【第47講】スペイン語文法入門―兵法的外国語学習への誘い―(その25)
今回は、不規則動詞の続きです。
スペインでは子供たちも結構間違った活用を言っては親に訂正されているもの
です。あなたなりにゆっくりと確実に学んで行ってください!
☆A型の不規則変化動詞のまとめ
ここまでの知識をまとめておきましょう。
今回まで習ってきた不規則動詞とは、「語根母音変化動詞」(ごこん・ぼおん・
へんか・どうし)と言います。
読んで字の如く・・・√語根の中でアクセントの来る母音が二重母音(e→ie
など)になるか、あるいは、発音される母音の舌の位置がよく似た別の単母音
(例:e→i)に変化するものです。
活用して行くとき、√語根のヴァリエーションの数は、2つになります。
この語根母音変化動詞とは、さほど難しいものではありません。
何故なら、次のような基本的なア)、イ)、ウ)の3つのパターンがあって、
このパターン以外のものはないからです。
その種類について次に整理し列挙します:
ア)√語根の中のアクセントのある母音の”-e-“が”-ie-“になるパターン。
⇒単母音が二重母音になります。
ex.-1)
“pensar”(考える): pienso, piensas, piensa, pensamos, pensa’is, piensan
“querer”(欲する): quiero, quieres, quiere, queremos, quere’is, qiueren
ex.-2)
Quiero entender la estrategia. (私は戦略を理解したい。)
イ)√語根の中のアクセントのある母音の”-o-“あるいは”-u-“が”-ue-“に
なるパターン。
⇒単母音が二重母音になります。
ex.)
“encontrar”(見つける): encuentro, encuentras, encuentra, encontramos,
encontra’is, encuentran
“dormir”(眠る): duermo, duermes, duerme, dormimos, dormi’s, duermen
ウ)「-ir動詞のみです!」=√語根の中のアクセントのある母音の”-e-“が
“-i-“になるパターン。
⇒単母音が単母音になります。
ex.)
“server”(役立つ): sirvo, sirves, sirve, servimos, servi’s, sirven
“pedir”(注文する): pido, pides, pide, pedimos, pedi’s, piden
以上がA型のまとめです。思い出しましたでしょうか?
では次にB型の不規則動詞を学んで行きましょう。
☆B型の不規則動詞について
これは、「第一人称単数=”私”のみが不規則変化になる」ものです。
特徴は、第一人称単数の語形だけで”何種類かのパターン”に分類できます。
そして、「第二人称単数から第三人称複数までは規則変化」をするのです。
次に例示する(1)~(7)のパターンがB型の代表的なものです(ここに列挙
されているパターン・・・それも第一人称単数の形を憶えてしまえば、後は殆ど
難しいところがありません!)。
(1)”-zco”
conocer(知る), conducir(運転する)などの語尾が -cer, -cir で終わる
動詞がこのパターンになります。第一人称単数の活用は、それぞれ、conozco,
conduzcoとなります。
conozco, conoces, conoce, conocemos, conoce’is, conocen
conduzco, conduces, conduce, conducimos, conduci’s, conducen
例)conocerの場合:√語根は、√conozc-, √conoc-の二種類です。
(2)”-go”
hacer(する)
hago, haces, hace, hacemos, hace’is, hacen
√語根は、√hag-, √hac-
salir(去る)
salgo, sales, sale, salimos, sali’s, salen
√語根は、√salg-, √sal-
(3)”-igo”
注意)-aerで終わる動詞に顕著です。
traer(持ってくる)
traigo, traes, trae, traemos, trae’is, traen
√語根は、√traig-, √tra-
caer(落ちる)
caigo, caes, cae, caemos, cae’is, caen
√語根は、√caig-, √ca-
(4)”-igo”
注意)(3)と同じですが、第二人称単数以下に”正字法上(綴りの規則)”の
適用を受ける少し気をつけねばならない動詞です。
oir(聞く)
oigo, oyes, oye, oi’mos, oi’s, oyen
⇒母音に挟まれたiの音はy(ヤ行)の音となり、綴りも”y”になります。
√語根は、√oig-, √oi-
(5)”-oy”
estar(ある・いる)
第二人称単数以下、 -ar 動詞と同じ活用語尾ですがアクセントが必要となりま
すので注意してください。
estoy, esta’s, esta’, estamos, esta’is, esta’n
√語根は、√est-のみですが、第一人称単数の”語尾(-oy)”と第二人称単数
以下の語尾の中のアクセント(-a’s, -a’, amos, -a’is, -a’n)に注意してくだ
さい。
(6)特殊
ver(見る)
veo(voと言いたくなりますが), ves, ve, vemos, ve’is, ven
√語根は、√v-です。
saber(識る:情報などの知識を知る場合に使います。人や土地を知る=体験的
に知る場合にはconocerを使います)
se'(特殊なので注意!), sabes, sabe, sabemos, sabe’is, saben
√語根は、第一人称単数のみが特殊で、第二人称単数以下が√sab-になります。
(7)変則的
ir(行く)
√語根は、√vでこれに”estar”の直・現と同じ活用語尾(-oy, -as, -a, -amos,
-a’is, -an)を付加するだけです。
voy, vas, va, vamos, va’is, van
dar(与える)
√語根は、√dでこれに”estar”の直・現と同じ活用語尾(-oy, -as, -a, -amos,
-a’is, -an)を付加するだけです。
doy, das, da, damos, dais, dan
取りあえず、第一人称単数の形を憶えてください。そして(1)~(7)の
パターンを頭の中で記憶に残しておいてください!
B型の不規則動詞で文を使った練習は次回に行いましょう。
B型の不規則動詞ですが、将来、「接続法・現在」の活用を習得する際に、ここで
ならっている第一人称単数の語形から発展させますので、ゆっくりでいいですか
ら、ここで確実に頭の中に入れてください。
あなたなりの良き花見が始まりますように!
Hasta luego!