd

でした。

エンリケ

追伸
「日本の空は空自が守り、日本人の心はブルーが守
る」

いいことばですね。

『青の翼 ブルーインパルス』
ー東京の空に五輪を描いた男たちー

小峯隆生[著]柿谷哲也・今村義幸[撮影]
判型・ページ数:四六判316ページ(内カラー口
絵8ページ)
定価1870円
発行:並木書房
発行日: ‎ 2022/7/25
https://amzn.to/3b2buSd