空飛ぶ船を操る第71航空隊(2)

渡邉陽子さんのデビュー作

オリンピックと自衛隊

1964東京五輪は、自衛隊の支援なしに成功しなかった!
2020東京五輪も、自衛隊は同じ役割を求められることになる
知られざる自衛隊の苦難と栄光の歴史が、ここに明らかに!!
オリンピックに熱い思いを抱く、すべての人に捧げます。

自衛隊家族会発行「おやばと」、「隊友」160715号、 「月刊モデルグラフィックス」2016/8号「月刊丸」2016/8号160712「防人の道 NEXT」「歴史群像」8月号(学研)160701 桜林美佐の国防ニュース最前線、「月刊世界の艦船」2016/9号、160809 政治学者・岩田温の備忘録 で取り上げられました。





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空飛ぶ船を操る第71航空隊(2)

US-2の全長と全幅はいずれも約33m、全高約10m。全高の3分の1相当、波高3mの荒波にも着水でき、最大離陸重量が47.7tもありながら短距離での離着水が可能です。その距離、なんと着水は約330m、離水は約280mといいますから、国際線の発着する民間空港の滑走路が3000m級であることを考えれば、この距離がいかに短いかわかります。
2009年にフィリピンで行われたARF災害救援実動演習(ASEAN地域フォーラム災害救援実動演習)にて世界デビューを果たした際は、その性能を初めて目の当たりにした各国関係者から絶賛されたといいます。
弱点らしい弱点といえば、漂流物の多い洋上ではエンジンを破損する恐れがあるため離着水できないこと。東日本大震災では津波で流された無数のがれきに阻まれ、滑走路を利用して任務に当たったそうです。

 

US-2の製造元である新明和工業の前身は、創業から1945年までに2800機以上の航空機を生み出した川西航空機。飛行艇「二式大艇」を造った会社でもあります。
戦後は「波浪に弱い」という飛行艇の弱点の克服と、離着水時の速度を大幅に低下させるための高揚力装置の開発に尽力し、1970年に対潜哨戒機PS-1が海上自衛隊の正式機として承認されました。
1979年までの間に23機を製造しましたが、着水してソナーを使うのではなく航空機にレーダーを装備することが可能になると、その任務はP-3Cへ移り、発注は打ち切りとなります。

 

あまり知られていませんが、このPS-1の運用は殉職者の歴史でもありました。
決して多いとはいえない製造数のうち6機が機体のトラブルで破損、なんと35名以上もの隊員が命を落としています。
しかも8年という短い期間の間にすべての事故が起きています。
繰り返しますが、製造された23機のうち6機に機体トラブルが発生して計35名が殉職しました。
ちょっと衝撃的な数字です。
飛行艇という航空機を安全に飛ばすことがいかに困難か、この数字が如実に表しているといえるでしょう。
隊員たちにとってもPS-1に乗ることは誇張なしに命がけだったのです。

 

その後はPS-1の後継機として救難を目的とした水陸両用の飛行艇開発が始まり、PS-1にはなかった「脚」を取り付け陸地への離着陸も可能なUS-1が誕生。第71航空隊が新編され、1976年7月、房総半島沖の太平洋上で負傷したギリシャ船の船員の救助が初任務となりました。
1987年には機体のエンジン出力をパワーアップしUS-1Aと改称、2004年までに20機製造されました。

 

US-2はUS-1Aの改造開発という名目でしたが、実際には「離着水時の操縦性改善」、「搬送者の輸送環境の改善」、「洋上救難能力の維持向上」という三大課題をクリアするという、ほとんど新規開発に近いものでした。
2004年3月に試作1号機が完成、2007年3月に正式に部隊配備されました。
なお、US-2は火器を一切搭載しておらず、完全な丸腰です。その状態で、救助の要請があれば相手の国籍に関わらず助けに向かいます。

 

 

(以下次号)

 

 

(わたなべ・ようこ)

 

 

 

 

(平成30年(西暦2018年)1月11日配信)

 





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