北京五輪後 中国はどうなる?

2020年4月21日

■腹立たしい限りです。
なんでわが権益を手離すのでしょうか?
金を払えばうまくいく。
一歩譲れば相手もこちらを慮ってくれる。
典型的な平和ボケです。
政治と経済はまったく別次元のはなしです。
政治問題は金で解決できないのが常識です。
共産国では経済も政治の枠内ですが、都合が悪くなれば「政治と経済は違う」
という常識論を使います。
対外交渉は
「一歩譲れば二歩踏み込まれ、二歩譲れば十歩踏み込まれる」
のが常識です。
近い将来、「権益分の原油は回せない」と言われるときが来るでしょう。
当該地域の油田はすべて中共に持っていかれるでしょう。
それ以前に、尖閣の領有自体が怪しくなってきました。
おそらく、石油関連施設という名目で尖閣に施設を作る口実を得たと中共は
考えていることでしょう。
そしてマスコミが伝えないうちに、シナによる実効支配が既成事実化するでし
ょう。
台湾以前に尖閣でシーレーンを脅かされる事態になるかもしれません。
尖閣油田をエサに台湾との連携も進めようとするでしょう。
周辺油田というひさしを貸して母屋を乗っ取られるのは目に見えています。
このような目先の効かない愚かな政治を持つと、後世に禍根を残します。
申し訳ない限りです。
■「金を出して権益を買い取る」
ということは、そもそも先方が保有する権益であることを国家が認めたことを
意味します。確か、それ以前の「権益争い」の話をしていたはずですよね。
その交渉がめんどくさくて、いやになっちゃったんでしょうか?とかくの噂が
ある大臣からの命令が出たんでしょうか??
現政権はどうも中共指導部の意に沿うことしかしていないように見えますね。
その引き合いに出すのが拉致問題進展でしょう。不見識も甚だしいですね。
現政権になって、一気に国家の尊厳は放棄されたように感じます。
今回の失政が、将来にどれだけ大きな禍根を残すかを想像できる人もいなかっ
たのでしょう。
彼らは、残らず後世から売国奴という汚名をかぶせられます。
それまでにネパールのような形で中共の属国にするべく話を進めるでしょうが、
そうは問屋が卸しません。
功名だけに生きる小人に責任ある立場を委ねてはならない、という教訓を忘れ
ないようにしましょう。
今回のわが出資については、シナ国内でも「国辱もの」という批判があるよう
です。
しかし中共がそれを国際報道に公開した時点で、「今回の取引がいかにおいし
いもの」かが如実に示されたといえるでしょう。日本政府とわが政治部は同じ
苦しみを共有しているんですよ、という感情共有を通じた謀略ですね。
中共はこの権益を絶対に手離すことなく、尖閣を拠点に野望実現に出てきます。
それが見えないわが国はまたもや「権益から自ら手を引く」選択をしました。
こんなことでいいのでしょうか?
自称・現実主義者という人がいますが、彼らは常に「多数はどちらか?]を
見回すだけの日和見主義者、オポチュニストに過ぎません。胆識はもちろんの
こと、見識も持っていません。「その他大勢」という立場がふさわしいのです。
国家的決心を行なう部門にこういう人を混ぜてはいけません。
■宮崎正弘さんの情報
以上は、今話題の尖閣周辺わが海底油田問題に関する思いです。
現政権の異常さを図らずも示す出来事となりました。
そんななか読み始めた本著です。
いやはや頭に染み込む染み込む・・・
環境というのもばかにできませんね。笑
中共の現状を知るにあたって、もっとも信憑性が高いのはネット情報です。
産経新聞以外のマスメディアはほぼ信用できません。
(というより「肝心なことに限って」は事実すら伝えません。逆煽動したりし
ます。実におかしなはなしです。特に自称公共放送局が甚だしいです)
なかでも、宮崎正弘さんの日刊メルマガ(*1)と、大紀元(*2)は、国語で
読めるなかでもっとも信頼できる中共情報源の双璧といえましょう。
(*1)「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
http://www.melma.com/backnumber_45206/
(*2)http://jp.epochtimes.com/
宮崎さんのメルマガは、なにより見識を感じられる点が最高ですね。
とはいえ、本メルマガ読者の過半は宮崎メルマガの愛読者でしょうから、
これ以上はお薦めしません。笑
最新刊の『北京五輪後 中国はどうなる』も、非常に興味深い内容です。
すでに中共は崩壊過程に入っていると思いますが、この本で宮崎さんは多方面
から詳細な事実をひとつひとつ積み上げて、そのことを実証しています。
台湾の動向、水問題、経済格差、国際金融、反日教育など、マスコミのニュー
スを見る時間があるくらいなら、本著を読んだ方が、限られた時間を有益に
活かせることでしょう。
「世界最大の投資家ウォーレン・バフェットのペトロチャイナ株売却(昨年)」
への言及もありました。さすがだと思います。感服するばかりです。
非常に重要な出来事と思うのですが、ほとんど国内では報じられてませんでし
たね。私もあのときが中共経済のピークで、その後は落ちる一方だと見ていま
した。少しうれしかったです。
あわせて、全編を通じて流れている、チベットの悲劇、中共がシナ全土で展開
している反日活動については、すべての国民が知悉するべき重要事項と考えま
す。
また反日活動の詳細部分は、特に教師の方に熟読吟味をお願いしたい所です。
対処するための、三冊の必読図書も書かれています。
それにしても、そんな国に投資しようとしているのが、自民容共勢力と公明が
主導する福田政権です。国辱としか言いようがありません。愚かここにきわま
れりです。
次期政権の対中共政策を考え、進言する上で、この本は手放せません。
中共の今がぎっしり詰まった有機的な情報源です。
有機的だから養分を吸収できます。
すべての方にオススメします。
本日ご紹介したのは
『北京五輪後 中国はどうなる?』
著:宮崎正弘
発行;並木書房
発行日 2008/6/15
でした。
(エンリケ航海王子)
追伸
ちなみにおき軍事一同は、北京五輪に反対していますので一切の競技を見ませ
ん。五輪開催中は関連CMも入らないケーブルテレビのみ視聴する予定です。
もくじ
プロローグ 中国文明の衰退がはじまっている
 中国には世界を魅了する文化も思想も希薄
 北京五輪以後、中国経済の破綻が始まる
 共産党政権は歴代王朝の末期と極似してきた
 空前のドル激安で世界経済はさらに大荒れ
 四川大地震後の激動が見えてきた
第一章 チベット虐殺で北京五輪は失敗の恐れ
 西側の北京批判の大合唱を前に逆ギレ
 ウイグル独立運動にも抗議の火がついた
 中国共産党による偽ダライ・ラマ誕生という悪夢
 北京は五輪期間中の「テロ」を最も恐れている
 周到に用意された中国人の官製デモ
 経済失速の責任をかぶるのは温家宝首相
 愛国主義が毛沢東思想に代替できるか?
第二章 水、空気、食糧汚染と大災害
 中国人の八割が水不足と汚染に悩んでいる
 毒餃子事件どころではなかった未曾有の大雪被害
 世界的な穀物高騰で恒久的なインフレがはじまった
 公務員の腐敗・職権乱用が猛烈な勢いで拡大している
 10億円のブラジャー!遅れてきた世紀末バブル
 腐敗の温床、マカオのカジノを規制へ
 大地震難民と貧窮する農民を共産党は救えない
第三章 五輪以後、経済が崩壊するシナリオ
 こんな国に五輪を開催する資格があるのか
 チベット虐殺をめぐる中国非難の声が全世界に
 ウイグルの資源を漢族が盗掘している
 中国では繁栄と崩壊が同時進行中
 北京から離れると人々の関心は五輪以外
 上海近辺にイスラム教の集落ができつつある
 重慶市初期は知日派だが、さらなる発展は疑問
 当世結婚・離婚事情
第四章 軍国主義的市場経済の矛盾
 中国の軍事予算は公表されている数字の三倍強
 ロシアにとって中国は常に潜在的な脅威
 世界に飛び火する反中国感情
 ハイテク企業の買収と台湾籍中国人のスパイ活動
 ネット社会は軍国主義中国を変えるか?
第五章 中国投資を見限りはじめた欧米
 中国へ流入する摩訶不思議な投資資金の流れ
 世界を覆いはじめた華銭
 米国は日本の金融業界を見限り中国重視にシフト
 赤いファンドと白いファンドが世界を荒らす
 EUの求心力が失われ、独仏は違う道を歩みはじめた
 米中は経済面では相互依存体制
 中国経済「崩壊」への動きが顕著になりはじめた
 つぎは中国版サブプライム問題
第六章 捏造と改竄の反日記念館
 「反日記念館」抗議に立ち上がる日本の国会議員ら
 日本側の訂正要求に応じる気配はまったくない
 反日展示はウソとデッチ上げばかり
 日本軍を悪魔視する改竄の手法
 台湾懐柔の謀略ははじまっている
 歴史への無知が展示のデタラメを加速する
 反日展示ばかりが目立ち、西洋列強への憎悪はなぜか希薄
 悪名高いデタラメ展示の典型は北京の「抗日戦争記念館」
 魯迅や周恩来の日本との関連が削除されていた
 毛沢東の生家に観光客が押し寄せる
 国民党の評価に変化が見え始めた
第七章 モラル欠落、倫理の無存在
 歴史改竄のはじまりは撫順の「日本戦犯収容所」での洗脳
 蒋介石神話の崩壊
 コソボ独立宣言と台湾独立
 民族自決権は尊重されなければならない
 プーチンはユダヤ財閥を国外へ追放しはじめた
 プーチン一派とユダヤ人財閥のロシアの富をめぐる争い
 ロシア人と真面目に付き合っては損をする
 中国が国際的に孤立したとき、台湾独立のチャンスがくる
 南オセチアとアブハジア併呑の政治的野心が露わに
第八章 馬英九の台湾はどこへ行く?
 台湾産業界の中国大陸への投資はまだまだ続く
 国民党大勝を素直に喜べない理由
 北京におもねるように米国は台湾に圧力をかけ続ける
 中国も米国を利用して台湾を恫喝する
 また突発事件が重なった台湾の総統選挙
 中国と台湾の「共同マーケット」は実現するのか?
 新総統への期待は景気回復と財布の中身が増えること
 早急な中台統一はありえない
 なぜ「中国が民主化されたあとで、話し合いをすればいい」と言えないのか
第九章 かくも軽き日本の存在!
 米国は日本に過度の期待をすることをやめた
 ウォール街は日本というライバルを容赦なく蹴落とした
 「根拠なき悲観」が日本の市場をおおっている
 米国主導のグローバリズムが日本の経済力を弱めた
 IT社会が日本人の情緒の破滅をもたらした
エピローグ 中国のご都合主義
 中国人に善意や誠意は通じない
 中国の歴史は権力者の創作である
 日中友好という幻想に騙されてはいけない
本日ご紹介したのは
『北京五輪後 中国はどうなる?』
著:宮崎正弘
発行;並木書房
発行日 2008/6/15
でした。