【2013国防授権法修正案】西太平洋地域で米軍に戦術核兵器を再配備する方向へ
2012/5/10の「Foreign Policy」
・米下院軍事委員会は120509の全体会議で、西太平洋地域の米軍の戦力を拡大し、戦術核兵器を再配置する案を支持する「2013国防授権法修正案」を可決処理した。
・修正案はクリントン国務長官とパネッタ国防長官に対し、「北鮮が弾道弾や核兵器の開発など好戦的な行動で同盟国に脅威を与えることに対応し、朝鮮半島に核兵器を前進配置する案の実行の可能性と細部計画」などに関する報告書を提出するよう要求した。
・共和党所属のトレント・フランクス議員が発議したこの修正案は賛成32票、反対26票で可決された。共和党議員ではランディ・フォーブス議員だけが反対し、民主党議員2人も賛成票を投じた
・フランクス議員は「この数年間、私たちは支那に対北朝鮮交渉の支援を要請したが、支那は核部品を北朝鮮に売った」とし「近づいた北朝鮮の威嚇と挑発から自らを保護するために、自主的な抑止力を確保して同盟国と協力しなければならない時期」と主張し、修正案発議の理由が「支朝牽制」にあることを明白にした。
・同誌は「北鮮が核兵器とミサイルプログラムの開発を継続し、議会が韓国に戦術核を再配置する案を検討するしかない状況になった」と説明した。
・また同誌は、戦術核再導入の考慮を主張した鄭夢準・セヌリ党議員の最近の発言を紹介し、「米国は1991年のブッシュ政権当時、核兵器縮小宣言に基づき33年間維持していた戦術核を韓国から撤収したが、韓国の政治家は北朝鮮の脅威に対応するための方法として、戦術核を再配置する案を議論する必要がある主張した」と伝えた。
(関連情報)国立外交院のユン・ドクミン教授は「北鮮は既に長距離ミサイル発射を行った。3回目の核実験も準備中と思われ、これが現実化する場合、北鮮の核挑発に対する制裁と圧迫措置として(戦術核再配置が)検討される可能性は十分ある」とした。
(関連情報)韓国経済研究院のイ・チュングン専任研究委員は「北鮮は韓国に存在すらしない核兵器の検証を要求し、『朝鮮半島非核化共同宣言』を先に破棄した。韓国が戦術核を再配置する大義名分は十分」と強調した。
【ひとこと】
1991年に韓国は非核化宣言を発し、米軍はすべての戦術核を半島から引き揚げました。ですので現実的に半島への戦術核配備は難しいでしょう。なら、第5空軍司令部があるわが国に配備するのが合理的ですね。グアムやハワイでは、管理面で問題がありそうです。