潜水医学実験隊(3)

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オリンピックに熱い思いを抱く、すべての人に捧げます。

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潜水医学実験隊(その3)

前回は飽和潜水がどのように行われるかご紹介しました。

 

タンクを背負ってレギュレーターをくわえボートから飛び込むスキューバダイビングとの共通点は、「海に潜る」という点のみ。今回はそんな特殊な潜水方法を身につけている潜水員たちの訓練の様子をご案内します。

 

潜水医学実験隊には、海上に出なくても訓練を行えるシミュレーターがあります。私が見せてもらったのはPTCを用いた潜水訓練で、ふたりの潜水員が温水スーツを着てPTCに乗り込みました。PTCはDDC(船上減圧室)に接続されている、海中で作業現場に向かうカプセルです。

 

温水スーツは細いホースを通してスーツ内に温水が送られるようになっています。潜水深度が深くなると潜水員の体はどんどん冷えていくので、この温水で体温を保ち、低体温症を防ぐのです。温水スーツの中で体が泳いでいるように見えるほどサイズが大きいのですが、深海ではこれがぴったり体にフィットするそうです。

 

ほかの隊員たちはPTCのバルブひとつひとつを丁寧に、けれど迅速にボードと照らし合わせてチェックしていきます。主管制盤には無数のスイッチと大きな深度計があり、より細かく正確にメモリを確認できるよう、ルーペまで付いています。

 

PTCの分厚いハッチが閉じられると、PTCは気圧をコントロールできる水槽へと移動します。水槽とハッチが一致する地点までホイッスルを鳴らして誘導するのは、経験豊富な先任伍長の役目です。PTCから出た隊員ふたりは、水中でものを組み立てるといった作業を協力しながらこなしていました。そのゆっくりとした動きは、宇宙飛行士が船外で作業する姿に似ています。その日は装置の運用がメインの訓練だったため加圧は行われず、潜水員は作業終了後、減圧の必要もなくPTCから出てきました。

 

シミュレーターを用いず、潜水員としての技量を保持する訓練も行われています。水深11mの恒温水槽は水流を発生させることもでき、可動すのこで深さの調整も可能です。ここでは基礎的潜水法の訓練のほか、潜水器具の実用試験や潜水に関する医学的、人間工学的な実験研究が行われていています。なんといっても「潜水医学実験隊」ですから。

 

潜水員たちは訓練を始める前に、「ちょっと体慣らしておこう」と言ってさらりと飛び込み、数秒後には水槽の底に着地していました。水面でぷかぷか浮いていたひとりが、くるりと体を丸めたと思ったら、もうその姿は水中に消えています。潜水員の年齢は20代から50代と幅広く、女性自衛官もいます。

 

水の中での動きはどこまでも自然で無駄がなく、水の中にいることを意識していないように見えるほど、誰もが水になじんでいます。呼吸のできない水中への恐怖心はないのかと思いきや、自らも飽和潜水を行うある幹部自衛官が「飽和潜水を行う潜水員ですら恐怖心は持っています。その恐怖心を和らげるのは経験しかありません。過去に潜っていてもブランクが空けば恐怖心が増す、だから継続的な訓練が不可欠です」と話してくれました。

 

次回は飽和潜水員になるまでの長く厳しい道のりをご紹介します。

 

 

 

(以下次号)

 

 

(わたなべ・ようこ)

 

 





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