交戦規定(ROE)

交戦規定(ROE:Rule of engagement)とは、軍が、いつ、どこで、いかなる相手に、どのような武器を使用するかを定めた基準のこと。状況に接するごとに現地軍部隊指揮官に政治的判断を迫る事態を少なくし、部隊が任務遂行に全力を尽くせる環境を作ることを最大の目的とする。(自衛隊の場合は「部隊行動基準」という名前になっている)
言ってみれば、国家最高指揮官が軍に下す用兵命令の条件付き先渡しである。しかしこれは法律ではない。
議会による各種軍事面における規制は、軍に用兵命令を下す最高指揮官を縛るものであり、軍に対し、その作戦用兵を縛るものではない。部隊に対する命令権は最高指揮官に帰一すべきものである。
いかなる交戦においてもROEには、「任務を遂行するため効果的に武器を用いること」と「必要のない武器使用を抑えること」のバランスをとることが求められる。ROEが厳格すぎたり緩すぎたりすると問題が起きる。国の首脳は、政治や外交的な理由から武器の使用をなるべく抑えようとする一方で、現場の軍指揮官は、作戦遂行上最も効果的な方法で武器を用いようとすることがある。