討議いただきたし

【090706配信 軍事情報第397号(読者の声)】
■討議いただきたし
中国海軍の増強が日米を脅かす
nikkei BPnet 6月23日付 
古森義久氏の「中国海軍の増強が日米を脅かす」 
を「おき軍事」誌上で討議
していただき度し
(85歳読者さま)
⇒ありがとうございます。
当該記事は
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20090623/162210/
です。
お読みになっての、ご高見、ご意見、ご感想をぜひお寄せください。
(エンリケ)
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【090708配信 (Re:討議いただきたし) 】
■自分が中共トップなら

自分が中国のトップ(共産党総書記)だったらと仮定して考えると中国のやる
かも知れないことを比較的理解しやすいと思います。浅学非才で間違いだらけ
を承知の上で述べてみます。
中国は清末から西欧諸国に痛めつけられ、更には歴史上鼻にも引っかけていな
かった極東の島国の日本に日清戦争でやぶれ深くプライドを傷つけられた。
そこを満州事変、日華事変を経て、大東亜戦争アメリカ、ソ連の参戦で辛うじ
て独立を果たし、宿敵の蒋介石を追い出した。
内政問題が多くあるものの、改革開放で経済的に発展を遂げており、それに
応じて軍事強化の見通しを得た。
内政では大多数の国民の愛国心や政治意識の低さを考えると、共産党の一党独
裁を継続しなければ、国家としてのまとまりや、迅速な意志決定が出来そうに
ないので引き続き共産党独裁の体制を続ける。(ただし、共産党の指導体制の
民主化については不明)
国際関係に目を向けると、かっての帝国の栄光を取り戻したい。すなわちアジ
アでのリーダーとなり、清末以来の屈辱を晴らしたい。そのイメージは中国軍
人がアメリカ軍幹部に伝えた、ハワイから西の制海権を確立することである。
すなわち、アジアからアメリカの軍事力を引かせたい。日本を含むアジア諸国
を自分の手下にしたい。インド、日本を押さえ込み、ロシアの南進、東進を
食い止めたい。
そしてEU、アメリカ、中国の3極体制にして文字通り世界の大国になる。
現段階では、台湾は馬政権のもとで、穏やかに台湾の見込みが成功しつつある
ように見える。
次は日本と揉めている尖閣列島の取り込みである。さらにその先に沖縄が標的
になる。ここまで進めば、日本はシーレーンを中国に押さえられ、石油、食料
品等の輸入が経済的に非常に苦しくなり、実質的に中国の支配下におかれるこ
とになろう。これが出来れば、日清戦争以来の日本への完全な復讐(?)が
達成され、国民意識も高めることになり内政も安定化できる。
以上とは逆に、中国にとって一番拙いストーリーは、日本が安全保障問題、
国防意識に目覚め、アメリカとタイアップしながら憲法改正、核武装、
軍事費をGDP1%撤廃して守りを固めることである。
北朝鮮がジタバタして、それによって日本が国防意識に目覚め、日本のマスコ
ミが反日的から愛国的に転換することである。中国にとって幸いなことに、
NHKのJAPANレビューに見られるように反日的な勢力がまだまだ健在であり、
自民党の人気凋落していることである。一方中国にとってのバッドニュースは
田母神閣下の思いの他の人気であろう。
アメリカへの取り組みは硬軟とりまぜ、また、公民とりまぜ多角的に「アメリ
カにとってアジアから手を引く方がアメリカの国益に沿っている」と思わせる
ことである。すなわち、アジアにおけるアメリカの軍事的プレゼンス維持のた
めの費用対効果がない、一方中国に任せてもアメリカの国益に問題ないと思わ
せたい。そのための対策を多角的に行う。
以上極めて雑駁な「私が胡錦トウだったら」論です。
従って、日本のとるべき道は以下の通り。
中国の目指すことを日本とアメリカの共同で実現する。すなわち、太平洋の西
側の軍事プレゼンスをアメリカと共同で担うことができる、信頼感のある同盟
と実力発揮。いわゆるアメリカに依存しっぱなしではなく、本当のパートナー
になることを目指す。(日本が金を出し、アメリカが血を流すというのはパー
トナーではないし、強固なものでもない)
項目を順不同で羅列すると
1:集団的自衛権の行使
2:防衛費の1%突破
3:憲法九条改正
4:非核三原則の撤廃
5:アメリカの了解を取り付けながら核武装
6:日米安全保障条約のさらなる強化
7:日米豪ニュージランド出来ればインドも巻き込んだ同盟の可能性
一番の課題は日本国民の平和ボケ状態から如何に国防意識、安全保障意識を覚
醒させるか。国政がもっぱら国内経済、とりわけ政局に矮小化しているのは非
常に問題であり、同盟国アメリカにもバカにされている。
例えば、北朝鮮が日本近海にミサイルをぶち込んでくれたら少しは目が覚める
かも、と思っている次第です。
(F)
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【090709配信 軍事情報 (Re:討議いただきたし(その2))】
■まったく同感です
古森義久氏の「中国海軍の増強が日米を脅かす」を、全部拝読しました。
まったく同感です。
 これに対してわが国の防衛予算は削られ続けています。あの片山さつき
議員は防衛予算担当だった時に「この平和な日本を何処の国が攻めるのか」
「潜水艦は冷戦構造を前提とした時代遅れの兵器であり増やすことなど認め
ない」とのたまわり防衛予算を削ることに手柄顔をしていたと言います。
勿論片山さつき議員だけが悪いと言うのではありませんが何と言う不見識な
政治家たちでしょうか!
 これが戦後軍国主義反対で、日本軍の功績など一切認めようとせずに反戦
平和の錦の御旗を最上段に掲げた左翼の連中に阿り、例の「平和を愛する諸
国民の公正と信義に信頼して我が国の安全と生存を保持しようと決意した」
という日本国憲法を後生大事に守ることが真の良識ある知識人だと信じきっ
ている、保守政党そしてこれらを取り巻く経済界の思惑などが入り混じって
日本国の将来に大きな暗雲を投げかけているのです。
 このような現状を打破するには、やはり古森さんとか、その他の憂国の人
たちが一つにまとまって米国のような「政策諮問機関」を日本政府に呼び掛
けて反対などを断固排除して立ち上げるべきだと考えます。
 軽く周囲を見渡してもこのような問題を審議検討するには、適任者がたく
さん居られます。
 田母神閣下をはじめ、志方俊之氏、青山繁晴氏、井上和彦氏などなど・・・
現在これらの方々はいずれも講演会、執筆活動などで個々に活動されていま
すがこれらの方々が、一か所に集い「政策諮問機関」として検討された事案
を政府に提言されるならば必ずや大きな成果が挙がると思うのですが如何で
しょうか?
以上
(T)
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【090709配信 軍事情報 (Re:討議いただきたし(その3))】
■古森義久氏の論文に対する所見
要点のみ申し上げます。
今般の古森義久氏の論文に対しては、何の意見を差しはさむ知識も持ちませ
ん。恐らく信用するに足りる御意見と信じます。また、読者の方々の御議論、
御意見も全くそのとおりと存じます。
ただ、「では日本はどうすればいいのか。」と言う点については、直接的に
憲法改正、防衛力増強、政権の弱腰の問題として捉えておられます。そこで、
小生は少し違った面での御意見を申し上げたいと思います。
先ず、今日の中国の繁栄、軍事増強の背景を考えてみるべきでしょう。
それは、「経済発展」にほかなりません。つまり、中国は全ての事項を「中央
集権で統制」しておりますので、例えば普通の国であればここまで経済発展し
ますと「人権費」が高騰し、それなりに経済発展とバランスします。ところ
が、これだけ経済発展しながら「人権費」が低く抑えられているのは、「統
制経済」の賜物なのです。この「安い人件費」が、「中国の強み」なのです。
これで中国は、面白いほど儲けているのです。
もう一つは、「日本の技術」です。中国は、「日本の技術」がなくては世界に
売れる商品を作ることが出来ません。この部分を日本人は見落としています。
つまり、「安い人件費」を目当てに中国に工場を移設し、中国に日本の技術を
どんどん移転して、世界に売れる商品、それも偽物商品を作らせて、それで
また「経済発展」を助長しているのです。
このことから、「日本はどうすべきか」が見えてみます。
一つ。日本の工場を中国に移転出来ないような制度を作ること。
一つ。中国の人権費を高騰させるよう外圧を掛けること。
この二点により、中国に大きなダメージを与えることが出来ます。結果として
中国の軍事力増強の勢いを減速させることが出来ます。小生の拙い経験から、
日本の企業は、安易に「安い人件費」を求めすぎて、結果として自国に弓する
外国勢を作っていることに気付く必要があるということです。
「安い人件費」の国は他にも沢山あります。インドネシア、ベトナム、タイ、
カンボディア、等々、挙げればきりがありません。もっと友好的な国にのみ
工場移転を許可すべきなのです。
以上が、古森義久氏の論文に対する小生の意見です。失礼しました。
(OB-K)
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【090710配信 軍事情報 (Re:討議いただきたし(その4))】
■このたびの、OB-Kさんのご意見を拝読いたしました。
これについて私見を申し上げます。
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 確かに仰る通り、中国の繁栄と軍事力増強の背景にあるものは
安い人件費と、これを目当てにした日本経済界の進出であることは
疑いありません。
 日本だけではなく、これは世界各国の狙いもそうだと思います。
特にその中でも日本の技術力は抜群なので、これを利用して益々
中国は経済発展して行くのです。
 日本財界の思惑と中国の思惑がそれぞれ一致して、中国はこれ
を軍事力増強につぎ込み、あわよくば世界制覇の欲望を達成させ
ようとしているのですが、中国市場は、世界各国が狙っているほど
強大かつ魅力的であり、この悪循環ともいえるサイクルを断ち切る
のは並大抵ではないと思います。
 仰るように、インドネシア、ベトナム、タイ、カンボジア等、日本に
友好的なそして、植民地から独立させてもらった事を感謝している
アジア諸国にもっと目を向けて、日本経済界も中国よりそちらへ
進出するように仕向ければよいのですが、それらの地における
市場経済の発展を展望する時、日本の財界人は如何様に考える
のか私には想像できません。
 日本の工場を中国に移転出来ないような制度が果たして作れる
でしょうか?
 日本の経済界は他国に負けるなとばかりに、中国市場に続々と
乗り込んでいき会社が儲かれば、それが日本経済の発展に繋がる
のだと言う自負心があり、これを規制するのは至難の業ではないで
しょうか?
 しかしそのような中国の思惑を日本経済界の連中は、どのように
感じているのか非常に関心高く見守っているところです。
 このような問題点を真剣に考えなくてはなりませんが、これと合わ
せて憲法9条改正と防衛力の増強に力を入れて、他国から容易に
舐められないように、うかつに手を出せないようにしておかねばなら
無いと痛感している次第です。
 そのためには、米国のSSGN(原子力巡航ミサイル潜水艦)を
自衛隊にも配備して、四六時中日本海、その他東シナ海、太平洋
に就航させていれば、たとえ本国が核攻撃で壊滅しても、海中から
無傷で強力な報復核戦力が温存できるので、これが強大な抑止力
になりえるのです。
 日米同盟も全面的には信頼できませんので、日本独自の防衛力
整備が必要なのです。
 以上、あくまでも単なる一老人の私見であります。ご容赦のほどを。
(T)
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【090710配信 軍事情報 (Re:討議いただきたし(その5))】
■古森義久氏の論文に対する所見 その2
要点のみ申し上げます。
1 工場の海外移転規制は可能か
現にココム規制が存在します。品物は規制できて技術が規制出来ないことは
ないのではないかと考えています。勿論、日本だけでは困難でしょう。ココム
と同様、「経済発展が結果として軍事的脅威を増大させている。」という事実
を、米英独に理解してもらい、協力して対処する必要があるものと考えます。
我が国には、こうしたリーダーシップも必要なのではないでしょうか。フラン
スは、元々親中派ですので除外しますが、フランスの生産技術で脅威となるも
のは少ないと思います。
2 中国の人権費値上げ圧力は可能か
現在すでに人件費が漸増しています。これをさらにネットを通じて、労働者の
権利に目覚めさせることも可能かと思います。昨日の新疆ウィグル地区の暴動
も、海外からの指示であったように報道されています。
3 憲法改正で普通の国になれるか
憲法改正だけで普通の国になれるとは、到底思えません。先ず、日米安保が
双務条約になるでしょう。そうした場合、従来の防衛力では対処できないほ
どの出血と出費を要求されます。特に、台湾海峡と朝鮮半島の事態では、
ほとんど主力軍隊とされてしまうでしょう。また、核武装をするならアメリ
カから日米安保破棄を通告されるでしょう。そうすれば、完全に防衛、経済、
外交での自立を必要としますが、資源のない我が国が、本当に自立できるか
どうか、少し考えれば御理解いただけると思います。憲法を改正して自立す
るということは、防衛予算を増額し、防衛力を増強し、法律を防衛優先体制
に整備し直し、対潜ネットワークからの離脱を覚悟してその膨大なネット
ワークを構築し直し、情報収集体制を全世界に展開し直し、等々の膨大な
防衛力再整備が不可欠となります。その覚悟は国民にはないでしょう。
さらに大陸や半島で核兵器が爆発しますと、我が国は偏西風によって二次被
害を受けるのは明白です。
つまり、日米ともに核武装しても、大陸や半島に核攻撃出来ないことになりま
す。
こうしたことを考えますと、憲法改正してもやはり核武装は回避して、日米安
保を維持し続けるのが賢明のように思えます。当然、憲法改正は必要と考えま
すが、それだけでは普通の国にはなれないということです。また、その改正時
期を誤ると、つまり台湾と半島での事態の前に改正すると我が国の負担が飛躍
的に増大することを覚悟しなければなりません。当面は、現憲法の枠内で、
そして、憲法改正後もやはり、日米安保の枠内で核兵器を規制された状態で存
続するのが得策のように思えます。
ただ、在来兵器による報復兵器(攻撃兵器)の装備は賛成です。というより、
今後それが不可欠となるものと思います。
以上、舌足らずでかつ要点のみで失礼します。
(OB-K)
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【090711配信 軍事情報 (Re:討議いただきたし(その6))】
■古森義久氏の記事を拝読しました。
全く異論はありません。中共のやっていることは両大戦でドイツがイギリスに対
して企図したことと同じです。海洋国家日本の危機です。
ですが同時に、米国政府のシナへの傾斜と、日本パッシングも明白です。
問題は、我国の国民も政治家も脳天気なことにあります。
私は今度の総選挙で民主党主体の政権ができて、日米関係が相当におかしくなっ
てから、大多数の国民がやっと自らの平和ボケに気付くことになるのかな、と悲
観的に感じています。
但し、気付く兆しは少しですが既に感じられます。
ネット議論を始め、マスコミの論調にも微妙な変化が現れ始めているような気が
しています。7/5(日)の関西テレビ「やしきたかじんのそこまでいって委員
会」などはその典型でした。(なんで日テレはこんな良い番組を関東で放送しな
いんでしょうかね、もったいない)
4月の北鮮の弾道ミサイル発射の際における日本国民の世論の急激な反応を見て、
米国も周辺諸国も驚いたという報道がありました。
これは報道自体の方向性で日本の世論が相当程度コントロールされ得ることの証
でしょう。
マスコミ人達は、自らの肌で実感していない事柄については外野から無責任な書
生論を飛ばしていますが、ひとたび傷みを共感したとなると俄に現実的、近視眼
的、情緒的な報道になります。そして、それに伴って世論も激変します。北鮮の
拉致を認めた後の世論の反応などはその典型です。
中共はこの現実を目の当たりにして、我国の核武装論の高揚を怖れ、北鮮に対し
て抑制圧力をかけているに違いありません。しかし、金正日も今や後が無いので、
何等かの見返りが無くては引っ込みがつかないでしょう。
北鮮はもう後戻りができない。そして我国も自主防衛への歩みを徐々に辿ること
になる様な気がします。
防衛費は年々減額されてきました。片山さつき氏の滅茶苦茶な削減などが思い出
されます。でも、周辺諸国が悉く軍拡をしているなかで、こんなことが何時まで
も続けられるわけがありません。いつか必ず国民が愕然とする日が来ます。その
ときが「未だ間に合う」時間内であることを祈るばかりです。
先日、イスラエルの潜水艦がスエズを通過して紅海に入ったことから、種々の憶
測がなされています。ペルシャ湾に侵入して、650mm の巨大口径発射管に入った
核巡航ミサイルでイラン核施設を攻撃する懸念も囁かれています。例え在来型潜
水艦でも、核兵器さえあればこのように相手の脅威にある程度の対抗ができます。
私は我国が集団的自衛権を認め、非核三原則を取り下げ、オーストラリア等と語
らってNATOの準加盟国になることが現実的だと思います。そうすれば核のシェア
リングも特別な話ではなくなります。
つまり、対米関係を損なうこともなく、事実上の核武装が実現可能ではないでし
ょうか。しかも、これらは憲法改正という高いハードルを越えなくても、政府の
外交努力で出来ることです。NATOとの連携は既に安部内閣のときにその一歩を踏
み出しています。決して夢物語ではありません。
話は変わりますが、最近不思議に思っていることがあります。中国の経済力です。
軍拡もさることながら、日本以上に極端な景気浮揚のための財政出動をしている
ようですが、あの金はどこから出ているのでしょう? 裏付けはあるのでしょう
か? 何れ酷いインフレが起きるのではないでしょうか? その時の対外的暴発
が心配です。
さらには米国です。ドルの基軸通貨からの転落が懸念されるようになってきまし
た。中露は明らかにそれを企図しているようです。米国はこのままズルズルと凋
落を甘受するのでしょうか? オバマ民主党政権が新たな戦争をしないで果たし
て凌げるのでしょうか? イラクから足抜けした後にでも、何か起こりそうな気
がするのですが・・・。
以上、ヨーソロの管見でした。
(ヨーソロ)
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