対馬の3自衛隊(13)

先週は、対馬が観光に依存せざるを得ない現状や、観音寺から盗まれた仏像や韓国人観光客の神社におけるマナーの悪さについて触れました。最終回の今回は、それらの最新の情報をお伝えします。

まず盗まれた仏像の件です。
2012年10月、長崎県指定有形文化財で対馬市豊玉町の観音寺が所有する「観世音菩薩坐像が韓国の窃盗団によって盗まれ、韓国に持ち込まれました。
翌年、所有権を主張する瑞山市の浮石寺が「14世紀に倭寇に略奪された」として韓国政府に引き渡しを求める訴訟を起こしましたが、2023年10月、韓国最高裁が観音寺の所有権を認める判決を出し、確定しました。
しかし仏像は返還されないまま約1年が経過。その後、浮石寺が返還を承服する代わりに100日間法要することを要求してきました。
今年1月24日、観音寺の前住職などが韓国を訪れ、返還するために韓国の浮石寺が行った式典に参加、仏像は13年ぶりに返還されました。
現在は観音寺が浮石寺に貸与する形で100日間の法要が行なわれており、仏像が対馬に戻ってくるのは5月上旬になるそうです。

次に、マナーの悪い韓国人観光客について。
今年3月、和多都美(わたづみ)神社が氏子や崇敬者以外の境内立ち入りを禁止する措置を公表しました。この神社は昨年2月にも韓国人観光客の迷惑行為が相次いでいることから、立ち入りを禁止する看板を境内に掲示していました。神社職員がマナー違反を注意した際、「チョッパリ(日本人への蔑称)」「ケセッキ(犬の子)」と言い放たれたこともあったそうです。
神社は韓国人観光客による喫煙やポイ捨て、投石、排せつなど迷惑行為に悩まされており、3月22日には神社職員が暴行される事態が起きたといいます。一体何をしに、韓国人観光客はこの神社に来ているのでしょう。旅先ではなにをやっても許されるとでも思っているのでしょうか。

和多都美神社は「インバウンドが、日本人が大切にしてきた場所とモノと人を壊していく様は、日本文化の崩壊にほかならない」と、国内外のバスツアーなど観光目的での参入のすべてを禁じた一方、「神さまに対する尊崇、崇敬の念をもってきちんとお参りしてくれる人。そういう心をもった方々はご自由にご参拝ください」としています。

この件が韓国のメディアでも報じられたところ、「恥ずかしい」「外国へ行って醜態をさらす韓国人がいまだに存在しているとは」「海外ではより慎重に、マナーのある行動をするべき。国の恥をさらすな」という韓国人による批判の声があったそうです。
また、韓国での報道には、中国人観光客のマナーが韓国で問題視されていることを踏まえ、「中国人観光客が済州島で子供に排便させたり、ポイ捨てをしたりするのと同じ」「いつも中国人観光客のマナーを批判しているのだから、われわれも外国に遊びに行ったらその国の公衆道徳を守らないと」といった意見もみられたといいます。

日本人が対馬にもっと興味を持つこと。これが対馬の豊かな自然や文化を守ることにつながっていることは間違いありません。

(おわり)