“無音の戦争”が現実に──『軍用ドローンの基本』が描く、戦争の現在地とこれから

戦車も戦闘機も映っていない──なのに、戦況が動いている?
ある日、ニュース映像を見ながら、ふと違和感を覚えたことはありませんか?
「戦車も戦闘機も出てこないのに、戦況が変わっている…?」
爆発音だけが響き、姿の見えない攻撃者。夜空に浮かぶ光点、そして静かに終わる戦闘。
私たちが“戦争”と聞いて思い浮かべる光景は、すでに過去のものになりつつあります。
それはつまり──戦争の「主役」が変わったということ。
いま、空を飛び、監視し、襲撃し、勝敗を左右しているのは、無人機──ドローンです。
知らないうちに始まり、気づかないまま終わる「無人の戦場」
こんにちは、エンリケです。
「ドローンが戦争を変えた」という言葉は、もはや使い古された表現かもしれません。
しかし、実際に「何がどう変わったのか」を説明できる人は、そう多くありません。
- 自律飛行するドローンは、どんな仕組みで飛んでいるのか?
- 群れのように動く“スウォーム戦術”とは?
- 無人機は有人機と何が違うのか?
- 実戦ではどのように使われ、どんな成果や課題があるのか?
こうした疑問に真正面から答えてくれる、待望の一冊が登場しました。
『軍用ドローンの基本』は何がすごいのか?
📘 『軍用ドローンの基本:概説およびドローン運用(軍用ドローンの教科書 Vol.1)』
著:ダリル・ジェンキンス/デビッド・クライン
訳:嶋本 学(元陸上自衛隊 陸将補)
芙蓉書房出版/A5判160ページ/2025年6月刊行
👉 Amazonで見る
収録されている主な内容
- ドローンの設計要素(動力源、搭載兵器、回収方法など)
- 任務ごとの運用設計と計画作成
- ウクライナ戦争での具体的な活用事例
- AI、自律性、スウォームなど未来戦の9つの方向性
単なるスペック紹介ではなく、「ドローンが戦争をどう変えたのか」を構造的に理解できる内容になっています。
現場を知る訳者が吹き込んだ“命”
訳者の嶋本 学氏は、陸上自衛隊で幹部自衛官として勤務し、現役時代にドローン研究を担当。退官後も災害現場などで無人機運用に携わっています。
実は、原著には別巻として収録されていた「任務計画の立て方」に関する章を、あえてこの第1巻に再構成。
このアレンジひとつとっても、「机上の空論では現場で使えない」という現実の重みを伝える工夫が光ります。
知らないままでいると、何が起きるのか?
- FPVドローンによるピンポイント攻撃
- 自律型機体による夜間の“無人襲撃”
- 衛星ナビゲーションの妨害による無力化
こうした「見えない戦争」は、もうSFではなく現実です。
知らないことがリスクになる時代。防衛・災害対策・産業競争力──あらゆる分野で、「ドローンの知識」が今後の分かれ道になることは間違いありません。
どんな人に読んでほしいか?
- 自衛隊関係者、安全保障研究者
- 自治体・官公庁で災害対応や政策企画を担う方
- ドローンの実践的運用に関心がある技術者・民間企業
- 軍事・技術に興味を持つ読者すべて
未来の戦争を想像する力を、あなたに
この本は、時代の変化を「正しく受け止める」ための教科書です。
そして、変化に「備える」ための思考の道具でもあります。
私たちはすでに、“無音の戦争”の時代に突入しています。
これを知識で武装することなく迎えるのか、それとも、準備して迎えるのか。
その差は、これからますます大きくなっていくでしょう。
ぜひ本書を、あなた自身の“基礎教練”として活用してください。
オススメです。2巻以降の刊行が楽しみです!
エンリケ
追伸:知っているだけで、見える世界が変わる
- 「ドローンが使われている」ことは多くの人が知っています。でも「ドローンとは何か?」を知る人は、まだごく少数です。
- 本書は、その“情報の空白地帯”を埋める最初の一冊です。
- すでに各国の軍事関係者は「ドローンが前提の戦場」へと思考を切り替えています。
📘 『軍用ドローンの基本:概説およびドローン運用(軍用ドローンの教科書 Vol.1)』
著:ダリル・ジェンキンス/デビッド・クライン
訳:嶋本 学(元陸上自衛隊 陸将補)
芙蓉書房出版/A5判160ページ/2025年6月刊行
👉 Amazonで見る