空飛ぶ船を操る第71航空隊(5)

渡邉陽子さんのデビュー作

オリンピックと自衛隊

1964東京五輪は、自衛隊の支援なしに成功しなかった!
2020東京五輪も、自衛隊は同じ役割を求められることになる
知られざる自衛隊の苦難と栄光の歴史が、ここに明らかに!!
オリンピックに熱い思いを抱く、すべての人に捧げます。

自衛隊家族会発行「おやばと」、「隊友」160715号、 「月刊モデルグラフィックス」2016/8号「月刊丸」2016/8号160712「防人の道 NEXT」「歴史群像」8月号(学研)160701 桜林美佐の国防ニュース最前線、「月刊世界の艦船」2016/9号、160809 政治学者・岩田温の備忘録 で取り上げられました。





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空飛ぶ船を操る第71航空隊(5)

着水してから本領発揮となるのが、遭難している人を助けに行く機上救助員です。
ボートによる救助の場合、機体が着水してパイロットがプロペラの出力を調整し、海面に浮かぶ機体が風や潮流に流されないようにしている間に、機上救助員たちが機内後部の限られたスペースで手際よくゴムボートを組み立てます。
荒れた外洋での救助を行なえる、彼らのダイバーとしての能力はきわめて高いもの。
要救助者はパニックを起こしている人よりもぐったりしている人のほうが圧倒的に多いそうですが、訓練では遭難者役がわざと暴れたり機上救助員にしがみついたりと、あらゆるケースを想定して行ないます。

 

今回の訓練エリアは豊後水道とのことで、US-2は眼下にさまざまな船舶(艦艇や潜水艦もいます)を見つつ目的地へ向かいます。
飛び立ったUS-2が洋上救難を行うには一連の流れがあります。

 

1 そろそろこの辺りのはずという目的地周辺まで来たら、高度を下げて捜索に入ります。
2 大きくせり出した窓から、あるいはスポットという装置で、波間に漂う要救助者を探します。
3 発見したら救命具を投下し着水、そして救助した後離水、帰投となります。

 

文章にするとさらっとしていて簡単そうですが、実際は対象を発見しても即着水というわけではなく、まずは波高を測定して着水できるのか否かを判断しなければなりません。
着水可能の場合は、機上救助員による直接救助ができます。
直接救助にはボートによる救助、機上救助員が泳いで助けに行く泳者救助、救命索を発射して浮舟に結び、その索をクルーが引っ張る救命索救助、そして対象に対して接舷する接舷救助という4種類のうちから、そのときの状況に応じて最適な救助法を選択します。

 

そしてもしも着水不可の判断が出た場合、もちろんそのまま何もせずにUターンするわけではありません。
まずは物量投下の必要性の有無を判断し、不要の場合は上空で待機して船舶等を誘導します。必要と判断した場合は、ハッチ型、弾倉型、物量傘、浮舟といった形状のゴムボートの中から最適なものを投下、次の救援が来るまでそれに乗り込んで待ってもらうのです。

 

これだけいろいろな選択肢があること、辛坊さんたちを救助したニュースを見ただけでは知る由もないですよね。

 

目的地付近までUS-2が到着すると、捜索訓練が開始されました。
まずはダミーのブイを投下し、これを捜索の対象とします。
潮の流れが速い豊後水道はあっという間にブイの姿を隠してしまいましたが、クルーたちは慣れたもので、すぐさまブイを見つけ出します。ちなみに私はまったくわかりませんでした。「あそこです」と教えてもらってその地点をしばらく凝視して、そしてようやく「え! あれが見えてたんですか!?」と驚く始末です。

 

訓練では場所をより分かりやすくして着水の目安になるよう、蛍光色のマーカーが投下されました。
この日はクルーによると「プールのよう」と言うほど波が穏やかだったため、着水時に来るだろうと予想していた大きな衝撃というのはほとんどありませんでした。
しかし失速するのではと怖くなるほどの低速で着水するのです。昔グライダーをかじっていた経験から低空で失速することの恐ろしさを知っているだけに、「低速での着水」は恐怖がありました。乗っている飛行機が乱気流で揺れるのは楽しめるのに、自分でも変な感じでした。
ちなみにUS-2の操縦士にとってもは、いくら洋上が凪いだ状態でも操縦には最新の注意を払い、高い技術が求められるのだそうです。

 

 

(以下次号)

 

 

(わたなべ・ようこ)

 

 

 

 

(平成30年(西暦2018年)2月1日配信)

 





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