海上自衛隊幹部候補生学校(15)
ごあいさつ
こんばんは。渡邉陽子です。
雑誌記事のお知らせです。
「パンツァー」5月号に「神は賽子を振らない 第32代陸上幕僚長火箱芳文の半生」第25回が掲載されています。陸上自衛官約15万人のトップとなった火箱氏。2010年、中国訪問時のエピソードは読み物としてもお楽しみいただけると思います。
「丸」5月号に「第3普通科連隊アルバム」と「最北の最強部隊 陸自第3普通科連隊密着ルポ」が掲載されました。3連隊と名寄駐屯地、2師団広報の協力あっての記事です。ドローンで撮影された超かっこいい巻頭カラーグラビアと合わせてどうぞ。こちらは本職のカメラマンの撮影です。
「正論」5月号に「われらの女性自衛官」第2回が掲載されています。4月号は緊急事態宣言のため取材ができず休載となってしまいましたが、今月号から毎月の連載です。今回は護衛艦「まや」の乗員の3曹をご紹介します。
海上自衛隊幹部候補生学校(15)
候補生たちへの質問、今週が最終回です。
<回答者のプロフィール>
Kさん(男性) 防大卒 潜水艦・艦艇希望 23歳
Oさん(女性) 防大卒 航空装備・研究科希望 23歳
Fさん(女性) 一般大学大学院卒 航空(戦術航空士)希望 25歳
Hさん(男性) 一般大学卒 航空装備希望 28歳
Iさん(男性) 一般大学卒 潜水艦希望 25歳
Q やりがいを感じるのはどんなとき?
Q 目指す理想の幹部像とは?
候補生たちのQ&Aはここまでですが、ちょっと余談を。
ロンドンオリンピックレスリング銅メダリストの湯元進一1等陸尉は、現役引退後に福岡県久留米市にある陸上自衛隊幹部候補生学校に入校、9カ月を過ごしました。彼は大学卒業後に入隊して以来、ずっと朝霞駐屯地内にある自衛隊体育学校でレスリングに打ち込んできました。また、階級も試合の成績が直結するので、幹部候補生学校を経ずとも幹部になっていました(そんなわけで、体育学校の指導者たちの多くは、幹部でありながら陸海空幹部候補生学校に入校していません)。
湯元1尉もすでに「1尉」なのですから本来入校の義務はありませんが、あえて険しい道を選びました。その感想は「とにかく勉強が大変だった」そうで、相当苦労したようです。そして「せめて運動面では負けまい、体力面では同期を引っ張っていこうと、そこはぶっちぎりでした(笑)。幹部候補生学校ではレスリングの練習では味わったことのない悔しい思いもしましたが、これまでの人生になかったことを学んだ、貴重な日々でした」と言っていました。また、これまで体育学校の自衛官としか付き合いがなかったけれど、ともに学んだ大切な同期の仲間ができたことが「すごくうれしかった」と。ちょっといい話ですよね。
(つづく)
(わたなべ・ようこ)
(令和三年(西暦2021年)4月1日配信)