海上自衛隊 第111航空隊 (4)

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オリンピックと自衛隊

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2020東京五輪も、自衛隊は同じ役割を求められることになる
知られざる自衛隊の苦難と栄光の歴史が、ここに明らかに!!
オリンピックに熱い思いを抱く、すべての人に捧げます。

自衛隊家族会発行「おやばと」、「隊友」160715号、 「月刊モデルグラフィックス」2016/8号「月刊丸」2016/8号160712「防人の道 NEXT」「歴史群像」8月号(学研)160701 桜林美佐の国防ニュース最前線、「月刊世界の艦船」2016/9号、160809 政治学者・岩田温の備忘録 で取り上げられました。





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海上自衛隊 第111航空隊 (4)

 前回に続き、航空掃海部隊の訓練の様子です。
 いよいよ訓練海域に到達し、機体は高度100フィート(約30m)の上空で停止しました。AOと呼ばれる機上掃海員の3等海曹が、いよいよ掃海具のマーク104を水中へ降ろします。

 

 「ええええっ!?」

 

 目を疑いました。
 104を降ろそうとする海曹の立っている床がどんどん傾き「下り坂」状態となり、海に滑り落ちろと言わんばかりの状態になっていきます。しかも最終的には、海面からほとんど垂直状態にまでなってしまいました。
 確かに、約30gある104をできるだけスムーズに降ろすには、床自体を傾けてしまうのがベストな方法なのでしょう。けれど、104はそれでよくても、そこは人が、AOが、海曹が立っているところじゃないですか!
 実際、海曹はそれまで104が固定されていた心もとない場所を足掛かりにしており、ほとんどスタントマン状態なのです。彼の足もとにもはや床はなく、白波の立つ海原が広がっています。30mの高さの飛び込み台に立っていると想像してみてください。そんな感じです。

 

 こちらの目が点になっている間も彼らはいたって落ち着いた様子で作業を進め、パイロットは実に安定したホバリングを続け(それは上空にいることを忘れてしまいそうなほどでした)、そして104はゆっくり海へ投下されました。
 機体は再び飛び始め、104と機体をつなぐ索が伸びきった状態で、定められた海域を往復し、掃海していきます。
 長い索で曳航している104が、通過していない場所のないよう操縦するのは、航空掃海ならではの難しさ。パイロットの腕の見せどころです。

 

 飛行中、別のMH-53Eが行っている掃海訓練も眼下に見かけました。そちらは係維機雷を掃海する、マーク103を使った訓練のようです。
猛烈なダウンウォッシュが海面を吹き上げ、その水しぶきが機体にも降り注ぎ、小さな虹が浮かんでいました。こうして目の当たりにすると、改めてMH-53Eのパワーに圧倒されます。

 

 一方、乗っている機体では一定の往復を終え、今度は104を機内へ上げる作業が始まりました。またしてもAOの曲芸レベルの身のこなしによる作業が行なわれるのでしょうか。
 索が巻き上げられ、次第に104が機体後部へ近づいてきます。いくら慎重に巻き上げても、少々振り子のように揺れるのは避けられません。案の定、海曹は104を投下したとき以上にアクロバティックな姿勢で、右に左に振れる104の索をつかもうと腕を伸ばします。その体は完全に海の上、足元に床はありません。機体のわずかな足場から、不安定な姿勢で、体全体を伸ばして策をつかもうとするのです。AOの恐怖心というのは一体どこにしまい込んでいるのでしょう?

 

 索が手に触れたもののまだ振れる勢いが強く、無理して握っているとAOまで海に放り出されてしまいます。そこで、少し触れては104の振れ幅を抑えるということを何度か繰り返し、そして間もなく104をつかまえました。ここでようやく海に向かって垂直に落ちていた床が元に戻り、104がしっかりと固定されました。

 

 AOの仕事ぶりは、控えめにいっても衝撃的でした。掃海に関わる職種の中でとりわけ危険と隣り合わせなものといえば、EOD(水中処分員)が思い浮かびます。しかしAOも相当なものです。
 AOはその「とんでもなさ」があまり知られていないだけで、やっていることは究極の度胸試しのようなもの。いくら命綱を付け、背後で安全確認をしてくれているクルーがいても、勇気と責任感がなければこなすことは困難です。

 

 次回はAOのものすごさをさらにPRしてから、MCH-101のご紹介をします。

 

 

(以下次号)

 

 

(わたなべ・ようこ)

 

(平成27年(西暦2015年)10月29日配信)

 





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