自衛隊統合防災演習(5)

渡邉陽子さんのデビュー作

オリンピックと自衛隊

1964東京五輪は、自衛隊の支援なしに成功しなかった!
2020東京五輪も、自衛隊は同じ役割を求められることになる
知られざる自衛隊の苦難と栄光の歴史が、ここに明らかに!!
オリンピックに熱い思いを抱く、すべての人に捧げます。

自衛隊家族会発行「おやばと」、「隊友」160715号、 「月刊モデルグラフィックス」2016/8号「月刊丸」2016/8号160712「防人の道 NEXT」「歴史群像」8月号(学研)160701 桜林美佐の国防ニュース最前線、「月刊世界の艦船」2016/9号、160809 政治学者・岩田温の備忘録 で取り上げられました。





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自衛隊統合防災演習(5)

自衛隊統合防災演習の第5回目です。
ちきりアイランドも、いよいよ訓練「本番」です。
福田首相や林防衛大臣ら関係閣僚や橋下知事(いずれも当時)も会場を視察、自衛隊など各機関の訓練を見守っています。

 

13時。最初の訓練種目である「災害情報訓練」のため、陸・空自衛隊、消防、警察、海上保安庁などのヘリがちきりアイランド上空を飛び交い、被災地の状況を確認しはじめました。
やがて門橋やUH−1により偵察要員とオートバイが搬送され、オートバイによる地上偵察が始まりました。
消防や警察の偵察要員も、ヘリからリペリングして地上に降り立ちます。これで孤立化していた地域が「脱孤立」するための足掛かりができました。

 

情報収集に続き、応援部隊の投入です。
人命救助は時間との戦です。CH−47のスリングによる車両搬送、ヘリによる部隊投入と、まずは空路から車両と人員を地上へ運びます。
海からは沖合に停泊した輸送艦『しもきた』から発艦したエアクッション艇LCAC2隻が轟音をとどろかせ、警察車両や救援物資を積んだトラックなどを揚陸。
今回はこのLCACに予備自衛官も乗り込んでおり、揚陸後は一般隊員と同じ迅速かつ的確な動きで救助活動を行ないました。

 

こうやって空と海から応援部隊が被災地に投入されている間に着々と進められているのが、92式浮橋の架橋です。
この橋が架かることで、このエリアは陸路でのアクセスが可能となり「孤立」から解放されます。そして92式浮橋を通って車両による部隊投入が行なえるようになり、より多くの人命を救うことができるのです。

 

地震により脱線し、高架橋から転落した電車から乗客の救出と医療救護を実施する大規模列車事故救出訓練は、セットも大がかり。地面に転倒している電車は本物で、南海電鉄からの提供です。
同時に、土砂崩れにより不通となった道路から障害物を取り除き、大量の救助部隊を投入できるようにする道路啓開訓練も進んでいます。
今回の千葉に多大な被害をもたらした台風では、倒れた電柱や電線が絡まった木が道路をふさぎ、災害派遣の車両の進路を妨害しました。自衛隊にはそれらを撤去する能力があるのですが、電力がらみの障害物は電力会社が処理するという決まりがあるため、東電が撤去するまでに時間がかかったことが支援の遅れにつながりました(その後、東電が自衛隊に委託してからは、道路啓開は順調に進みました)。

 

被害状況や活動状況などの情報を共有することにより各救助隊を統括指揮するため、被災地内に合同指揮本部が設置されようとしているとき、応急救護所の設置運営も進行していました。ここは救出された被災者の医療救護やトリアージを実施する場所です。ここでのトリアージの結果、重篤だと判断された負傷者は、ヘリによって後方医療機関に移送されます。

 

自衛隊単体の訓練ではなく合同訓練であること、しかも近畿圏初の大規模な総合防災訓練であることを実感するのは、この応急救護所かもしれません。
被災地のあちこちから負傷者を担架に乗せて運んで来るのは、迷彩服を着た自衛官だけではありません。消防、警察、赤十字、DMAT(災害派遣医療チーム)、各医療機関など、救護所にはさまざまな色のウエアが入り乱れています。ときにはひとつの担架を運んでいる4人がみな違う所属というシーンすらありました。今でこそ珍しくないシーンですが、当時としては本当に、目にしたことのない光景だったのです。

 

とある場所では車両や建物が埋没し、その一部分だけを土砂からのぞかせていました。
ここからの救出活動も無駄がなく手際がいいものでした。チェーンソーを巧みに使う部分、スコップでひたすら掘り下げる部分、車両の窓ガラスを控え目に、けれど確実に叩き割る力加減。機械と人力をうまく使い分けつつ、被災者に「大丈夫ですかー!」「もうすぐですよー!」と声をかけています。

 

 

 

 

(つづく)

 

 

(わたなべ・ようこ)

 

 

 

 

(令和元年(西暦2019年)10月3日配信)

 





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