陸上自衛隊第4師団訓練検閲(4)

渡邉陽子さんのデビュー作

オリンピックと自衛隊

1964東京五輪は、自衛隊の支援なしに成功しなかった!
2020東京五輪も、自衛隊は同じ役割を求められることになる
知られざる自衛隊の苦難と栄光の歴史が、ここに明らかに!!
オリンピックに熱い思いを抱く、すべての人に捧げます。

自衛隊家族会発行「おやばと」、「隊友」160715号、 「月刊モデルグラフィックス」2016/8号「月刊丸」2016/8号160712「防人の道 NEXT」「歴史群像」8月号(学研)160701 桜林美佐の国防ニュース最前線、「月刊世界の艦船」2016/9号、160809 政治学者・岩田温の備忘録 で取り上げられました。





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陸上自衛隊第4師団訓練検閲(4)

前線の現場を後にして、今度は宮崎県と設定されている十文字原演習場にいる第4高射大隊を訪ねました。
ちょうど天幕を張った仮の指揮所から地下への指揮所へと移転準備中で、掩材と呼ばれる太い丸太を隊員たちが運んでいるところでした。
この上からさらに40cmの土をかぶせるのが決まりで、手抜きせずにしっかり土を盛ったか、補助官が深さを測ったりするそうです。

「ここには4師団がいるという設定なので、敵の飛来する航空機に対して高射で対抗し、師団の対空援護をするのが任務です。われわれは敵航空機に対して唯一射撃できる部隊なので、絶えず上空を警戒しつつ、射撃できる体制を維持することが大事です」

と、第4高射大隊長。

鬱蒼とした林の中にある指揮所と相反し、空が広がる見晴らしのいい場所には、短SAM、近SAMと呼ばれる地対空誘導弾が配備されていました。いずれも山の稜線に添うように配置され、少しでも目立たないよう細心の注意が払われています。
「赤警報発令!」
突然、大きな声が響き、周囲が慌ただしくなりました。
これは今から5分以内に敵機が来るという対空警報で、これが発動されると車両の走行も禁じられます。取材班も例外ではなく、警報が解除されるまで、この見晴らしのいい場所で足止めを食らいました。

 

警報が解除されてから、今度は第4戦車大隊の指揮所へ向かいました。
指揮所内の壁は作戦図や状況図、統裁官と戦闘団長の要望事項や諸連絡事項まで整然と貼られ、普通の屋内と何ら変わりません。ただし昔に比べて指揮所内のIT環境が整っているため、手書きの掲示物は激減しています。
戦車大隊における訓練検閲での注意事項を、第4戦車大隊長に尋ねました。

「明日からの戦闘では、最初にわれわれ戦車大隊が前線に出ます。その際の注意事項は、護るときは護る、引くときは一気に引くとメリハリをつけることですね。そうでないと退路を遮断されたり包囲されたりしてしまいます。それをわれわれの言葉では『捲かれる』と言うのですが、いかに捲かれることなく砲撃と離脱を歩兵と連携しながらスムーズに進められるかが勝負です」

 

火力をもって敵に向かう部隊の後に行ったのは、化学兵器に立ち向かう第4特殊武器防護隊。
今回の検閲では航空機による化学攻撃も想定されているため、化学兵器が使用された際は迅速に防護、除染の処置を行ない被害の極限に努めるのが役割です。

「化学剤、神経剤、びらん剤などに対応できるように準備しています。われわれの相手は目に見えないもの。それだけに支援する自分たちも防護服に小さな穴が空いていないか常に気をつけ、防護マスクは速やかに付けるよう心がけています」

そう教えてくれたのは第4特殊武器防護隊長。
化学攻撃が行なれると、まずは偵察班が化学防護車で現場に向かい、対空監視しつつ化学剤の剤種を偵察に行きます。
汚染した車両や人は除染所で除染し、汚染の拡大を防ぎます。除染所の隊員たちは防護服を身に付けているため、まるでサウナに入っているような状態です。逆さにしたゴム手袋から、溜まった汗がじゃばっと流れ落ちたのを見た隊長が言いました。

「防護服の着用は隊員の体の負担も大きいので、班長や小隊長が隊員たちの目を気をつけて見るようにしています。防護マスクをつけると見えるのはそこだけですし、目の充血はさまざまな不調のシグナルですから」

除染所に到着した汚染者は誘導ロープで区切られた道を進み、防護衣の上からの除染、防護衣を脱いだ状態での除染、衣類をすべて脱いだ状態でのシャワーと手順を踏んでいきます。周到な準備が施された除染所を目にすると、いざ化学攻撃を受けた際にこれほど心強く頼もしいところはないだろうと思います。

 

 

 

 

(つづく)

 

 

(わたなべ・ようこ)

 

 

 

 

(令和二年(西暦2020年)9月3日配信)

 





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