破壊措置準備命令発令

2020年3月12日

森本防衛大臣は121201、北鮮のミサイル発射予告に対し、弾道ミサイル等に対する破壊措置等の準備に関する一般命令を発出した。
以下は、121201に発表された森本防衛大臣の記者会見概要です。
http://www.mod.go.jp/j/press/kisha/2012/12/01.html
大臣臨時会見概要
平成24年12月1日(23時52分~23時57分)

1 発表事項
 防衛会議において、本日総理官邸で行われた会議の結論を皆さんに説明し、準備を行うための一般命令を出すための必要な協議をして、会議終了後に一般命令を発出するという手続きを終えたところです。これで、航空総隊以下自衛隊の所要の部隊に、必要な一般命令が本日中に届くと思います。今から担当者が皆さんにブリーフィングを行うということなので、細部はそれをお聞きください。いずれにせよ今回は、前回4月に北朝鮮のミサイルが発射されるという事案があったわけですが、そのときと比べて準備のための期間が少し短いので、必要な態勢を取るために万全を期すということを最優先に、これから必要な準備を行いたいと考えています。
2 質疑応答
Q:破壊措置命令そのものが出る時期の目途については、どのようにお考えでしょうか。
A:それは一般論ですけれども、来週しかるべき時期に安保会議が開かれて、安保会議の終わった後に命令を出すというのが、今考えている手順でございます。
Q:今回の発射されるのが南の方向という話もあるのですが、前回4月は沖縄上空を通過する可能性があるということで、沖縄県内4カ所にPAC-3を配備したのですが、今回もそういった準備は進められるのでしょうか。
A:今回北朝鮮が発表している弾道ミサイルの経路を我々で推論したとき、前回と概ね同じ方角、同様の弾道を経由すると考えられますので、我が方の態勢も概ね同様の態勢を取るということを前提に、必要な一般命令を出したところです。
Q:確認ですが、沖縄にPAC-3配置するという。
A:後でブリーフィングを行いますので、それをお聞き下さい。細部は担当者が説明申し上げます。
Q:前回は発射情報の提供のあり方を巡って、ダブルチェック方式をとっていたこともあって、米国や韓国に比べて発射の際の情報発表が遅れたという経緯がありましたが、今回はそれを踏まえて何か新しい方策というか、段階を踏まえて情報を出すような形を検討されますか。
A:4月の事案の際には、今から考えるといろいろ反省すべき点があったのではないかと思いますので、その反省点を踏まえて、決してそういうことがないように、所要の準備を行うというつもりでおります。
Q:日本は総選挙中で韓国も大統領選の期間中で、影響というか、なぜ今の時期に発射なのかという分析と、影響は何かありますか。
A:まだ我々は北朝鮮の意図がどういうところにあるかということよりも、とにかく発射が行われるという場合には、国民の安全と安心を守るためにどのような準備の態勢を取るかということを最優先に考えて必要な一般命令を出すということにしたわけです。
【参考】
BMD対処の実際
●「破壊措置命令」は自衛隊法82条の3の第1項と第3項に定められています。
———————————–
(弾道ミサイル等に対する破壊措置)
第八十二条の三
1 防衛大臣は、弾道ミサイル等(弾道ミサイルその他その落下により人命又は財産に対する重大な被害が生じると認められる物体であつて航空機以外のものをいう。以下同じ。)が我が国に飛来するおそれがあり、その落下による我が国領域における人命又は財産に対する被害を防止するため必要があると認めるときは、内閣総理大臣の承認を得て、自衛隊の部隊に対し、我が国に向けて現に飛来する弾道ミサイル等を我が国領域又は公海(海洋法に関する国際連合条約に規定する排他的経済水域を含む。)の上空において破壊する措置をとるべき旨を命ずることができる。
2 防衛大臣は、前項に規定するおそれがなくなつたと認めるときは、内閣総理大臣の承認を得て、速やかに、同項の命令を解除しなければならない。
3 防衛大臣は、第一項の場合のほか、事態が急変し同項の内閣総理大臣の承認を得るいとまがなく我が国に向けて弾道ミサイル等が飛来する緊急の場合における我が国領域における人命又は財産に対する被害を防止するため、防衛大臣が作成し、内閣総理大臣の承認を受けた緊急対処要領に従い、あらかじめ、自衛隊の部隊に対し、同項の命令をすることができる。この場合において、防衛大臣は、その命令に係る措置をとるべき期間を定めるものとする。
4 前項の緊急対処要領の作成及び内閣総理大臣の承認に関し必要な事項は、政令で定める。
5 内閣総理大臣は、第一項又は第三項の規定による措置がとられたときは、その結果を、速やかに、国会に報告しなければならない。
これにより、防衛大臣は弾道ミサイル等が日本国に飛来するおそれがあり、その落下により、日本国の領域における人命または財産に対する被害を防止するため必要があると認めるときに、内閣総理大臣の承認を得て、自衛隊の部隊に対し、日本国に向けて現に飛来する弾道ミサイル等を日本国の領域または公海の上空において破壊する措置をとる命令が発令できる。
—————————
一般命令とは何か?
防衛庁訓令第38号 防衛省における文書の形式に関する訓令より
—————————
(一般命令)
第9条
行動命令をもつて発する場合を除き、統合幕僚監部、各自衛隊、共同の部隊又は統合部隊に関する次の各号に掲げる事項に関して防衛大臣又は別表第3に掲げる者が発する命令は、一般命令とする。
(1) 部隊及び機関の編成、配置、移動、派遣その他指揮関係の決定に関する事項
(2) 部隊及び機関に対する任務付与並びに付与された任務の実施に関する事項 (法令、訓令及び達により定められたものを除く。)
(3) 訓練又は演習の実施に関する事項
(4) 検閲の実施に関する事項
(5) 前各号に準ずる事項
2 前項に規定する一般命令の名称は、防衛大臣が発するものにあつては「自衛隊一般命令」、「陸上自衛隊一般命令」、「海上自衛隊一般命令」又は「航空自衛隊一般命令」とし、別表第3に掲げる者が発するものにあつては発令者の区分に応じそれぞれ当該幕僚監部、部隊、機関、共同の部隊、統合部隊又は駐屯地、分屯地、基地若しくは分屯基地の名称を冠したものとする。
——————————–