メイキングオブ防衛白書(3)

渡邉陽子さんのデビュー作

オリンピックと自衛隊

1964東京五輪は、自衛隊の支援なしに成功しなかった!
2020東京五輪も、自衛隊は同じ役割を求められることになる
知られざる自衛隊の苦難と栄光の歴史が、ここに明らかに!!
オリンピックに熱い思いを抱く、すべての人に捧げます。

自衛隊家族会発行「おやばと」、「隊友」160715号、 「月刊モデルグラフィックス」2016/8号「月刊丸」2016/8号160712「防人の道 NEXT」「歴史群像」8月号(学研)160701 桜林美佐の国防ニュース最前線、「月刊世界の艦船」2016/9号、160809 政治学者・岩田温の備忘録 で取り上げられました。





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メイキングオブ防衛白書(3)

防衛白書ができるまでの流れを追ってみます。
まず、前年版の白書室のメンバーが解散して間もなく、次の白書作成のための新メンバーが集まり、新たに平成(今なら令和ですね)●年版の白書室が開設されます。

 

最初に行なうのは、方針案の作成です。
なにをどの章で書くのか、目玉はどうするか、コラムで扱うネタはなににするかなどを、さまざまな調査分析に基づいて作成し、担当各課の意見照会、各種省内会議を重ねて決めていきます。

 

続いて部内外意見聴取として、有識者数名に昨年の防衛白書を読んでもらい、意見をもらいます。
取材した年は大学教授やデザイン会社などのほか、防衛白書を区市町村長に伝えたり渡したりする地方防衛局長の意見も現場レベルの声として聞いたそうです。おそらく大学教授などの有識者や、地域の声を知る地方防衛局長に意見をもらうというのは、今も変わらないのではと推測します。
ちなみに取材時は、前年の白書を読んでもらったところ「総じて大体好意的でしたね。他省庁の白書と比べると工夫があってとてもいい、構成も読みやすいという声が多かったです」とのことでした。

 

記事の作成に取りかかるのは、政務三役、大臣補佐官への説明を終えてからです。
本文は1次案、2次案、そして省案と3度のステップを踏むごとにブラッシュアップしていきます。
各幕に確認してもらい意見をもらうほか、先任班長級会議と庶務担当課長等会議を行ない、その声を次の案に反映させるということを繰り返します。
ひとつの部署の意見を通すとほかの部署からは逆の意見が出るといった具合に、四方八方から届く声の調整に頭を悩ませるのがこの時期です。きつそうです。
各部署からの回答を待っている間、白書室では写真を集めたりコラムのオーダーを出したり、図表の手直し、資料の情報収集などを行ないます。地味で、面倒で、そしてとても大事な作業です。

 

省案まで来ると本文の内容はほぼまとまっているので、今度はどんな紙面になるのかといったレイアウトに焦点が移ります。
ちょうどこのタイミングで取材に行ったのですが、部員と3人の陸海空自衛官が顔を突き合わせて意見を出し合っているところでした。
「ここのスペースもったいないね」
「この写真は2枚並べて見せたほうがわかりやすいんじゃない?」
「人名のキャプション、さっきのページではハングル読みだけどここでは日本語読みになってる。どっちかに統一しないと」
「コラムがページ分割するのは見た目がよくないですね」
活発に意見がやりとりされる横では、事務官と舞鶴からはるばる遠征中のWAVE、士長が黙々と自分の仕事をこなしていました。

 

省案がまとまると、いよいよ白書作りの山場、局長・幕僚長等会議を迎えます。
報道官と部員が局長や幕僚長などに省案の説明をするなか、さまざまな意見を出し合いながら内容の検討が行なわれます。

 

局長・幕僚長等会議まで終わると世に出せる形になってきているので、ここから最後の追い込みです。
他省庁に確認してもらう渉外調整、政務三役と大臣補佐官への説明を経て、省内での意見が最終的に決定する防衛会議が行なわれます。
大臣が参加するこの防衛会議が、白書作成のクライマックスといえるでしょう。
この会議でゴーサインが出ると閣議にかけられ、そこで了承を得ると(ここで初めてニュースでも取り上げられていますよね)、晴れて新しい防衛白書が世に出るのです。
紙媒体のほか防衛省のホームページでは、閣議で了承された即日に全文をアップ、透明性を強く意識して英語版も日本語と同日にアップします。

 

これで終わりではありません。
完成した防衛白書を有効利用してもらうため、白書室の面々は全国の防衛局に足を運び、今年の白書の説明を行ないます。
そして来年度に引き継ぐための資料整理を終え、ようやくその年の白書室が閉室となるのです。

 

 

 

(つづく)

 

 

(わたなべ・ようこ)

 

 

 

 

(令和二年(西暦2020年)4月9日配信)

 





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