海上自衛隊 第111航空隊 (5)

渡邉陽子さんのデビュー作

オリンピックと自衛隊

1964東京五輪は、自衛隊の支援なしに成功しなかった!
2020東京五輪も、自衛隊は同じ役割を求められることになる
知られざる自衛隊の苦難と栄光の歴史が、ここに明らかに!!
オリンピックに熱い思いを抱く、すべての人に捧げます。

自衛隊家族会発行「おやばと」、「隊友」160715号、 「月刊モデルグラフィックス」2016/8号「月刊丸」2016/8号160712「防人の道 NEXT」「歴史群像」8月号(学研)160701 桜林美佐の国防ニュース最前線、「月刊世界の艦船」2016/9号、160809 政治学者・岩田温の備忘録 で取り上げられました。





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海上自衛隊 第111航空隊 (5)

 先週は航空掃海訓練において曲芸かと思えるような作業をこなした機上掃海員、AOについてご紹介しました。
 このAO、勇気と実力があるだけではありません。3種類の掃海具を取り仕切るために、いくつもの資格も保有しています。
 「持っているのは1級船舶、フォークリフト、大特、玉かけ、潜水に、あと何でしたっけ(笑)」
 思い出せないとは! 取材に応じてくれた海曹がすべて思い出せないほど多くの資格がなければ、掃海具は扱えないのです。
 「MH-53Eは大きなヘリコプターですが、それでも30kgほどある掃海具を操作するには、狭く限られた空間です。けがにも気を付けなくてはいけません。また、掃海は天候によって大きく左右されるので、気象条件に合った掃海を行なうその判断が難しいところです。同時に、そこが面白さを感じる点でもあります」
 そのAOはそう話してくれました。面白いんですか!!

 

 一度でもこの航空掃海訓練の様子がテレビで取り上げられることがあったら、話題になると思うのですが……岩国にしかない海自唯一の部隊なので、取材対応も難しいのでしょうね。

 

 さて、MH-53Eの航空掃海訓練の次は、降下救助訓練が行われているMCH-101のところへ向かいました。ここからはMCH-101のご紹介です。このヘリ、先日の観艦式で安倍総理を乗せて護衛艦「くらま」に着艦したヘリです。

 

 MH-53Eの後継機として導入された欧州製の機体は、サイズだけでなくフォルムもMH-53Eと異なります。大型のアメ車やバイクとどこか雰囲気が似ている「ザ・アメリカン」といった趣のMH-53Eに対し、MCH-101は何となくしゃれた印象を受けます。イギリスとイタリアの企業の共同開発だからでしょうか。
 全長約23m、高さ6.6m。掃海用としての運用は始まっていないので、輸送業務を主とし(だから観艦式で出番があったわけです)救難にも出動します。
 MH-53Eの後継機として導入されたはずなのに掃海用としての運用は行なわれていないとは、不自然ですよね。取材時、部品取り寄せや整備に時間がかかり、飛ばせない時間が多いという話は聞きました。しかし実際の任務は今後も輸送業務が主体となるのではないでしょうか。おそらく特別警備隊、通称特警隊を運ぶ任務がMCH-101本来の役割なのではないかと思われます。特警隊は言わずもがな、海上自衛隊の特殊部隊ですね。

 

 クルーはパイロット2名にCRという航空士が2名と、MH-53Eに比べて少ないです。掃海作業がないことと、電子化が進み、航空機関士や航空電子整備員の仕事はコンピュータが行なってくれるからです。
 搭乗前、CRは列線整備隊と一緒にウインチの役割を果たすホイストの巻き出し点検を念入りに行なっていました。すべて引っ張り出されるケーブルも地面に触れて傷がつくことのないよう、隊員たちが手に持つ徹底ぶりです。
 一方のパイロット2名は、操縦席で最終点検を行なっています。後部座席はいつでも準備よしの状態になっても、ヘッドセットからはまだパイロットとコパイロットが点検を続ける声が響いています。コンピュータ化した分、最後の点検事項がMH-53Eよりも増えたのです。 実際、コックピットの計器はアナログの針が並ぶMH-53Eとは対照的で、必要な情報はモニタに表示されています。
 ようやく点検を終えてMCH-101は離陸、本日の訓練場所である岩国基地内のスロープに向かいました。次週はこのMCH-101の訓練風景の続きをご紹介します。

 

 

 

(以下次号)

 

 

(わたなべ・ようこ)

 

(平成27年(西暦2015年)11月5日配信)

 





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