与那国駐屯地と沿岸監視隊(1)

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オリンピックと自衛隊

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2020東京五輪も、自衛隊は同じ役割を求められることになる
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オリンピックに熱い思いを抱く、すべての人に捧げます。

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与那国駐屯地と沿岸監視隊(1)

平成28年12月25日午前10時頃、中国初の空母「遼寧」が沖縄県の宮古海峡を太平洋に向けて通過したのを、呉基地に所在する第4護衛隊の護衛艦「さみだれ」と那覇基地所属の第5航空群のP−3C哨戒機が確認しました。領海侵犯はありませんでしたが、遼寧が太平洋に進出したのを海自が確認したのは初めてのことでした。
防衛省はこの第1列島線(九州〜沖縄〜台湾〜フィリピン)を越えた空母艦隊の展開は、接近阻止・領域拒否(A2/AD)能力を誇示する狙いと分析。
同日午後にはジャンカイII級フリゲートからZ―9ヘリコプターが発艦し、宮古島領空の南東約10km〜30kmの空域を飛行、航空自衛隊の戦闘機が緊急発進(スクランブル)しています。

 

また、今年1月9日には、中国空軍機が対馬海峡の上空を往復。領空侵犯こそありませんでしたが、このときも空自が緊急発進しています。
中国空軍機は昨年1月に初めて対馬海峡を通過しており、空母による宮古海峡の通過も含め、日本周辺での動きは活発化する一方です。

 

今年に入ってからこれまでの間に中国公船の領海侵入が確認されたのも、すでに4回を数えます。今年1月20日に防衛省が発表した、昨年4〜12月の空自戦闘機によるスクランブルの回数は883回(このうち南西航空混成団の緊急発進は608回)であり、前年度同時期と比べて316回の大幅な増加、この時期の過去最多を更新しました。そのうち中国機が約73%を占めています。
さらに1月下旬までの間にもスクランブルが続き、ついにこの時点で平成28年度のスクランブルは1000回を超えました。過去最多だった冷戦時代の昭和59年度の944回を超える事態となっています。

 

地上を開発し尽くしてしまった中国にとって、新たなエネルギー資源を求める場所はおのずと海洋になります。
しかし世界地図を逆さにして見ると一目瞭然の通り、海洋進出を試みる中国にとって第1列島線に連なる日本列島を含む諸島群は、きわめて邪魔な位置にあります。
その「邪魔」なわが国の南西地域には国内約6800の島嶼のうち約1000がある一方、沖縄本島以南には駐屯地はないという、長らく部隊配備上の空白地域となっていました。

 

繰り返し領海に侵入する中国籍の船への対処をはじめ、事態発生時に自衛隊の部隊が迅速かつ継続的に対応できるよう、南西諸島の防衛態勢の強化は不可欠です。
その中でも与那国島は日本の最西端にあり、尖閣諸島や台湾(台北)までは約150km、中国本土まで約400km(那覇までは約510km)と、尖閣諸島や台湾、中国本土の近傍に位置しています。
まさに国境防衛、東シナ海周辺の警戒・監視に重要な位置づけにあるとして、昨年3月、南西地域における常続的な監視態勢の整備のため、与那国島に陸上自衛隊沿岸監視部隊が新編、与那国駐屯地が開庁しました。

 

それまでの経緯を振り返ってみると、まず平成21年6月に外間守吉町長が防衛大臣に対して「与那国島への自衛隊分屯地配置に対する要望書」を提出しています。
つまり与那国島は、安全保障において国と地方の摩擦がある沖縄県に所在する町長が要望し、最終的にそれが実現したという珍しいケースなのです。
しかし25年にはその外間町長が駐屯地設置の迷惑料として10億円を要求したことで、防衛省との交渉は一時暗礁に乗り上げるも、その後町長が要求を取り下げたことで落着しました。

 

26年4月に駐屯地起工式が行なわれましたが、27年2月には与那国島への自衛隊基地建設の民意を問う住民投票が実施されました。
賛成が過半数を獲得したものの、中学生や永住外国人にも投票権を与えたことで、与那国町役場には国外からもクレームの電話が来たといいます。

 

平成27年4月に与那国準備隊の立ち上げ、9月には台風21号が与那国島に上陸、最大瞬間風速81.1m/sを記録しました。駐屯地建設工事にも被害を及ぼしたものの、与那国島派遣隊災害派遣(先遣隊の人員20名による道路啓開)を実施。
そして28年3月28日に駐屯地開設、与那国沿岸監視隊が新編されたのです。

 

(以下次号)

 

 

(わたなべ・ようこ)

 

 

 

 

(平成29年(西暦2017年)3月9日配信)

 

 





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