陸上自衛隊防災マニュアル(6)

渡邉陽子さんのデビュー作

オリンピックと自衛隊

1964東京五輪は、自衛隊の支援なしに成功しなかった!
2020東京五輪も、自衛隊は同じ役割を求められることになる
知られざる自衛隊の苦難と栄光の歴史が、ここに明らかに!!
オリンピックに熱い思いを抱く、すべての人に捧げます。

自衛隊家族会発行「おやばと」、「隊友」160715号、 「月刊モデルグラフィックス」2016/8号「月刊丸」2016/8号160712「防人の道 NEXT」「歴史群像」8月号(学研)160701 桜林美佐の国防ニュース最前線、「月刊世界の艦船」2016/9号、160809 政治学者・岩田温の備忘録 で取り上げられました。





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陸上自衛隊防災マニュアル(6)

 先週に続き、今週も2016年5月に陸上自衛隊下志津駐屯地にて行なわれた平成28年度下志津分区防災訓練のご紹介です。

 

高射学校の作戦室は、前方壁左面に会議用画面、右面に得られた情報が時系列で記入されるクロノロジーが映し出されるようになっています。左側の壁には人員現況や装備現況等を記入するボード、部屋前方中央には被害状況や部隊運用を随時反映させる地図(オーバーレイ)、その正面に学校長、副校長、幕僚長の机、そして右手には自治体等関係者用の椅子が並びます。なお、今回の災害のシナリオは企画室が作成しています。

 

10時45分、緊急地震速報が鳴り響き、千葉県東方沖40キロを震源とするマグニチュード7.3の地震が発生しました。千葉県の最大震度は6、テレビにはあらかじめ用意しておいた地震のニュースが流れ、作戦室が一気に慌ただしい雰囲気に包まれます。
室内の隊員は総務・人事の1科、情報収集・分析の2科、部隊運用の3科、活動支援基盤の4科で構成されており、それぞれが自らの役割にしたがって動いています。作戦室にひんぱんに出入りする隊員がいたり、複数の声が同時に飛び交ったりすることも多々あるので混然としているように見えるものの、実際は各々の役割分担に沿ってむしろ整斉としています。例えば1科なら呼集状況および派遣可能人員の状況の確認や、隊員および隊員家族等の被害状況の確認を急ぎ、2科なら部隊の運用に必要な情報を収集するといった具合です。

 

大津波警報発令、千葉県内鉄道全線運転中止、高速道路全面通行止めなどの情報が続々と入ってきます。
「駐屯地内装備異常なし、22号倉庫とホーク教場の1部施設倒壊」の声は、4科からの報告です。3科長の役割を担う企画副室長が「高射学校については初動対処部隊の連絡班を県庁に派遣。高射教導隊本管中隊を千葉市役所、1中隊は鴨川市役所、2中隊は茂原市役所、3中隊は市原市役所、4中隊は君津市役所、310中隊はいすみ市役所へそれぞれLOを派遣せよ」と指示を飛ばしているさなかに茂原市から災害派遣要請が届きます(阪神・淡路大震災の後に災害基本法が改正されたことで、こうして市町村による直接災害派遣の要請が可能となりました)。
ちなみに今回の防災訓練では、茂原市は高射学校内の作戦室と同じフロアに災害対策s本部を設置(茂原市防災マネージャーは自衛隊OBです)。そのため、参加した関係機関は自衛隊と自治体の動きや相互の連携を同時に確認することができました。
また、作戦室に関係者全員が同時に入室すると身動きが取れなくなるため、見学は交代で行なわれました。そのためロビーにもモニタが設置され、そこに作戦室の様子が映し出されるようになっていました。

 

津波第1波の観測、土砂崩れによる通行止め、家屋倒壊、液状化による車両通行不能、歩道橋落下、アクアライン崩落など、次々と報告が入り、クロノロジーに追加されていきます。第1空挺団からの状況報告、第34普通科連隊からの増援受け入れ準備、第1偵察班が茂原市へ出発など、矢継ぎ早に情報が届く中、11時30分に千葉県庁より災害派遣要請、その数分後に県庁が津波による浸水被害を受けます。このような怒涛の勢いで届く膨大な情報をどのようにまとめ対処しているのかを自治体関係者に適宜解説しているのは、副校長兼企画室長です。

 

11時45分、現在までに判明した被害状況および自治体・関係部隊の状況について報告し、じ後の高射学校派遣隊の運用(活動地域、内容、規模)および増援部隊の活動地域等について幕僚案を決定するため、第1回幕僚会議が開催された後、午前の部は終了となりました。

 

 

 

 

(以下次号)

 

 

 

(わたなべ・ようこ)

 

 

 

 

(平成28年(西暦2016年)10月6日配信)

 

 

 





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