『陸将、海将と振り返る 昭和の大戦』を読む──大東亜戦争の“本質”は、まだ語られていない

『陸将、海将と振り返る 昭和の大戦 - クリティカルシンキング -』小川清史  伊藤俊幸 桜林美佐(著)
『陸将、海将と振り返る 昭和の大戦 – クリティカルシンキング -』小川清史  伊藤俊幸 桜林美佐(著)

こんにちは、エンリケです。

「あの戦争」は、もう過去の話なのか?

終戦から間もなく80年。
大東亜戦争──私たちが「昭和の戦争」として学んできたこの出来事について、あなたはどれだけ深く理解していますか?

「ミッドウェーで日本は敗勢に転じた」
「インパール作戦は無謀の象徴」
「沖縄戦では住民が見捨てられた」

こうした“定説”は、歴史教育やメディア報道を通じて、私たちの中に染みついています。
しかし、もしそれが事実とは異なる“物語”にすぎなかったとしたら?

2025年5月に発売された注目の書籍
『陸将、海将と振り返る 昭和の大戦 – クリティカルシンキング -』(小川清史・伊藤俊幸・桜林美佐 著)
は、私たちが戦後80年にわたって見落としてきた視点から、あの戦争を再検証します。

元陸将・海将が“戦略眼”で読み解く、真の歴史
この本最大の特長は、戦史を振り返る語り手がプロの軍人である点です。

小川清史 氏(元陸将)
伊藤俊幸 氏(元海将)
桜林美佐 氏(防衛ジャーナリスト・進行役)

3名による対談形式で進む本書は、ただの歴史回顧録ではありません。
組織論、リーダーシップ、戦略思考、インテリジェンス、情報戦…
現代のビジネスやマネジメントにも応用可能な視点で、「戦史」を再構築しています。

驚きの再発見:「あの作戦、本当はこうだった?」
書中で語られる「歴史の裏側」には、思わずページをめくる手が止まらなくなる指摘が並びます。
ノモンハン事件は、日本側にとって実は“敗北”ではなかった?

  • 真珠湾攻撃は、東京裁判を想定していた「政治的作戦」だった?
  • ミッドウェーは空母同士の戦いではなく、本来“陸地攻略戦”だった?
  • インパール作戦は、誰かを悪者に仕立てるための「後付けの敗北」だった?
  • 沖縄戦では、住民保護のために尽力した陸軍将校が存在した?

これらは決して“陰謀論”ではありません。
詳細な史料と、軍事的・戦略的知見をベースにした論理的再検証によって導き出されたものです。

戦史を「対話」する体験──読者が参加する“知の演習”
本書は、ただの知識の詰め込みではありません。
小川陸将と伊藤海将が、それぞれの視点から議論を展開し、ジャーナリストの桜林氏が鋭く切り込む。
そのやりとりに読者が巻き込まれ、気づけば自分も討議の輪の中にいる感覚になります。
問いが生まれ、考えが深まり、既存の“歴史認識”に揺さぶりをかけられる――。
これはまさに、“読む討論番組”とも言える構成。

この本は、YouTubeで人気の「チャンネルくらら」の番組がベースとなっており、視覚的にも構造的にも理解しやすい面はあるのかもしれません。

戦史は「今の組織論」に直結する
本書は単なる過去の戦争の検証ではありません。
その本質は、「組織とは何か」「リーダーシップとは何か」といった、現代の課題に通じる根本的な問いにあります。
たとえば、こんな現代的な“痛み”に、あなたは覚えがありませんか?
誰も責任を取らない組織にうんざりしている

・情報はあるのに現場が動かない
・「建前」が優先され、本質が語られない
・使える人材が潰されるマネジメント構造にイライラする

これらは、すべて戦前・戦中の日本軍の組織的問題に通じるもの。
だからこそ本書は、**戦史を使った“組織改善の教材”**にもなるのです。

戦争を語るなら、まずこの一冊から
「リーダーシップ」「マネジメント」「国家と個人」「情報と戦略」──
こうしたテーマに少しでも関心があるなら、本書は必読です。

そして何より、私たちが「失敗から学ぶ力」を持てるかどうかが、
この80年後の節目に問われているのではないでしょうか。

書籍情報
📘 書名: 陸将、海将と振り返る 昭和の大戦 – クリティカルシンキング –
👤 著者: 小川清史・伊藤俊幸・桜林美佐
🏢 出版社: ワニブックス
📅 発売日: 2025年5月20日
📐 判型・ページ数: 四六判・352ページ
💴 価格: ¥1,980(税込)
🔗 ▶ Amazonで詳細を見る

エンリケ

最後に

戦争を知ることは、未来を守ること
「昭和の戦争」は、もう過去の話ではありません。
それは、いま私たちがどう組織を動かし、社会を築いていくかという現在進行形の問題です。
ぜひ、この一冊を通じて、歴史と現在をつなぐ“知の対話”を始めてみてください。

『陸将、海将と振り返る 昭和の大戦 – クリティカ
ルシンキング -』
小川清史  伊藤俊幸 桜林美佐(著)
出版社:ワニブックス
発売日:2025/5/20
判型・ページ数:四六判352ページ
寸法:18.8 x 12.8 x 1.7 cm
定価 :¥1,980(税込)
https://amzn.to/4mkn5M7