明野駐屯地航空学校(10)

渡邉陽子さんのデビュー作

オリンピックと自衛隊

1964東京五輪は、自衛隊の支援なしに成功しなかった!
2020東京五輪も、自衛隊は同じ役割を求められることになる
知られざる自衛隊の苦難と栄光の歴史が、ここに明らかに!!
オリンピックに熱い思いを抱く、すべての人に捧げます。

自衛隊家族会発行「おやばと」、「隊友」160715号、 「月刊モデルグラフィックス」2016/8号「月刊丸」2016/8号160712「防人の道 NEXT」「歴史群像」8月号(学研)160701 桜林美佐の国防ニュース最前線、「月刊世界の艦船」2016/9号、160809 政治学者・岩田温の備忘録 で取り上げられました。





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明野駐屯地航空学校(10)

9週にわたってお送りしてきた明野駐屯地の陸上自衛隊航空学校の連載は今回が最終回です。

 

航空科における特技(MOS)のひとつである管制業務は、タワーと呼ばれる飛行場管制所とターミナルレーダー管制室で行なわれています。
飛行場を見渡せるタワーで行なうのは、離着陸する航空機および飛行場周辺を飛行する航空機に対する管制業務。
3つ並んだ座席は右から誘導路上の航空機や車両などのコントロールを行う地上管制席、航空機の運航などに関し関係機関と連絡調整する副管制席、航空機の離発着の許可や指示などを航空機に伝達する、飛行場管制業務の中心である中央管制席となっています。
それらの席の後ろに現場指揮を司る運用主任席があり、必要な資格を保有したベテラン管制官が担当します。
飛行場上空は狭い空域ながらセントレア空港を利用する航空機が行き交う過密地帯、ほか近くの病院のドクターヘリや、伊勢神宮を空撮するヘリも行き交います。しかも小さな明野飛行場で70機を運用しているとあり、4名の管制官は一瞬たりとも気を抜くことは許されません。離発着が一番集中する時間帯は、声が枯れるほどの忙しさだといいます。学生の初ソロフライトといった情報は管制にも届くので、通常よりもゆっくり話したり、復唱が正しいか注意したりするそうです。なるほど、操縦士の卵たちは管制官からもこんな形でサポートされているのですね。ちなみに陸自の場合、移動式レーダーで野外での管制業務を行うことも大きな特色です。

 

タワーより広い空域の管制を取り扱っているのはターミナルレーダー管制所で、5名が常駐しGCA(地上誘導)管制業務、進入管制業務、ターミナルレーダー管制業務を行なっています。
着陸する航空機の場合、まずはパイロットの要求に応じて交通情報の提供およびレーダー誘導を行うGCA、次に到着する航空機に対し進入順位の決定を行う入域管制、到着機を最終進入経路へ誘導する捜索誘導管制、そして着陸誘導管制またはタワーの飛行場管制と、管制の担当がどんどん変わっていきます。そうすることで航空機に対して随時的確な情報を提供できるのです。最後の着陸の段階では、有視界飛行できる場合はタワーが担当しますが、霧など荒天により計器飛行での着陸となる場合は着陸誘導管制の出番となります。

 

管制業務に必要な機器の整備も管制同様不可欠な業務であり、迅速性と確実性が求められます。整備員はASR(捜索レーダー)、PAR(精測レーダー)、TACAN(極超短波全方向方位距離測定装置)といった管制気象隊が使う器材すべての整備を担当するため、幅広い知識と技術が必要なだけでなく、運用が決して滞ることのないようにしなければならなりません。

 

操縦士への気象情報の提供は旧タワーの1階にある運航事務所で行なわれます。明野飛行場周辺は9月あたりから春先まで「鈴鹿おろし」と呼ばれる強い北風が吹く特性があり、飛行できないほど強風の日も珍しくないそうです。天候によって学生たちの教育は大きく左右されるので、正しい予報を提供できるか、気象幹部達は毎日の予報が大きなプレッシャーです。

 

航空科部隊の教育の中枢である航空学校。空中機動する陸自唯一の職種である航空科の隊員として、作戦部隊の立体戦闘力発揮に寄与する部隊に貢献できる操縦士を育てるための教育訓練はこれからも続きます。

 

(明野駐屯地航空学校 おわり)

 

 

(わたなべ・ようこ)

 

 

 

 

(令和元年(西暦2019年)12月26日配信)

 





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