陸上自衛隊第6師団


第6師団は、東北方面総監の隷下にあり、山形県東根市に司令部を置く。東北南3県(山形・宮城・福島)の防衛警備・災害派遣などを任務としているほか、大規模災害発生時には、他方面隊管轄地域に派遣される。
編成
師団は、中核となる師団長と師団司令部(神町)、師団司令部付隊(神町)(*1)及び以下の部隊が、神町(山形県東根市)・大和(宮城県黒川郡)・多賀城・郡山・福島の各駐屯地に展開している。
(*1)司令部の管理及び業務支援を任務とする旗本部隊。
神町第20普通科(歩兵)連隊(4個普通科(歩兵)中隊基幹)、多賀城第22普通科(歩兵)連隊(4個普通科(歩兵)中隊基幹)、福島第44普通科(歩兵)連隊(4個普通科(歩兵)中隊基幹)、大和戦車第6大隊(2個戦車中隊基幹)、大和第6偵察隊、郡山第6特科(砲兵)連隊、郡山高射特科(高射砲兵)第6大隊、山形第6飛行隊、神町施設(工兵)第6大隊、神町第6後方支援(輜重)連隊、神町通信第6大隊、神町第6特殊武器防護隊、神町第6音楽隊
特性
新たな脅威(テロ攻撃やゲリラ等)や多様な事態(国際平和協力等)に迅速かつ効果的に対応し得るよう重装備を効率化し、即応性・機動性を重視して編成・配置される即応近代化師団である。
略歴
昭和37年 第6管区隊から山形県・秋田県・福島県・宮城県を警備地区とする師団(3個普通科(歩兵)連隊)として編成され、司令部は、神町駐屯地に開設。
昭和45年 第44普通科(歩兵)連隊が新編され4個普通科(歩兵)連隊を基幹とする師団(約9、000人)となる。
平成10年度の陸上自衛隊の体制移行に伴い、秋田県が第9師団担当となり第21普通科(歩兵)連隊が第9師団の隷下になるとともに、即応予備自衛官制度が導入され、第38普通科(歩兵)連隊(コア部隊)が編成。
平成14年3月 第6化学防護隊が、第6師団司令部付隊から独立、新編。
平成18年3月 陸上自衛隊の改革に伴い、コア部隊の第38普通科(歩兵)連隊が方面混成団の隷下部隊となり、即応性と機動性を向上させた「即応近代化師団」に改編されました。
平成22年3月 第6化学防護隊が増強し、「第6特殊武器防護隊」と部隊名を新たにしました。
【参考】
現在の6師団担任地域は、帝国陸軍では、青森8師団(青森県・岩手県・秋田県・山形県 S15から57師団)、仙台2師団(宮城県・福島県・新潟県)が担任していた。
帝国陸軍の第6師団は衛戍地(*)を熊本に置いていた。日清戦争以来武勲高い精鋭部隊として知られ、山東出兵にも参加した。大東亜戦争では、開戦より一貫して南方で展開した。
(*)わが国内では帝国陸軍で使われた用語とされる。陸軍部隊が永久にひとつ地に配備駐屯することを意味し、その地を衛戍地と称した。英語では Garrisonに相当する。現在この語は人民解放軍で使用されている。