千歳管制隊(2)

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オリンピックと自衛隊

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2020東京五輪も、自衛隊は同じ役割を求められることになる
知られざる自衛隊の苦難と栄光の歴史が、ここに明らかに!!
オリンピックに熱い思いを抱く、すべての人に捧げます。

自衛隊家族会発行「おやばと」、「隊友」160715号、 「月刊モデルグラフィックス」2016/8号「月刊丸」2016/8号160712「防人の道 NEXT」「歴史群像」8月号(学研)160701 桜林美佐の国防ニュース最前線、「月刊世界の艦船」2016/9号、160809 政治学者・岩田温の備忘録 で取り上げられました。





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千歳管制隊(2)

千歳管制隊のお話、今回は管制業務の花形ともいえるタワーと、そこの管制官の仕事をご紹介します。
高い場所から分刻みで離発着する航空機を誘導する華やかにも思える職場は、実際には重圧と緊張の連続というきわめてハードなところです。

 

隊長以下約160名。
管制隊の規模としては自衛隊の中でも最大級である千歳管制隊の業務は、大きく3つにわけられます。
まず、飛行場管制業務、着陸誘導管制業務、ターミナルレーダー・進入管制業務という3つの管制業務からなる航空交通管制業務。
そして飛行管理および航空機移動情報業務、さらに保有機器の保守・整備業務が挙げられます。

 

隣接している2つの飛行場の特性は大きく異なります。
千歳飛行場では任務機(スクランブル、救難、海上保安庁)の迅速な発進帰投、空自訓練機の訓練効率を高めることが求められます。
一方、新千歳空港では民航機に不可欠な定時性が求められます。飛行機の遅延って降りた後のスケジュールに大きく影響するので、嫌なものですよね。千歳管制隊も、そこはもちろんよくわかっています。
安全確保を大前提に相反するニーズの両立を図る、それが千歳の特性であり難しさでもあるわけです。

 

さて、飛行管制隊と聞いてもっともイメージしやすいのは、おそらく管制塔とそこで働く管制官でしょう。
「タワー」とシンプルに呼ばれる飛行場管制所は、ビル16階分に相当する高さ。飛行場管制業務が行なわれている管制室は、地上61.8mに位置しています。
ここでは飛行場に離着陸する航空機および飛行場の周辺を飛行する航空機、ならびに滑走路と誘導路上の航空機・車両に対する管制業務を、11〜15名の管制官で行なっています。

 

ノンストップで数10mを上るエレベーターを降り、最後の2階分を階段で上がると、そこは360度の展望が開けている管制室です。
左右の飛行場に向かい合う形で3つずつ座席が並び、コンソール(管制卓)には無線機の操作盤、風向風速計、スピーカー、飛行場情報表示装置、各席とのインターカム、車両無線、ターミナル管制所とのホットラインなどが、ところ狭しと配置されています。
千歳飛行場側から見て、向かって右手は誘導路上の航空機や車両などのコントロールを行う地上管制席です。
その隣は航空機の運航などに関し関係機関と連絡調整する副管制席、そして航空機の離発着の許可や指示などを航空機に伝達する、飛行場管制業務の中心ともいうべき飛行場管制席と続きます。
これとまったく同じ3席が、新千歳空港側にも並んでいます。こうやって、同じタワーの同じフロアにいながら、ふたつの異なる飛行場の管制業務を一元的に行うのです。
ただし、自衛隊側ではタッチアンドゴーの訓練やスクランブル発動など複雑で入り組んだ管制が、民航側では過密な運航スケジュールを1分の狂いもなくこなす管制が求められます。

 

左右の管制席の間に位置するのが、この隣接した両飛行場の離着陸を安全かつ効率的に行なえるよう統制する統制管制席。
自衛隊が使用する飛行場の中で統制管制席が設けられているのは、ここ千歳だけです。
その隣は現場指揮を司る運用主任席。階級に関係なく必要な資格を保有したベテラン管制官が担当するので、幹部自衛官が空曹の指揮下で管制業務を行なうという珍しい現象もときには生じます。ちょっとトリビアですよね。
そして統制管制席と運用主任席の背後には、計器飛行方式で出発する航空機に対し、管制区管制所から受領した管制承認を伝達する管制承認伝達席と副運用主任席があります。
つまり座席の数だけ異なる役割があるわけで、管制官ひとりひとりにかかる責任の重さとプレッシャーの大きさは並大抵のものではありません。
管制官たちは基本的にどの席の業務もこなせなければなりませんが、とりわけ極度の緊張を強いられるポジションは飛行場管制席だそう。そのため、ほぼ1時間ごとに配置を変更し、長時間同じ業務を担当しないようになっています。

 

 

 

 

(つづく)

 

 

(わたなべ・ようこ)

 

 

 

 

(令和二年(西暦2020年)5月14日配信)

 





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