海上自衛隊 第111航空隊 (6)

渡邉陽子さんのデビュー作

オリンピックと自衛隊

1964東京五輪は、自衛隊の支援なしに成功しなかった!
2020東京五輪も、自衛隊は同じ役割を求められることになる
知られざる自衛隊の苦難と栄光の歴史が、ここに明らかに!!
オリンピックに熱い思いを抱く、すべての人に捧げます。

自衛隊家族会発行「おやばと」、「隊友」160715号、 「月刊モデルグラフィックス」2016/8号「月刊丸」2016/8号160712「防人の道 NEXT」「歴史群像」8月号(学研)160701 桜林美佐の国防ニュース最前線、「月刊世界の艦船」2016/9号、160809 政治学者・岩田温の備忘録 で取り上げられました。





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海上自衛隊 第111航空隊 (6)

 MCH-101の訓練風景の続きからです。
 点検を終えて離陸したMCH-101は、本日の訓練場所である岩国基地内のスロープに向かいました。
 要救助者の位置を確認し、適切な位置で機体を停止するよう、CRが操縦士へ細かな指示を出します。

 

 扉が開き、降下の準備が始まりました。この日はCRになるべくトレーニング中の訓練員が救助員、地上で待つ教官が要救助者役。搭乗員として乗っている2人のCRは、訓練の支援に回っています。
 ホイストを操作しているCRが教えてくれました。
「CRは物資の搭載や搭乗している人員の安全確保などを担当するほか、陸上、洋上の降下救助を行なう救助員にもなります。要は、コックピットから後ろのことは全部CRの仕事ですね。航空機を誘導するのもCRの仕事のひとつですが、誘導位置が悪ければ救助者を釣り上げるときにケーブルが振れてしまい、救助する人を危険な目に合わせてしまう可能性があるので、かなり神経を使う点です」
 このCR、元特警隊員でした……。MCH-101、公にできない任務が多そうです。

 

 訓練員が降下している間、MCH-101は安定した姿勢を保ったまま、同じ位置に留まっています。この日の機長はMH-53Eから機種転換し、この最新ヘリのパイロットとなった方でした。
「MH-53Eの後継機として研究、導入にも関わった機種なので、写真で見ていたものを実際に操縦できる喜びはあります。この機体の大きな特色としては、他機種に比べて充実している自動操縦機能が挙げられます。この機能をうまく使うことで、操縦だけに専念するのではなく、本来任務に集中できます」

 

 訓練員が降り立った地上は、要救助者役のいる場所にぴたり。CRの誘導、見事です。
 訓練員はハーネストリングという器具を要救助者の脇に通し、その体をしっかり支えます。機上のCRはケーブルが大きく触れたりしないか、細心の注意を払いながら2人を巻き上げていきます。
 無事に機上に戻ると、今度は要救助者に見立てたダミーの人形を単独で巻き上げ、訓練員は地上でダミーの姿勢の安定を保持するという救助方法を行ないました。こうして何通りもの降下救助を訓練していくのです。

 

 私は途中から地上に降りて訓練の様子を見ていたのですが、そのダウンウォッシュの激しさといったら半端ではありませんでした。到底立っていられる状態ではなく、座り込んで頭を低くして、それでも何度も体を後ろに持って行かれそうになりました。背後は海、しゃれになりません。
 MCH-101でこの勢いです。MH-53Eのダウンウォッシュを浴びたことのある隊員が「誇張なしで、転がりました。マンガみたいですよ、ほんと。ごろごろごろって」と真顔で言っていたのを思い出しました。

 

 洋上をフライトするたびに、海水を浴びた機体は洗浄が必要になります。
 2機種の軽微な整備やラインサービスと呼ばれる飛行前点検などを行う列線整備隊は、クルーが乗り込む何時間も前から準備をし、航空機が訓練を終えて戻ってきてから何時間も掛けて洗浄、整備点検を行ないます。それが彼らの仕事ではありますが、頭が下がります。
 毎年、インフルエンザにかかる割合は列線整備隊がいちばん多いそうです。早朝や日没後の厳しい寒さ、容赦なく吹きつける海からの強風にさらされるエプロン、暖房設備皆無の格納庫。ようやく屋内に入れば、そこは人口密度の高い、乾燥しきった暖房の効いた部屋。少しでも体調を崩せば、インフルエンザも近寄ってくるというものです。

 

 

 

 

(以下次号)

 

 

(わたなべ・ようこ)

 

(平成27年(西暦2015年)11月12日配信)

 





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