陸上自衛隊第4師団訓練検閲(3)

渡邉陽子さんのデビュー作

オリンピックと自衛隊

1964東京五輪は、自衛隊の支援なしに成功しなかった!
2020東京五輪も、自衛隊は同じ役割を求められることになる
知られざる自衛隊の苦難と栄光の歴史が、ここに明らかに!!
オリンピックに熱い思いを抱く、すべての人に捧げます。

自衛隊家族会発行「おやばと」、「隊友」160715号、 「月刊モデルグラフィックス」2016/8号「月刊丸」2016/8号160712「防人の道 NEXT」「歴史群像」8月号(学研)160701 桜林美佐の国防ニュース最前線、「月刊世界の艦船」2016/9号、160809 政治学者・岩田温の備忘録 で取り上げられました。





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陸上自衛隊第4師団訓練検閲(3)

今回の訓練検閲は実射検閲、車両行進、徒歩行進、戦術行動からなっています。
車両行進では急にルートが変更になるといったトラップが仕掛けられていたほか、パンクしたからタイヤを交換するよう言われたり(もちろん実際にパンクはしているわけではありません)、休憩時にちゃんと警戒を出しているか、車の点検をしているかなどもチェックされたりしています。

 

重い背嚢と小銃を背負っての徒歩行進は40キロ、こちらは最後の最後になって一行程追加されました。「あとちょっと」という意識のときに「はい○キロ追加」は、聞いただけできついものがありますね。

 

そして戦車には、南北約4キロ、東西約14キロの日出生台演習場を3周するというお題が与えられました。凹凸の激しい隘路を視界の狭い戦車で、周囲を警戒しつつ、夜間には暗視ゴーグルをつけ、車列を崩さず走行するのです。日没にスタートし、ゴールしたのは午前3時を回っていました。これもじわじわきつそうです。

 

それらをこなして演習場にやってきたのが9月1日。そう、演習場はゴールではないのです。ここから休む間もなく、各部隊は陣地づくりに取りかかります。
敵に見つからないようにするため、そして万が一攻撃されたときでもその衝撃に耐えうるよう、指揮所は地下に構築されます。
その間にも周囲の警戒を怠ってはならず、警戒に当たる隊員が身を隠す穴を掘る必要もあります。
日頃から訓練で鍛えているとはいえ、徐々に蓄積されていく疲労に寝不足が加わり、この先は敵だけでなく自分とも戦わなくてはならなくなるのでしょう。

 

過酷な状況の中で唯一の楽しみといえば食事です。
統裁部は毎食温かな食事を食べることができますが(忙しくて食べ損ねることはあります)、受閲部隊や対抗部隊は戦闘が始まれば戦闘糧食、いわゆるレーションとなります。レーションでも栄養は補給できますが、給養担当の隊員が手作りしてくれる食事のほうが、隊員たちが口をそろえて「がぜん元気が出る」と言うのは理解できます。
ちなみにこの演習では鶏の唐揚げが隊員たちに好評だったそうですが、兵站部隊には首と羽だけが取られた状態の鶏が届き、厨房の隊員たちを呆然とさせたそうです。通常なら一口サイズにカットされた状態のものが届けられるそうですが、4師団長の「原品だろ?」の一言でこういうことになったとか。さすが師団長、空挺レンジャー。

 

9月3日。朝7時、戦闘予行中の16戦闘団の前線を訪れてみました。
16戦闘団では、2つのルートから計3台の戦車がこちらに向かいつつあるという情報に基づき、まずは地雷などの障害を置いて戦車の足を止め、それから対戦車砲で打撃を加えるという作戦を立てています。
対戦車砲は何門必要か、どういう順序で撃つかなどを、この予行でしっかり確認して本番に備えます。
ただし、このシナリオはあくまでも16戦闘団が「敵はそういうルートで来るだろう」と予測して立てたもの。したがって明日の本番に敵が予測通りの動きをしてくれるとは限りません。
実際、この予行中に「龍田山に斥候発見」という報告が入り、いきなり本当の状況開始となりました。この斥候は対抗部隊が独自の判断で出したものだそうで、統裁部も把握していないもの。敵役も最初から全力です。
「敵が頑張らないと状況は白けるばかりで、内容の濃い訓練検閲になりません。このくらいやってくれていいんです」と4師団の広報室長が教えてくれました。なるほど!

 

 

 

(つづく)

 

 

(わたなべ・ようこ)

 

 

 

 

(令和二年(西暦2020年)8月27日配信)

 





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