陸上自衛隊第9師団


第9師団は、東北方面総監の隷下にあり、青森市に司令部を置く。青森・岩手・秋田、北東北三県の防衛と警備を担任している。
編成
師団は、中核となる師団長と師団司令部(青森)、司令部付隊(*1)(青森)及び以下の部隊が、青森・弘前・八戸・岩手・秋田の各駐屯地に展開している。
(*1)司令部の管理及び業務支援を任務とする旗本部隊。
青森第5普通科(歩兵)連隊(4個普通科(歩兵)中隊基幹)、秋田第21普通科(歩兵)連隊(4個普通科(歩兵)中隊基幹)、弘前第39普通科(歩兵)連隊(4個普通科(歩兵)中隊基幹)、岩手戦車第9大隊(2個戦車中隊基幹)、弘前第9偵察隊、岩手第9特科(砲兵)連隊、岩手高射特科(高射砲兵)第9大隊、八戸第9飛行隊、八戸施設(工兵)第9大隊、八戸第9後方支援(輜重兵)連隊、青森通信第9大隊、青森第9化学防護隊、青森第9音楽隊
任務
有事に即応できる精強部隊の練成と即応態勢の維持及び師団警備地区内の防衛、警備、災害派遣、民生協力。
略歴
昭和31年12月 第9混成団を青森駐屯地に新編
昭和32年 8月 第9特科(砲兵)連隊を岩手駐屯地へ移駐
昭和37年 8月 第9混成団を第9師団に改編、第38普通科(歩兵)連隊を八戸駐屯地に新編、第39普通科(歩兵)連隊を八戸駐屯地に新編
昭和43年 3月 第39普通科(歩兵)連隊を弘前駐屯地へ移駐
平成 2年 3月 第9後方支援連隊を青森駐屯地に新編、第9高射特科(高射砲兵)大隊を岩手駐屯地に新編
平成 6年 3月 第9飛行隊を隷属(八戸駐屯地)
平成11年 3月 第38普通科(歩兵)連隊を多賀城駐屯地へ移駐、第38普通科(歩兵)連隊は第9師団から第6師団に編入、第21普通科(歩兵)連隊を編入(秋田駐屯地)
平成16年 3月 第9化学防護隊を青森駐屯地に新編
平成22年 3月 第9対戦車隊の廃止、第9後方支援連隊を八戸駐屯地に移駐
【参考】
現在の9師団担任地域は、帝国陸軍では、青森8師団(青森県・岩手県・秋田県・山形県 S15から57師団)が担任していた。
帝国陸軍の第9師団は衛戍地(*)を金沢に置いていた。日露戦争等々における武勲高い精鋭部隊として知られ、大東亜戦争では、沖縄戦の第32軍の総予備として期待された。しかし臺灣に転出し、沖縄に出陣することはなかった。大東亜戦争では一度も交戦することなく終戦を迎えた。
なお、青森普通科(歩兵)第5連隊は、帝国陸軍の青森歩兵第5聯隊の聯隊番号を継承している。
(*)わが国内では帝国陸軍で使われた用語とされる。陸軍部隊が永久にひとつ地に配備駐屯することを意味し、その地を衛戍地と称した。英語では Garrisonに相当する。現在この語は人民解放軍で使用されている。