陸上自衛隊高射学校&87式自走高射機関砲(1)

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オリンピックと自衛隊

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2020東京五輪も、自衛隊は同じ役割を求められることになる
知られざる自衛隊の苦難と栄光の歴史が、ここに明らかに!!
オリンピックに熱い思いを抱く、すべての人に捧げます。

自衛隊家族会発行「おやばと」、「隊友」160715号、 「月刊モデルグラフィックス」2016/8号「月刊丸」2016/8号160712「防人の道 NEXT」「歴史群像」8月号(学研)160701 桜林美佐の国防ニュース最前線、「月刊世界の艦船」2016/9号、160809 政治学者・岩田温の備忘録 で取り上げられました。





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陸上自衛隊高射学校&87式自走高射機関砲(1)

87式自走高射機関砲(以下、87AW。そのまま「はちななえーだぶりゅー」と呼びます)は、局地防空用の自走型近距離対空火器です。
米軍から陸自に供与されていた40mm自走高射機関砲M42、対空自走砲M15A1の後継として1978年から開発が開始され、1987年に制式化されました。
35mm2連装高射機関砲(L90)を装甲・自走化したもので(トラックによる牽引式のL90は1967年に採用、2009年まで長らく高射特科部隊で運用されました)、74式戦車の車体に砲システムを搭載。
開発当初は61式戦車の車体を流用する予定でしたが、電子機器が満載された砲塔の重量が61式の車体には重すぎたため、ベース車体を新型の74式に変更することになったという経緯があります。
捜索レーダー、追随レーダー射撃統制装置が一体となってデジタルコンピュータと連動し、目標の発見・捕捉・発射までの過程がリアルタイムで計算され、動揺修正も自動的に行なわれます。これが87式AW(Automatic Weapon)と呼ばれるゆえんです。
また、バックアップとして搭載されているTVカメラ方式の光学照準器や暗視装置、レーザー測遠機などにより、電波妨害環境下でも行動が可能です。

 

特性としては、一車で対空戦闘が可能なこと、装甲化されているので第一線に近いところでの対空戦闘が可能なこと、火力と射角の広さを生かして(約80度まで上下駆動および360度全周駆動)対地射撃も可能なこと、一度陣地を取ったらあまり動かない対空火器の中では機動力に優れていることなどが挙げられます。その特性を生かし、おもに機動的に運用される部隊などの対空掩護用の火器として使用されています。

 

装備している部隊は、東千歳駐屯地に所在する機甲師団、第7師団第7高射特科連隊第1〜4高射中隊(静内駐屯地に所在する第5〜6高射中隊は81式短距離地対空誘導弾、通称短SAMを装備)と、旭川駐屯地の第2師団第2高射特科大隊第3高射中隊(第1高射中隊は93式近距離地対空誘導弾・通称中SAM、第2高射中隊は短SAMを装備)。ほか陸上自衛隊高射学校、高射教導隊第3高射中隊、陸上自衛隊武器学校の各機関となっています。
つまり作戦基本部隊として見られる87AWは、北海道のみ。本州の87AWは学校など教育機関が中心なので、一般の人が87AWを目にする機会はなかなかありません。ですから第7師団の記念行事などで87AWが展示されていると、ギャラリーがどっと集まり大人気です。

 

87AWの乗員経験者によれば、一車で対空戦闘が可能とあって単独で行動することも少なくないけれど、その際の長は幹部自衛官ではなく砲班長(車長に当たる)陸曹のため、陸曹にとっては指揮を取り対空戦闘できるという点がやりがいにもつながるそうです。
その一方で、単独で動くということは、自分の身は自分で守らなければならないということでもあります。
無線でのやり取りなどはあるものの、物理的に敵に近い場所で敵の情報を把握しつつ、自分たちもまた狙われる存在であるということを念頭に置いていなければならない点に、87AWの難しさがあるといいます。
また、調達から30年ほど経つ車両もあり、その分おのずと故障も出てきていますが、修理のための部品が納品される頻度も少なく、現場では苦労してやりくりしているそう。

 

諸元・性能もご紹介します。
愛称 スカイシューター(ぜんぜん浸透しないネーミングでした。一般には非公式の愛称「ガンタンク」「87AW」のほうがはるかによく知られています。ガンタンクは言わずもがな、機動戦士ガンダムファーストシーズンに登場したガンタンクと見た目が似ているから)
乗員 3名
全備重量 約38t
全長 7.99m
全幅 3.18m
全高 4.4m(起立)
速度 約53km/h
エンジン 三菱10ZF22WT 空冷二サイクルV型10気筒 ディーゼル機関
出力 720ps/2200rpm
武装 90口径35mm(エリコンKDA)高射機関砲×2
開発 防衛庁技術研究本部(現:防衛装備庁)
製作 車体:三菱重工業 砲塔:日本製鋼所 射撃統制装置:三菱電機
航続距離 約300km

 

 

 

 

(つづく)

 

 

(わたなべ・ようこ)

 

 

 

 

(令和二年(西暦2020年)10月8日配信)

 





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