海上自衛隊幹部候補生学校(4)

渡邉陽子さんのデビュー作

オリンピックと自衛隊

1964東京五輪は、自衛隊の支援なしに成功しなかった!
2020東京五輪も、自衛隊は同じ役割を求められることになる
知られざる自衛隊の苦難と栄光の歴史が、ここに明らかに!!
オリンピックに熱い思いを抱く、すべての人に捧げます。

自衛隊家族会発行「おやばと」、「隊友」160715号、 「月刊モデルグラフィックス」2016/8号「月刊丸」2016/8号160712「防人の道 NEXT」「歴史群像」8月号(学研)160701 桜林美佐の国防ニュース最前線、「月刊世界の艦船」2016/9号、160809 政治学者・岩田温の備忘録 で取り上げられました。





渡邉陽子さんへのお問い合わせは、こちらからどうぞ

↓↓↓↓

海上自衛隊幹部候補生学校(4)

2021年最初のメルマガも、海上自衛隊幹部候補生学校の続きです。
旧帝国海軍の伝統を色濃く残す海上自衛隊幹部候補生学校には、トリビア的なネタが山ほどあります。ここではそのほんの一部をご紹介しましょう。

 

●五省
至誠に悖るなかりしか (真心に反する点はなかったか)
言行に恥ずるなかりしか(言行不一致な点はなかったか)
気力に欠くるなかりしか(精神力は十分であったか)
努力に憾みなかりしか (十分に努力をしたか)
不精に亘るなかりしか (最後まで十分に取り組んだか)
五省は昭和7年に当時の海軍兵学校長、松下元少将が創始したもの。松下校長は、兵学校生徒が日々の各自の行為を反省し明日の修養に備えるよう、五か条の反省事項、いわゆる「五省」を考え出しました。
毎晩自習終了時刻の5分前に、当番生徒が「五省」の5項目を問いかけます。各生徒は姿勢を正し、瞑想しながら心の中でその問いに答え、今日1日を自省自戒するというものでした。
海上自衛隊幹部候補生学校でも海軍時代の伝統を受け継ぎ、学生たちは兵学校時代と同じスタイルで毎晩自習終了後、五省により自分を顧みて、日々の修養に励んでいます。
なお、敗戦後来日した米国海軍のウィリアム・マック海軍中将が「五省」に感銘を受け、アナポリスの海軍兵学校に持ち帰り、翻訳させて現在でも教育に利用しているといわれますが、真偽のほどは定かではありません。

 

●幹事付制度
「幹事付」とは候補生の兄貴役。幹事付A、幹事付Bと、毎年2名の幹事付が学生館の一室に机を構え、候補生たちの居住区全般と候補生そのものに目を光らせます。
一般的には「兄貴」より「赤鬼」「青鬼」の名称のほうがはるかに浸透しており、候補生からすれば、ただただひたすら怖くて恐ろしい存在。候補生たちにとって「超絶怖い」を人の形にすると幹事付になると言っても過言ではありません。幹事付は候補生とあれば年上だろうが容赦しないため、自分の父親ほどの年の候補生が涙を流すことすらあるといいます。候補生のプライドを粉々に打ち砕き、心をえぐり、散々落としたと思ったところでさらに落とす。これはきついです。家族ですら関係の希薄な家庭も珍しくない時代ですから、幹事付のような濃い存在に出会うと、候補生たちは一様にカルチャーショックを受けます。
幹事付制度は海軍時代からの伝統ですが、鬼教官役はあまりにハードワークなため、その任期は1年。鬼になりきるのは1年が限度なのです。罵倒しまくる方もつらいんですね。幹事付の罵声の裏には海よりも深い愛情があふれているのです。

 

●巡検
各建物の清掃状況や設備、人員の確認のため、毎日行われる点検のこと。このとき少しでも整理整頓に不備があれば、すかさずチェック&指導が入ります。コインが跳ね上がるほどシワひとつなくシーツが張られたベッドを作るため、候補生たちはシーツにアイロンをかけることすらあります。

 

●幹部候補生学校の表玄関
守衛所のある道路に面した門が幹部候補生学校の表玄関と思いがちですが、実は正式な表玄関は江田島湾内に突き出した浮き桟橋。こちらが「表桟橋」と呼ばれる、幹部候補生学校の正門です。卒業生は音楽隊の演奏が響くなか、ここから遠洋練習航海へ旅立って行きます。

 

●帽振れ
いわば船乗りのお約束。別れを惜しむとき、一斉にかぶっていた帽子を右手に持って左右に振ります。幹部候補生学校では職員が離任するときや卒業生が遠洋航海に旅立つ際に行なわれます。特に卒業生が表桟橋から遠洋航海に出発するとき、陸に残った幹事付の最後の号令、「帽振れー!」で一斉に船上から帽振れをする光景は絵になります。
余談ながら知り合いの幹部海上自衛官は、「甲板からの帽振れが十分でなかった場合、艦艇から引きずり降ろして江田島に残す」と言われたそうで、「絶対に、絶対に、江田島には戻りたくなかったから腕がちぎれんばかりに帽振れした」と言っていました。

 

●同期の桜
中庭中央西側にある桜は『同期の桜』のモデルになった桜との説も。ほかの桜と同じ品種なのに、この桜だけはなぜか葉が一回り大きいそうです。

 

 

 

 

(つづく)

 

 

(わたなべ・ようこ)

 

 

 

 

(令和三年(西暦2021年)1月7日配信)

 





「丸」7月号に「日本の無人機最新レポート」が掲載されました。
竹内修氏の巻頭グラビアページと合わせてお楽しみいただければ幸いです。ドローンは戦闘を変え、災害で命を救い、宅配便にもタクシーにもなり……ものすごい可能性を秘めていて、知るほどに面白く、空恐ろしくもあります。まずは国産ドローン頑張って欲しいです!
「PANZER」7月号に「神は賽子を振らない 第32代陸上幕僚長火箱芳文の半生」第27回が掲載されました。
福島第一原発の状況を政府などから一切知らされないまま迎えた14日朝。3号機で起きた水素爆発で、初めて火箱氏は原発が危機的状況にあることを知ります。翌日、ヘリ放水の打診がありました。
「正論」7月号に「われらの女性自衛官」第4回が掲載されました。
今回は航空自衛官の整備幹部。防大1期生であり、防大生の長女、高校3年生の息子たち(双子!)のお母さんでもあります。取材時は空幕勤務でしたが、現在は那覇の第9航空団整備補給群司令として約700名の隊員を率いています。


渡邉陽子さんのデビュー作

オリンピックと自衛隊

1964東京五輪は、自衛隊の支援なしに成功しなかった!
2020東京五輪も、自衛隊は同じ役割を求められることになる
知られざる自衛隊の苦難と栄光の歴史が、ここに明らかに!!
オリンピックに熱い思いを抱く、すべての人に捧げます。

自衛隊家族会発行「おやばと」、「隊友」160715号、 「月刊モデルグラフィックス」2016/8号「月刊丸」2016/8号160712「防人の道 NEXT」「歴史群像」8月号(学研)160701 桜林美佐の国防ニュース最前線、「月刊世界の艦船」2016/9号、160809 政治学者・岩田温の備忘録 で取り上げられました。




 

↓メルマガ「軍事情報」へのご登録はこちらからどうぞ↓
メルマガ購読・解除
 



渡邉陽子さんへのお問い合わせは、こちらからどうぞ

↓↓↓↓

関連ページ

海上自衛隊幹部候補生学校(1)
ライター・渡邉陽子さんが毎週お届けするメルマガコラムのバックナンバー「海上自衛隊幹部候補生学校(1)」(令和二年(2020年)12月10日配信)です。
海上自衛隊幹部候補生学校(2)
ライター・渡邉陽子さんが毎週お届けするメルマガコラムのバックナンバー「海上自衛隊幹部候補生学校(2)」(令和二年(2020年)12月17日配信)です。
海上自衛隊幹部候補生学校(3)
ライター・渡邉陽子さんが毎週お届けするメルマガコラムのバックナンバー「海上自衛隊幹部候補生学校(3)」(令和二年(2020年)12月24日配信)です。
海上自衛隊幹部候補生学校(5)
ライター・渡邉陽子さんが毎週お届けするメルマガコラムのバックナンバー「海上自衛隊幹部候補生学校(5)」(令和三年(2021年)1月14日配信)です。
海上自衛隊幹部候補生学校(6)
ライター・渡邉陽子さんが毎週お届けするメルマガコラムのバックナンバー「海上自衛隊幹部候補生学校(6)」(令和三年(2021年)1月21日配信)です。
海上自衛隊幹部候補生学校(7)
ライター・渡邉陽子さんが毎週お届けするメルマガコラムのバックナンバー「海上自衛隊幹部候補生学校(7)」(令和三年(2021年)1月28日配信)です。
海上自衛隊幹部候補生学校(8)
ライター・渡邉陽子さんが毎週お届けするメルマガコラムのバックナンバー「海上自衛隊幹部候補生学校(8)」(令和三年(2021年)2月4日配信)です。
海上自衛隊幹部候補生学校(9)
ライター・渡邉陽子さんが毎週お届けするメルマガコラムのバックナンバー「海上自衛隊幹部候補生学校(9)」(令和三年(2021年)2月11日配信)です。
海上自衛隊幹部候補生学校(10)
ライター・渡邉陽子さんが毎週お届けするメルマガコラムのバックナンバー「海上自衛隊幹部候補生学校(10)」(令和三年(2021年)2月25日配信)です。
海上自衛隊幹部候補生学校(11)
ライター・渡邉陽子さんが毎週お届けするメルマガコラムのバックナンバー「海上自衛隊幹部候補生学校(11)」(令和三年(2021年)3月4日配信)です。
海上自衛隊幹部候補生学校(12)
ライター・渡邉陽子さんが毎週お届けするメルマガコラムのバックナンバー「海上自衛隊幹部候補生学校(12)」(令和三年(2021年)3月11日配信)です。
海上自衛隊幹部候補生学校(13)
ライター・渡邉陽子さんが毎週お届けするメルマガコラムのバックナンバー「海上自衛隊幹部候補生学校(13)」(令和三年(2021年)3月18日配信)です。
海上自衛隊幹部候補生学校(14)
ライター・渡邉陽子さんが毎週お届けするメルマガコラムのバックナンバー「海上自衛隊幹部候補生学校(14)」(令和三年(2021年)3月25日配信)です。
海上自衛隊幹部候補生学校(15)
ライター・渡邉陽子さんが毎週お届けするメルマガコラムのバックナンバー「海上自衛隊幹部候補生学校(15)」(令和三年(2021年)4月1日配信)です。
海上自衛隊幹部候補生学校(16)
ライター・渡邉陽子さんが毎週お届けするメルマガコラムのバックナンバー「海上自衛隊幹部候補生学校(16)」(令和三年(2021年)4月8日配信)です。
海上自衛隊幹部候補生学校(17)
ライター・渡邉陽子さんが毎週お届けするメルマガコラムのバックナンバー「海上自衛隊幹部候補生学校(17)」(令和三年(2021年)4月15日配信)です。
海上自衛隊幹部候補生学校(18)
ライター・渡邉陽子さんが毎週お届けするメルマガコラムのバックナンバー「海上自衛隊幹部候補生学校(18)」(令和三年(2021年)4月22日配信)です。