東京で地熱発電 清水政彦 並木書房
<本著最大の特徴は文理融合とも言うべき幅広い視点と柔軟な姿勢にある。
しかも、あくまでも未来に対して前向きである。それゆえに読者を飽き
させない。これは地熱や技術の専門家がなし得ないエネルギー論の書で
ある>
–村岡洋文(弘前大学北日本新エネルギー研究所教授・副所長)
<「原発から地熱へ」への確かな道筋を示す書!>
–猪瀬直樹(作家、東京都副知事)
「太陽光発電って、ポスト原発なの?」
「風力発電って、ポスト原発なの?」
「エコって、ポスト原発なの?」
あなたは、このことを、ほんとによく考えてますか?
今のまま無思考でそのまま進むと、
史上類を見ない高価なエネルギーコストを負担させられる恐れが
極めて高くなります、、、
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▼代替エネルギー
素人目で見ても
たとえば、いまはやりの太陽光発電は、
「超巨大な蓄電設備」
がない限り、都市レベルの基幹電源として
実運用できないことくらいわかります。
個人レベルでも、あれだけの蓄電池が必要なのですから、
巨大な都市機能の基幹電源足りうるには、
超巨大なスペースと資金が必要でしょう。
想像するだけで目がくらみます笑
しかしこのままいくと、
これらをはじめとする種々の発電コストを
無知な国民が背負わされる可能性が非常に高いのです。
そこで、この本の登場です。
著者は本著で、代替エネルギーについて、
安価な化石燃料が高騰する前に、新たなエネルギー源を確保する
必要がある。
これまでは原子力がそれだった。しかし平成23年3月11日を
もって原子力はその座を滑り落ち、返り咲く見込みは薄くなった。
代替エネルギーを「使える」ものに育てない限り、将来のエネル
ギー供給は困難に直面する。
と指摘します。
▼発電のコスト
「福島原発事故と原発のコスト」
から始まる本著は、
古来からあったにもかかわらず、
なぜか無視され放置されてきた
「地熱発電」
に真正面から取り組んだ、
一般国民向けの分かりやすい啓蒙書です。
というよりは、
エネルギーについて一般人向けに書かれた
はじめてのこなれた書といえます。
この本を読めばあなたは、
わがエネルギー全般に対する広い視野と洞察力を
持てるようになるでしょう。
とにかく読んでいて面白いです。
そのうえ、地熱発電という
間違いなく次代のエースになるだろうエネルギー源にまつわる
詳しい知識を、まだ世に出ぬ段階で手にできるわけです。
興奮しないわけないですし、面白くないわけありませんよね。
地熱発電の存在は知っていましたが、
具体的にどういうものかは知りませんでした。
私も本著を読み、大いに啓発されたひとりです。
代替エネルギーを考える上での課題は
「大規模・即時・安定・低コスト」
を同時にまかなえる供給源をどう確保するか。でしょう。
本著を読むと、
地熱発電への正しい理解と、無理のない運用可能性が見えてきます。
●地熱発電にも当然弱点はあります。しかし全ての弱点はクリアできます。
弱点と対処の詳細を知りたい方はP133~157をご覧ください。
●なぜわが国の地熱発電は日の目を見ていないのか?
理由はひとつと簡単です。P96でご確認ください。
●地熱発電運用の3大メリットと、4つの活用例を知りたくないですか?
P97~101に全て書かれています。
●国が代替エネルギーとして地熱発電を行う場合の5大メリットとは?
P125~132で確認できます。
●わたしの知り合いは、個人的に、北海道で同じような生活をしています。
彼も言ってた「夢のような生活」。P101~109でご確認ください。
●地熱発電の具体的知識、基礎知識の詳細はP122~128で身につけられます。
都市の主幹エネルギー源として、個人宅のエネルギー源として、、、
さまざまなスケールで活用できる知識です。
●太陽光・風力発電の4つの致命的弱点とは?P56~60
●太陽光や風力のような不安定電源が増えると、どういう事態を
引き起こすのでしょうか?ドイツの事例も含めて、P61~68で
ご覧ください
●これは、私も知り合いから直接聞いたことがあります。太陽光発電で
おトクにはならないんです。P79~84にてそのカラクリが解説されてます
●実は東京の某地で地熱発電で8000人の生活の電源がまかなわれている
ところがあります。どこか知りたいですか?P85~86をお読みください。
●東北大震災復興事業としての地熱開発は、津波対策、地勢面からみて
極めて意義がありものです。P90からその理由を書いています。
●現在捨て置かれている夢の技術「●●●方式」とは? P123
その他の中身も見てみましょう
●目次
序文 村岡洋文(弘前大学北日本新エネルギー研究所教授・副所長)・・・1
第1章 福島原発事故と原発のコスト・・・7
事故以前の原子力発電のコスト
「平成16年試算」をどう見るか?
モデル試算のからくり
8.3キロワット時でも甘い
事故前の実質コストは15円キロワット時?
隠蔽される原発のコスト
原発はコスト面で合わなくなった
第2章 日本の電源をどうするか?・・・34
わが国に「核を管理する覚悟」はない
「原発安価神話」の再来(エネ研試算)
「やっつけ仕事」の原子力委員会の試算
「徹底検証」を避けたコスト等検証委員会
継続される「愚民政策」
自然災害より恐ろしい国防上の懸念
同盟国の警告を無視する「平和ボケ」
電力供給のエースは火力発電
なぜ「代替エネルギー」が必要なのか?
第3章 代替エネルギーの実力・・・56
太陽光・風力発電の限界
電気は「ジャスト・イン・タイム」に供給しなければならない
不安定な電源が増えるとどうなるか?
恐ろしく割高な「スマートグリッド」
風力発電は離隔地の自給用と割り切る
「浮体式洋上風力発電」って本気ですか?
太陽光発電は「金持ちの道楽」で
「再生エネルギー法」の内容
太陽光発電で「おトク」にはならない
太陽光発電の普及で社会的コストを増大させる
地熱こそ「自然エネルギー」のエース
シンプルな構造の地熱発電プラント
第4章 復興事業としての地熱開発・・・90
津波のない内陸部への人口誘導
東北地方内陸部は世界有数の地熱有望地帯
かっては日本の地熱開発は世界をリードしていた
地熱発電の大きなメリット
地熱発電のある夢の暮らし
第5章 地熱発電の基礎知識・・・110
最も伝統的な「蒸気フラッシュ発電」
低温の熱源でも発電可能な「バイナリーサイクル発電」
自家用レベルの「温泉発電」
次世代技術の「高温岩体発電」
捨て置かれる夢の技術
地熱発電のメリット
第6章 これでも地熱は駄目ですか?・・・133
「地熱発電の弱点」は解消できる
リスクを説明して温泉業者との温存を目指す
温泉業者を潤すこれだけのメリット
地熱開発を妨げる法規制
やればできる規制緩和
第7章 世界と日本の地熱開発・・・158
世界の地熱開発はここまで進んでいる
日本の地熱発電所
地熱技術に対する不当な仕打ち
まだまだ低い地熱発電への関心
世界に誇れる地熱資源大国
地熱技術の「伸びしろ」は無限にある
発電コストはさらに下がる
第8章 無尽蔵の地熱資源を活用する・・・198
封印された「夢の技術」
なぜ「同軸二重管」なのか?
「熱電発電」も大いに期待できる
今すぐできる「地中熱」の利用
第9章 東京で「地熱開発」・・・218
雨水を冷やしてエアコンの効率を高める
都市排熱は冷房に使える
「冷熱貯蔵タンク」で夏の電力のピークカット
東京の地下鉄網で冷熱を供給する
東京湾の海中熱も冷却槽として活用
首都で「地中熱」を利用することの意義
あとがき・・・234
■執筆者紹介
清水政彦(しみず・まさひこ)
昭和54年生まれ。東京大学経済学部卒。
金融法務のかたわら環境・地熱資源について研究を続ける。
平成21年、地熱開発研究の第一人者である「産業技術総合研究所」
地熱資源研究グループ長(現在、弘前大学北日本新エネルギー研究所)
の村岡洋文教授とともに、内閣府規制改革推進室を通じて、地熱バイ
ナリー発電に関する規制緩和(ボイラータービン主任技術者選任義務
の撤廃)に従事する。現在、三井法律事務所勤務。
月刊「文藝春秋」(平成20年12月号)にて、お堀に下水が流れ
込んでいる事実を指摘した「陛下、皇居の濠が汚染されています」を
発表。
本当に素晴らしい内容です。
素人が知りたいエネルギーのことが網羅されており、
知らなかった地熱発電のことも深いレベルまでわかるようになります。
著者のわかりやすい語り口と、村岡先生がおっしゃる
「未来への前向きな視線」もそうですが、上手な構成をされた
版元さんの本著に取り組む意気込みも半端ではなかったようです。
この夏オススメの一冊です。
(エンリケ)
『東京で地熱発電 (地熱資源大国ニッポン) 』
清水 政彦 (著)
単行本(ソフトカバー): 238ページ
出版社: 並木書房 (2012/8/1)
発売日: 2012/8/1
商品の寸法: 18.8 x 13 x 2 cm
http://tinyurl.com/8fjadw8
追伸
個人的に楽しみなのは、
地熱発電で自宅をまかなうことです。
毎日、本格温泉に入りながら電気も作れ、
夏は涼しく、冬はぽかぽか放題。
いいですよね~
http://tinyurl.com/8fjadw8
損しないための太陽光発電
自分で損得を判断できるだけのノウハウと知識を身に付ければ、悪い業者に騙されることもなくなると思うのです