究極の集団、自衛隊から学ぶ(1)

渡邉陽子さんのデビュー作

オリンピックと自衛隊

1964東京五輪は、自衛隊の支援なしに成功しなかった!
2020東京五輪も、自衛隊は同じ役割を求められることになる
知られざる自衛隊の苦難と栄光の歴史が、ここに明らかに!!
オリンピックに熱い思いを抱く、すべての人に捧げます。

自衛隊家族会発行「おやばと」、「隊友」160715号、 「月刊モデルグラフィックス」2016/8号「月刊丸」2016/8号160712「防人の道 NEXT」「歴史群像」8月号(学研)160701 桜林美佐の国防ニュース最前線、「月刊世界の艦船」2016/9号、160809 政治学者・岩田温の備忘録 で取り上げられました。





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究極の集団、自衛隊から学ぶ(1)

今週と来週は、ビジネス誌に掲載された記事を加筆、修正してお送りします。テーマとしてはビジネスパーソンが自衛隊という組織から成功するためのヒントを得るというもので、自衛隊をほとんど知らない会社員向けに書きました。そのため、第1回は自衛隊の紹介を中心とし、次号から本格的に自衛隊組織論をひも解いていく予定だったのですが、その雑誌がまさかの休刊、結果的に読み切り記事となってしまいました。そのため、タイトルは「自衛隊から学ぶ」となっていますが、記事としては学ばないまま終わってしまっています(泣)。でもせっかくですから、読んでやってください。
2週にわたってご紹介する第1回の記事の内容は、メルマガの読者の方でしたらとうにご存じのことばかりかもしれませんが、お付き合いいただければ幸いです。それではどうぞ。

 

 

★「自衛官の心構え」
2014年の話ですが、楽天イーグルスの大久保博元新監督(当時)が秋季キャンプで、チームに「自衛隊の組織論や規律を導入する」と宣言したと、複数のスポーツ新聞に掲載されました。
記事によれば、2軍監督時代に陸上自衛隊多賀城駐屯地を訪問、レクチャーを受けた自衛隊の組織論に、大いに学ぶところがあったのだといいます。さらに「覚悟」「集団行動」「指揮系統の順守」「身だしなみ」が徹底されていることに衝撃を受け、チーム作りに反映させるともありました。

 

自衛隊OBが自衛隊組織論や指揮官の統率力、そして自衛隊の教育などについて執筆したり講演したりするケースも少なくありません。研修の一環として2泊程度の体験入隊(生活体験ともいう)を行なっている企業もありますから、それだけ民間が自衛隊から学びたいものがあるということでしょう。では、それはなんでしょう。一体なにを学びたいのでしょうか。

 

いきなりですが、「自衛官の心構え」というものがあります。これは昭和36年に制定された自衛隊における精神教育の準拠で、自衛官なら誰でもそらんじているものです。心構えは次の5点からなります。
1 使命の自覚
2 個人の充実
3 責任の遂行
4 規律の厳守
5 団結の強化

 

「使命の自覚」とは、国民生活の平和と秩序を守ること。
「個人の充実」は立派な社会人であることに努め、正しい判断力を養うこと。
「責任の遂行」は身を挺して任務の完遂に務めること。
「規律の厳守」は規律と法令を遵守、命令に対しては服従すること。
「団結の強化」は卓越した統率のもと、陸海空が心をひとつにすること、です。

 

自衛隊は約23万人の自衛官からなる大きな組織。隊員たちの出身地や経歴は千差万別、入隊時の学力や体力もばらばらですし、自衛官としての資質や適性もまるで未知数。そんな海千山千が教育や訓練でこの「自衛官の心構え」を頭で覚え体に沁み付け、一人前の自衛官になっていくのです。

 

この心構えは、企業にも当てはめることができます。
使命の自覚=自分の仕事をしっかり行う
個人の充実=人間性を高める
責任の遂行=仕事をやり遂げる
規律の厳守=コンプライアンス
団結の強化=チームワーク、という具合です。

 

自衛隊は有事の際は戦闘地域で活動する集団ですから、どんなに厳しい規律も訓練も、そして組織の体系も教育システムもすべて「戦闘に勝利するため」につながっています。そこには企業における勝利、つまり「業績」に貢献できるヒントも散りばめられています。
そこでまずは自衛隊についての紹介をしますが、今回は陸・海・空各自衛隊の中でも自衛官の半数以上、約13万人を擁する陸上自衛隊に特化して話をすすめます。

 

 

★自衛隊は徹底した階級社会★
自衛隊に限らず、世界中の軍隊は厳正な階級社会です。
16階級からなる階級の頂点は将官の陸将で、3等陸尉までの8階級が幹部自衛官に分類されます。3尉の下の准陸尉は、尉が付いていますが幹部には分類されず、陸曹の最上位という位置づけになっています。
幹部自衛官は部隊を率いる指揮する指揮官であり、3尉なら小隊長として、陸将なら方面隊総監や師団長として、そして陸自のトップである陸上幕僚長として指揮を執ります。

 

この幹部自衛官の命令に基づき任務を遂行する技能を持っているのが陸曹、いわゆる下士官です。
陸曹は陸士を直接指導し、幹部を補佐する部隊の基幹要員として位置付けられているため、この階級の資質や能力が部隊の精強さに大きな影響を与えます。

 

任期制隊員の陸士は2年で任期満了となる、企業でいえば契約社員。引き続き任期の継続を認められなければ除隊となります。

 

幹部自衛官になるためには、防衛大学校に入校するか、一般大学卒業後に幹部候補生学校へ入校します。陸曹から幹部への道もありますが壁は厚く、志が高いだけでなく心技体の整った優秀な陸曹でなければ幹部への道は開かれません(余談になりますが、部内選抜で陸曹から幹部になった自衛官は、部下から「現場を知り、陸曹・陸士のこともわかる人」と尊敬されるケースが非常に多いです)。
自衛官候補生として入隊した陸士の多くも陸曹を目指しますが、昇級できるのは10人に1人という狭き門です。ただし自衛官候補生よりも倍率の高い一般曹候補生という分類で入隊した陸士は、陸曹になることが約束されています。

 

幹部自衛官は防大や幹候で指揮官としての指導力、つまりリーダーシップを養います。授業も訓練も校友会(一般の大学の体育会に当たる)も集団生活も、すべてはこのリーダーシップ養成のため。
指揮官として部隊を率いる時、部下を統率する能力がなければ部隊の士気は低下し精強さを欠き、戦闘の場で部下の命を危険にさらすことになります。命を預かる立場である指揮官がなによりも身に付けなければならないものが、リーダーシップなのです。企業でも、部下をまとめ牽引する能力のある上司のもとではモチベーションが上がり、能力を発揮しやすいはずです。

 

次週に続く

 

 

 

 

(わたなべ・ようこ)

 

 

 

 

(平成29年(西暦2017年)2月23日配信)

 

 

 





渡邉陽子さんのデビュー作

オリンピックと自衛隊

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ライター・渡邉陽子さんが毎週お届けするメルマガコラムのバックナンバー「究極の集団、自衛隊から学ぶ(2)」(平成29年(2017年)3月2日配信)です。