警戒航空隊(7)

渡邉陽子さんのデビュー作

オリンピックと自衛隊

1964東京五輪は、自衛隊の支援なしに成功しなかった!
2020東京五輪も、自衛隊は同じ役割を求められることになる
知られざる自衛隊の苦難と栄光の歴史が、ここに明らかに!!
オリンピックに熱い思いを抱く、すべての人に捧げます。

自衛隊家族会発行「おやばと」、「隊友」160715号、 「月刊モデルグラフィックス」2016/8号「月刊丸」2016/8号160712「防人の道 NEXT」「歴史群像」8月号(学研)160701 桜林美佐の国防ニュース最前線、「月刊世界の艦船」2016/9号、160809 政治学者・岩田温の備忘録 で取り上げられました。





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警戒航空隊(7)

早期警戒機、E-2Cのクルーは5名です。
E-2Cの役割は多岐にわたることは先週も
書きましたが、おさらいしておきますね。

 

まずはE-2C導入の最大の目的であった、
地上レーダーで捕捉しきれない低空侵入機の
早期発見(「第2のベレンコ中尉」を二度と出し
てはいけません)。

 

そしてその対処の迅速化、陸・海部隊との作戦
連携、捜索・救難・指揮の円滑化、陸上レーダ
ーサイト機能の代替、通信の中継など、航空
作戦を効果的に遂行する使命を担っています
が、最大の任務はやはり警戒監視です。そのた
めレーダーサイトの機能をそのまま上空に運び、
監視機能を強化しています。

 

 

幹部自衛官が就く機上要撃管制はE-2Cに搭乗し、
DCの要撃管制と同様、要撃機パイロットなどに目標
のコースやスピードなどの戦術情報を提供します。
警戒管制員は地上のレーダーサイトと同様、ほん
のわずかな異常も見逃さずに監視する、まさに
E-2Cの目の役割を果たします。

 

 

パイロットは他機種からの転換組が少なくありま
せん。私が取材したパイロットも、もとはF-4戦闘機
のパイロットでした。E-2Cとは違う形で対領空侵犯
措置に関わっていたわけですね。

 

20年ほどファイターとして経験を積み、肉体的に
そろそろ限界が近づいてきたのを感じたとき、次に
操縦したいと思ったのがE-2Cだったそうです。

 

初めてE-2Cで離陸したとき、その扱いにくさに衝撃を
受けたといいます。機体に対して出力が大きいエンジ
ンの上にプロペラのジャイロ効果などもあって、まっす
ぐ進ませるのにも苦労したとか。これまで空を飛んで
きた経験は何だったんだろうとショックを受けたものの、
今では扱いにくい機体を乗りこなすおもしろさを感じて
いるそうです。

 

F-4は相手の近くまで行く、E-2CはF-4へ提供するた
めの情報を集めると、上空での任務は違いますが、対
領侵への思いは変わらないとのことでした。自分に与
えられた任務をしっかりこなして領空を守る、それだけ
だと。ただF-4のクルー2名に対してE-2Cは5名と、そう
いう点では責任も増し、平時でも頻繁に実任務につくこ
との多いE-2Cパイロットの仕事は充実していると話し
てくれました。

 

 

バッククルーの機上要撃管制と警戒管制は、決して広い
とはいえないコックピット背後に3名乗り込み、レーダー
サイトと同様の仕事を行います。

 

ぎゅうぎゅうの環境で地上と同じ機能を発揮しなければ
ならないのは、なかなか大変です。しかも機上整備員が
いないので、電子機器にトラブルが発生した場合、地上
ならば専門の隊員が対処してくれますが、上空では自分
たちで何とかしないといけません。

 

さらに気象に左右されることが、レーダーサイトやDCとの
大きな違いでしょう。夏、地上が30度超えのときに機内に
行くと、まだ空調が入ってないので40度近くなっています。
その中でクルー5名が、汗まみれで機材を立ち上げ離陸
するわけです。上空に上がると今度は汗が引いて寒くなる、
この繰り返し。この寒暖の差はかなり堪えるそうです。

 

冬は吹雪のなか航空機まで行き、凍るような機内でかじかむ
手をなだめつつ機材を立ち上げる。これは地上の警戒管制
員にはない苦労ですが、取材した隊員は「苦労とやりがいは
紙一重」と笑っていました。

 

次回で警戒航空隊の連載は最終回です。

 

 

 

(わたなべ・ようこ)

 

(平成26年(西暦2014年 皇紀2674年)10月30日配信)

 





渡邉陽子さんのデビュー作

オリンピックと自衛隊

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