【本の紹介】『世界と人間を操る お金の学校』 渡邉哲也(著)
『世界と人間を操る お金の学校』
渡邉哲也(著)
発売日:2023/9/19
単行本(ソフトカバー):240ページ
寸法:18.8×12.8×1.7 cm
定価:1,500 円+税
出版社:ワニブックス (2023/9/19)
https://amzn.to/3r9WSIt
おはようございます、エンリケです。
今日、ご紹介するのは渡邉哲也さんの本です。個人的には、「戸締まりさん」という愛称がしっくり馴染む渡邉さんは、長い間ネットの世界で言論活動を展開してきた方です。そして今や、ネット出身の言論人の数少ない生き残りと言って過言ではない存在になっています。
【略歴】
渡邉哲也 Watanabe Tetsuya
作家・経済評論家。1969年生まれ。日本大学法学部経営法学科卒業。貿易会社に勤務した後、独立。複数の企業運営に携わる。大手掲示板での欧米経済、韓国経済などの評論が話題となり、2009年、『本当にヤバい!欧州経済』(彩図社)を出版、欧州危機を警告し大反響を呼んだ。内外の経済・政治情勢もリサーチや分析に定評があり、さまざまな政策立案の支援から、雑誌の企画・監修まで幅広く活動を行っている。著書は100冊を超える。ベストセラー・話題作など多数。
■渡邉哲也公式サイト
http://www.watanabetetsuya.info/
■X(旧Twitter)アカウント
@daitojimari
渡邉さんはビジネス経験が豊富で、実践的な知識と物事の見方を提供しており、さまざまな情報源から得た情報を面白く、わかりやすく解説するスタイルが非常に人気を博しています。
今回ご紹介するこの本は、学校や社会、そして家庭ですら決して教えられない、お金についての真実を赤裸々に語るものです。渡邉さんの深い知識と解説力を活かしてお金の原理と原則を解説しており、特にQ&A形式のアプローチが、読者にわかりやすさを提供しています。
「教えて渡邉先生」というスタンスで、お金にまつわるさまざまなテーマを一問一答形式で取り上げています。お金に関する「活きた」知識を深めたい方々にとって、必読の一冊と言えるでしょう。
たとえば、、、
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Q そもそもお金ってなに?
A 国家の「信用=国力」で成り立っている“共同幻想”です
Q 人民元が基軸通貨になる可能性は何%?
A 自由な資本取引を制限している以上、難しいでしょう
Q 円安と円高どっちがいい
A デフレでは円安のほうが有利なことが多いでしょう
Q なぜドルは暴落しないの?
A ドル支配体制は世界諸国にとってもメリットがあるからです
Q 金利と利子は違う?
A 「利子(利息)」は金額であり、その利率が「金利」です
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なんてことが書かれています。
それではこの「お金の学校」の中身を見ていきましょう。
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はじめに・・・お金の教科書
1 お金の基礎知識
Q そもそもお金って何?
A 国家の「信用=国力」で成り立っている”共同幻想”です
Q 金利と利子は違う?
A 「利子(利息)」は金額であり、その利率が「金利」です
Q リコースローンとノンリコースローンの違いは?
A 住宅ローンと不動産担保ローンの違いです。
日本では前者が一般的で米国は後者が多いです
Q 商品の値段は誰が決めている?
A 需要と供給のバランスで決まります
2 マクロ経済は国家の視点
Q 価格と物価は同じ?
A 「価格」はミクロ経済、「物価」はマクロ経済だから次元が違います
Q デフレとインフレって何?
A 物価が継続的に上がるのがインフレ
下がり続けるのがデフレ
Q デフレスパイラルが銀行に与える影響をもう少し詳しく
A 資産価格の下落と景気の悪化が連鎖する「バランスシート不況」に陥ります
Q よく使われる「名目」と「実質」って何?
A 名目は額面通りの金額で、実質は物価の変動の影響を取り除いたものです
3 金融商品と銀行
Q 債券の金利はどう決まる?
A 通貨の誘導金利+リスクプレミアム(付加金利)です
Q 株式の返済順位はなぜ低い
A 経営に関与しているということで責任が大きいからです。その代わり金利は高くなっています。
Q 手形と小切手の違いは?
A 大きな違いは手形は約束をもとに支払いを先延ばしにできることです
Q 銀行とは?
A 個人から集めた預金を貸し出すことで金利差を稼ぐビジネスです
Q 「手数料ビジネス」が拡大している
A 銀行にとってはおいしいからですが、二重手数料であり、かつハイリスク商品。買うべきではありません
4 中央銀行の戦い
Q 「金融ビッグバン」で何が変わった?
A 金利の自由化、為替の自由化、金融商品を解禁し自由な市場を拡大しました
Q 「金融政策」って何?
A 国債を売買することで資金量の調整を行い金利を誘導することです
Q 「為替の自由化」で何が変わった?
A 銀行や取扱業者により為替レートが変わるようになり、円も国際通貨となりました
Q 「マイナス金利政策」は非常識?
A 世界各地でも同様の政策がとられています
Q 金融政策と財政政策の違いは何?
A 財政政策は政府が担当、増税や財政出動により景気をコントロールします
Q MMTは正しいか?
A MMTを持ち出すまでもなく従来の金融政策で説明できます
Q 国債の価格が下がると金利が上がるのはなぜ?
A 額面の金利は変わらないため、実質的に金利が上昇するからです
Q 日銀の「独立性」とは?
A 通貨の信用を担保するために財銀分離原則にのっとった地位で、完全の独立しているわけではありません
5 国家vs国家、為替戦争
Q 円安と円高、どっちがいい?
A デフレでは円安のほうが有利になることが多いでしょう
Q 外国為替市場の役割は?
A 異なる通貨を交換する世界最大の金融市場です
6 国際金融の仕組み
Q SWIFTとは何?
A 海外への送金を可能にする世界最大の国際決済網です
Q 「国際金融のトリレンマ」って何?
A 世界経済で必ず知っておいた方がいい法則です
Q 人民元が国際通貨になる可能性は?
A 自由な資本取引を制限している以上、難しいでしょう
Q 中国主導のAIIBはどうなっている?
A 仕組みが機能せずADBの”下請け”と化している
Q 世界最大の機関投資家「GPIF」が株価に与える影響は?
A あります。しかしなるべく市場に影響を与えないようにしています
7 国家vsグローバル企業
Q 暗号資産って何?
A 2種類あって、ドルなどの裏付けのある安全なものもあります
Q メタの「リブラ」構想はなぜつぶされたのか?
A 通貨発行権の侵害という国家の逆鱗にふれたからです
8 通貨覇権とウォール街vsシティ
Q そもそも「基軸通貨」って何?
A 世界中で使うことができる国際通貨で、戦後は「米ドル」です
Q ドルが基軸通貨となった「ブレトンウッズ体制」とは?
A 米ドルだけが金と交換できる「擬似的金本位制=ドル本位制」です
Q なぜドルは暴落しないのか?
A ドル支配体制は世界諸国にとってもメリットがあるからです
Q ウォール街とシティは対立しているの?
A 対立も協調も、ウォール街を凌駕する取引も少なくありません
9 金融危機のメカニズム
Q 銀行が潰れるときはどんなとき?
A 債務超過ではなく”取り付け騒ぎ”です
Q 投資信託とヘッジファンドの違いは?
A 投資信託は初心者向け、ヘッジファンドは富裕層向けです
Q そもそもお金って何?
A 国家の「信用=国力」で成り立っている”共同幻想”です
Q 金融危機はなぜ起きるのか?
A 「フェイクマネー」が膨張し、信用バブルが崩壊するからです
Q バブルを膨張させた資産の「証券化」とは?
A メリットも大きいが、複雑化するにつれ危機の元凶になりました
10 強欲資本主義の崩壊
Q 「金融資本主義」の問題とは?
A 「強欲資本主義」とも批判され、超格差社会を生み出しました
Q どうしてグローバル金融機関はそんなに貪欲なのか?
A 富の収奪を目的とする”植民地会社”がその正体だからです
11 バブル崩壊後の行方
Q なぜバブルは弾ける?
A 膨れ上がった資産価格が臨界点となる「ミンスキーモーメント」を迎えるからです
Q 不動産バブル崩壊が終わるとどうなる?
A 不動産価格が適正化され新たな買い手が生まれます
12 利上げ、リスクの構造
Q なぜFRBは”利上げ”をするのか? そのリスクは?
A コロナ禍の世界異次元的緩和によるインフレの後始末をするためです
Q 利上げに対する各国の対応は?
A 新興国のデフォルトに備え新興国が協調して通貨の安全保障体制を整えています
Q 世界の金融商品リスクは?
A 「資産担保証券(ABS)」やデリバティブを利用した仕組債などです
13 金融制裁の威力
Q ドル支配体制の金融制裁を教えて?
A IEEPA法やその対象となった人が載るSDNリストなど様々なリストがあり、取引が禁止されます
Q シティの金融制裁は?
A 保険・再保険市場から排除され航空も航海も完全麻痺です
Q 金を大量に購入すればドル支配から脱せられるのでは?
A 不可能です。金本位制は過去の遺物に過ぎません
14 日本経済のリスクとチャンス
Q 日本はインフレ?
A コストプッシュインフレです。デフレから脱却するカギは賃金とエネルギー
Q コロナ後の財テクは?
A 安いときに買って高く売るのが財テク。バブル期には手を出さないほうがいいでしょう
おわりにーお金を学ぶということ
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いかがでしょうか?
あなたが知りたいことのひとつは、ここにあったはずです。
今回オススメしたいなと思ったのは、本文にあった「ある言葉」に強く感じるところがあったからです。
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お金を学ぶということ
「経済」の語源は「経世済民」世よを経(をさめ)、民たみを済(すくふ)が語源であり、政治と経済は表裏一体の関係にあります。本書で解説しているお金はそれを操る道具であり、これを制したものが勝者となります。現在、世界は大きな変動期にありますが、そこには普遍的なものがあり、その最たるものが金といえるのかもしれません。世界最古の職業の一つが金貸しであり、現代の金融であるといえるのです。お金を学ぶことは歴史を学ぶことであり、政治を学ぶことといえるのでしょう。
(本文より)
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「お金はそれ(経済)を操る道具」
という言葉です。
お金そのものの原理原則を学ぶことなしに経済を全うすることはできないはずです。そんな当たり前のことをきちんと伝えてくれている姿勢が非常にオススメしたいと思ったポイントになりました。
ここを見落として、道具に過ぎないお金に振り回されている人が多すぎると思います。お金との適切な距離感を保ち得ず、結果すべてを瓦解させてしまう理由はここにある気がしてなりません。
軍事や国防安保の基盤は国家の経済力です。
経済小国は必然、軍事小国・安保小国・国防小国となり、
自立自尊の独立国家を維持運営することはできません。
またいまでは、金融戦、経済戦という戦争もメジャーになってきています。
経済を動かす道具である「カネ」への妥当な理解と洞察なしに、軍事・国防・安保を考えることは不可能ということです。
ですから、いまゼヒ読んでほしい一冊です。
オススメします
『世界と人間を操る お金の学校』
渡邉哲也(著)
発売日:2023/9/19
単行本(ソフトカバー):240ページ
寸法:18.8×12.8×1.7 cm
定価:1,500 円+税
出版社:ワニブックス (2023/9/19)
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エンリケ
追伸
お金に関する話をオープンにできないのは、お金と冷徹に向き合えない=感情的にお金に振り回されている姿勢の顕れです。
この機会にこの本を読んで、少しでもお金の原理原則を頭に叩き込んでください。
『世界と人間を操る お金の学校』
渡邉哲也(著)
発売日:2023/9/19
単行本(ソフトカバー):240ページ
寸法:18.8×12.8×1.7 cm
定価:1,500 円+税
出版社:ワニブックス (2023/9/19)
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