「あの戦争の“真相”に触れたい」——そんなあなたに読んでほしい本があります
【本の紹介】『率直に言って、あなたたちより我々の方に非があると言わざるを得ません』 田中秀雄 著

著者:田中秀雄
こんにちは、エンリケです。
歴史に興味がある。
けれどもテレビや教科書で語られる戦争の話には、どこか違和感を覚える。
「本当にそれだけが事実なのか?」と疑問を感じたことはありませんか?
あるいは、真珠湾攻撃の報道や、終戦の映像を見て、説明しきれないもやもやが心に残ったことはありませんか?
そんなあなたに、どうしても紹介したい一冊があります。
本のタイトルは、少し挑発的です。
『率直に言って、あなたたちより我々の方に非があると言わざるを得ません』
著者は、歴史研究の世界で根強い信頼を集めてきた田中秀雄氏。
日米開戦をめぐる「勝者の論理」に対して、米海軍・プラット提督の言葉を手がかりに、これまでとは異なる角度から切り込んでいます。
歴史は、ひとつの顔しか持っていないのか?
「なぜあの戦争は起こったのか?」
「日本は追い詰められていたのか?それとも別の選択肢があったのか?」
私たちが学校で教わってきた歴史は、非常にシンプルに整理されています。
悪いのは日本、正しいのはアメリカ。
真珠湾は奇襲、太平洋戦争は自業自得…。
しかし、現実はそんなに単純でしょうか?
アメリカ側の軍人は、後年、こう証言しています。
「率直に言って、あなたたちより我々の方に非があると言わざるを得ません。」
この言葉を発したのが、プラット提督。
米海軍中枢にいた人物が、なぜこう語ったのか。
本書は、ただその言葉を紹介するだけではありません。
膨大な記録・証言・戦略資料を分析しながら、当時のアメリカの戦略、日本の選択、外交の動き、国際関係の力学を立体的に描き出していきます。
書店には並ばない「歴史のもう一つの顔」
この本がユニークなのは、反米的なプロパガンダでも、感情的な日本擁護論でもない点です。
事実に基づき、文献に即し、第三者的な視点から戦争の本質に迫ろうとする冷静さ。
それが、多くの読者の信頼を集めている理由です。
著者・田中秀雄氏は、慶應義塾大学卒。
長年にわたり日本の近現代史を研究してきた歴史家であり、翻訳者でもあります。
以下のような著作からも、その姿勢は一貫しています。
『日本を一番愛した外交官』
『中国共産党の罠』
『満洲国建国の正当性を弁護する』(翻訳)
『日米戦争の起点をつくった外交官』(翻訳)
つまり、国内外の一次資料を徹底して読み解き、独自の分析を積み上げてきた人物なのです。
あなたの“歴史観”が、静かに変わるかもしれません
この本を読むと、ひとつひとつの歴史的事件が、まるでモノクロ写真からフルカラー映像へと変わるように、立体的に浮かび上がってきます。
「日本が悪かった」と済ませていた一言の背後に、
「アメリカにも見落としていたものがあった」という事実が現れます。
一つ例を挙げましょう。
真珠湾攻撃の際、日本が“奇襲”を選んだのは、果たして無謀だったのか?
あるいは、そう選ばざるを得ないように、外交戦略・経済制裁・時間稼ぎといった状況が組み上げられていたのではないか?
本書は、こうした問いに丁寧に向き合い、読者自身の判断力を鍛えるような構成になっています。
一方的な「教え」ではない。あなたと一緒に考えるための本です。
この本の最大の魅力は、「読み手を信頼している」ところです。
著者は読者に“こう思え”とは押しつけません。
資料を提示し、状況を丁寧に描きながら、「あなたは、どう思いますか?」と問いかけてくるのです。
だからこそ、読み終えた後に得られるものが大きい。
知識や情報だけではありません。
歴史を“自分の頭で考える力”が、しっかりと身につくのです。
書名の意味を、あなたは読み終えたあとに知る
この挑発的な書名、
『率直に言って、あなたたちより我々の方に非があると言わざるを得ません』
は、単なる反省でもなければ、日本礼賛でもありません。
それは、「歴史とは勝者によって一方的に語られてはならない」という静かな怒りであり、
「事実と向き合う勇気を持とう」という誠実な呼びかけなのです。
書籍情報
📘 『率直に言って、あなたたちより我々の方に非があると言わざるを得ません』
著者:田中秀雄
出版社:芙蓉書房出版
発売日:2025年5月12日
判型:A5判・288ページ
価格:2,750円(税込)
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少しでも心を動かされたなら、
ぜひこの本を手にとってみてください。
あなた自身の「歴史との向き合い方」を問い直す、静かで深い旅の始まりになるはずです。
エンリケ
追伸
歴史というものは、遠い昔の話ではなく、いまの私たちの価値観や判断力に深く関わっているものです。
ときに「知ってしまったら、もう前と同じではいられない」ような真実に出会うことがあります。
この本も、そんな一冊です。
歴史を“自分の目”で見直したいあなたにとって、きっと大切な読書体験になるはずです。
読後、静かに深呼吸したくなるような読書体験を、どうぞあなたの手元に。