ある自衛官について思ったこと

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オリンピックと自衛隊

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2020東京五輪も、自衛隊は同じ役割を求められることになる
知られざる自衛隊の苦難と栄光の歴史が、ここに明らかに!!
オリンピックに熱い思いを抱く、すべての人に捧げます。

自衛隊家族会発行「おやばと」、「隊友」160715号、 「月刊モデルグラフィックス」2016/8号「月刊丸」2016/8号160712「防人の道 NEXT」「歴史群像」8月号(学研)160701 桜林美佐の国防ニュース最前線、「月刊世界の艦船」2016/9号、160809 政治学者・岩田温の備忘録 で取り上げられました。





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ある自衛官について思ったこと

このメルマガでは部隊の紹介や訓練、演習の紹介などを中心にしてきましたが、今日はちょっと1回の読み切りで、何年も心に引っかかっていることを書かせていただきます。それがタイトルの「ある自衛官について思ったこと」です。

 

私は自衛隊という組織に敬意を抱いていますし、リーダーシップを発揮して部隊を指揮する幹部も、その幹部を支え若手を育てる曹も、そして曹を目指して日々汗を流す士にも、それぞれの立場に対する敬意を持っています。
だからこそ、ときに厳しい目で見てしまうことがあるのかもしれません。

 

たとえば数年前に、ある自衛隊とはまったく関係ない媒体でアンチエイジングクリニックを取材したことがあったのですが、そこの医師は防衛医大出身でした。防衛医大を出てからペナルティが発生しない年月を自衛隊病院で働いたのかは不明です。けれど少なくとも私が取材した時点では自衛官ではなく、富裕層のマダムに対してアンチエイジングの自由診療をするクリニックの院長でした。インタビューの最中にその事実を知り、私は頭に血が上っているのを相手に悟られないようにするために大変な努力をしなければなりませんでした。

 

戦闘機パイロットがレッドフラッグアラスカという演習に参加し、アラスカの壮大な自然に魅せられて退職、アラスカ在住のカメラマンとなっていることを知ったときも、どうしても心から応援する気持ちになれませんでした。まったく面識のない方であるにも関わらず。戦闘機パイロットを一人前にするまでに、どれだけの費用と労力と多くの人の情熱が注がれてきたかを思うと、本人にも大変な葛藤があったはずだと頭ではわかっているのに、気持ちがついていかないのです。
これについては知り合いのパイロットに心情を吐露したところ、「そうやって気持ちが離れてしまった人と一緒に飛びたいとは思わないので、辞めていいんですよ」と言われはっとしました。パイロットならではの視点に、少し気持ちが楽になりました。

 

上記ふたりはすでに自衛官ではありませんが、3人目は現役の幹部自衛官です。
かつてこの自衛官のアテンドで、カメラマン、私の3人で米軍基地に行きました。米軍の司令官に取材すべくアポも取っていました。米軍基地は自衛隊の駐屯地・基地以上にセキュリティチェックが厳しく、事前に取材申請していても、当日も顔写真付きの身分証明書が必要です。アテンドした自衛官はそれを知っていながら、カメラマンと私にそれを伝えるのを失念していました。幸い私は運転免許証が財布の中にあったのでそれで事なきを得ましたが、あいにくカメラマンは持ち合わせていませんでした。米軍基地の入口まで来ながらカメラマンはそこから一歩も入ることができず、インタビューの撮影をすることができませんでした。カメラマンは半日、無駄に過ごしたことになります。
私が引っかかったのは、この自衛官が伝えるべきことを伝えていなかったということそのものより、自分のミスに対して真摯に反省している様子が見られないことでした。「フリーランスのカメラマン」の半日を潰したということがどういうことかもわかっていない。しかも「この教訓を次に生かします」と言ったのです。そのとき私は内心で「次なんかねーんだよ!」と口汚くののしっていました。
今日の取材も二度はない。同じ取材なんて二度とないのです。さらっと「次に生かします」と言われたところでそれはあなたの経験値の話であって、取材では次なんてない。どうしてそんな当たり前のことがわからないのか。あなたは前職ですでに何人もの部下の命を預かる立場だった。あなたの命令に従って部下が命を落としても、「この教訓を次に生かします」と言えるのか? そんな思いが頭の中をぐるぐるして、一瞬で血圧が上がった感じがしました。もう何年も経ちますが、今でも「次に生かします」の言葉は私の中でずっと引っかかっています。
一度ミスするとそれが仕事の切れ目になるフリーランスと、リストラのない自衛官。立場の違いが私をここまで烈しく激昂させたのかもしれません。
私は自衛官の中でも幹部自衛官にはとりわけ求めるものが大きいです。敬意は抱いていますが、幹部自衛官が背負うものの大きさと重さを知っている上でのリスペクトであり、だからこそ統率する側の立場にふさわしい常識や人格も備えていて欲しいと思っています。

 

今回はとりとめのない話になってしまいましたが、あえてその人柄に惚れた自衛官ではなく(もう山ほどいます)、「ううう」と感じた自衛官(元を含め)のお話をさせていただきました。

 

 

 

(わたなべ・ようこ)

 

 

 

 

(令和元年(西暦2019年)6月27日配信)

 





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