家村和幸:『真説 楠木正成の生涯』

こんにちは。エンリケです。
家村和幸さん(元二等陸佐[陸軍中佐]、日本兵法研究会会長)が、
新刊を出されました。
家村さんのライフワークは「兵法研究」ですが、
その大きな柱の一つに「楠木正成」研究があります。
今回出た新刊は、
大楠公はいかにして部下を動かしたか?
に着目した内容で、大楠公の統率力を解明するものです。
『真説 楠木正成の生涯』
http://amzn.to/2pKGgRV
です。
新書で読みやすく、
『太平記』の豆知識を解説するコラム3編もちょうどいい按配で、
個人的には大満足の一冊です。
わかりやすくて読みやすくて面白い。
そのうえ信頼できる内容です。
いまわが国は、激動の時代のさなかにあります。
不透明なこれから先の時代を読み、理解する土台は
バッタのように、あれやこれや海外事情に飛びついて
食い散らかして終わるのではなく、
わが国の縦糸に改めて気づき、
そこに戻って叡智とエネルギーを取り戻して満充電する
ことにあります。
いくら知識や思想や政治を知っても、
統率力というエンジンがなければ絵に描いた餅。
現実に活かすことはできませン。
いつまでたっても
報道や自称専門家のいい加減な話に
振り回されたくない、と思っているなら、
新書なのにこんな充実した内容を持っている
本著をポケットに入れない選択肢はないでしょう。
兵法といえば戦術や戦略ばかりに目が行きがちです。
ところがこういう感覚に囚われると、
一歩間違えば人生を棒に振ります。
いくら立派な発想や衆に抜きんでた見識、天才的ひらめき
があっても、命令を下す立場にある人に統率力がないと、
そのもつ能力を十全に発揮することはできません。
けっきょく宝の持ち腐れになってしまうのです。
統率力の何たるかを、
大楠公から学べる本。
それがこの本です。
著者・家村さんのことばも紹介しますので、
イマスグ手に入れてください。
エンリケ
——————–
この度、宝島新書より『真説 楠木正成の生涯』を上梓いたしました。
 今から約六百八十年前、後醍醐天皇の討幕挙兵にいちはやく挙兵し、
天才的な兵法で鎌倉幕府を滅亡に追い込んだ「大楠公」こと楠木正成
につきまして、かつては、日本人であれば教科書や唱歌を通じて誰も
が知っている英雄でしたが、大東亜戦争に敗れ、GHQ占領下で歴
史教科書からその名を消されてからは、今日でさえ、広く知られて
いるとは言い難い、実に残念な状況です。
それでも昨今、産経新聞での連載記事や同新聞社主催のシンポジウ
ムなどを通じて、徐々にその名が広まりつつあるのは、大変うれし
いことです。
「軍師」として兵法に長けていた人物は、古今東西の歴史にもたく
さん出てまいります。しかし、楠木正成の偉大さは、それだけでは
なく、鎌倉時代から南北朝時代にかけての日本で「最強の精鋭軍団
を育てた」という事実です。
あらゆる兵法書を血肉化し、『孫子』を越えた独自の兵法を完成さ
せ、しかも、卓越した統率力でそれらを実行に移して戦場で連勝し、
時代の流れを大きく変えた稀代のリーダー、これこそが、楠木正成
の正しい評価だといえます。そして、その卓越した統率力が、楠木
正成という人物の「人柄」そのものに根差していたということも、
非常に重要なポイントです。当時、国中の武将が恐れていた楠木勢
の将兵たちは皆、人生を意気に感じて正成の下で戦い、正成のため
に死ぬことを至上の喜びとしていたのでした。皆が死を恐れずに戦
う軍勢ほど、強いものはありません。
 本書は、主に楠流兵法書『太平記評判秘伝理尽鈔』という書物の
中から、知られざる楠木正成の人物像、とりわけ家臣・兵士や領民
の心を引きつけたその人間的な魅力について抜粋し、現代語訳にす
ることで多くの皆様に紹介しようとするものです。智恵と仁愛と勇
気に満ち溢れた楠木正成の生涯には、現代社会を生きる私たち、と
りわけ組織リーダーの立場にある方々に大いに役立つ「手本」が無
数に散りばめられています。本書を一人でも多くの方にお読みいた
だけるよう、ご協力いただければ幸甚です。
平成二十九年 五月
日本兵法研究会 会長
家村 和幸
書店にて発売中、Amazonでも買えます。
http://amzn.to/2pKGgRV
—————————-