『日米中激突! 南沙戦争』 石原ヒロアキ(著)

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石原ヒロアキさんの
『日米中激突! 南沙戦争』
ストーリーの概略はつぎのとおり。
2023年、
南シナ海で、日米共同開発の無人攻撃型潜水艦の試験を行っていた
米ミサイル駆逐艦が、中共軍の新型対艦ミサイルにより撃沈。
(技術奇襲)、
生存者は解放軍が救助して一部は帰国しましたが、中共は、
潜水艦関係者を拘束し、スパイ容疑で米が拘束している解放軍大
佐との交換を要求します。
これに激怒した米大統領は、特殊部隊による人質奪還を決心します。
人質が捕えられているのは南沙諸島のマルボロ礁。
エリート中のエリートから選抜され編成された奪還部隊の精鋭
10名のなかには、わが軍から、北鮮拉致被害者奪還作戦を成
功させた特殊部隊所属の東中尉も参加することとなりました。
東中尉をはじめとする米軍特殊部隊の精鋭は、人質が捕えられて
いるマルボロ礁に潜入し、作戦は当初順調に進みます
ところが敵もさるもの、そうは簡単に進みません。
激烈な反撃を受けた奪還部隊は想像以上の損害を出し、絶体絶命
の状況に置かれます。
しかし、有能な指揮官の下、奪還部隊はありとあらゆる知恵と工夫
を重ねながら、AI兵器や無人兵器などを十全に活用しつつ、任務完
遂に向け着々と前に進みつづけるのです・・・・
現場では想定外のことがあれこれ起きるものです。
その都度、上級機関の指示を仰いでいる間に敵が近づき、時間が
無くなる焦りにドキドキひやひや。
部隊の損害は想像以上にあっけなく起きるものだなあ、と痛感。
無茶な政治の要求に苦しむ部隊指揮官の苦悩と、抜け道探しの
巧みさに、思わず共感。
などなど、劇的で衝撃的なシーンはそれほど多くないのですが、
小さな波が集まり次第に大きな波となって全身を揺さぶる、とい
う読後感でした。
共同・連合部隊でも指揮継承順位は共通。
連合作戦や連統合作戦という、近未来のスタンダードとなるだ
ろう部隊の在りようについて思うことも大きかったです。
軍人だけでなく民間人も救出する必要に迫られる突発状況の
生起には、思わず沖縄戦で32軍が舐めた苦労を思い起こしました。
合理を追求する米軍と、あくまで全員救出を要求するわが東中尉
の姿勢にも、共同・連合部隊の前線で起きるであろう種々の摩擦
を思い起こさせるものでした。
あわせて、中共軍を舐めてかかってはいけないことも学べます。
人質を救出せんとする米軍と、その阻止に動く解放軍との間で
展開される、最新の軍事技術を使った激烈な攻防は、「いわゆ
る戦争」のイメージを変えるインパクトを持ちます。
最も苦しい時期は夜明けの直前だった、というところも、
個人的にはツボでした。いかなる状況にあってもあき
らめてはなりませんね!
感性豊かで優しく、すさまじく強いサムライとして描かれている
東中尉(モテモテですw)とAI兵器が感情でつながるシーンも
印象に残る箇所でしょう。彼らの約束は最後に果たされます。
そう遠くない未来、AI分野でこういうことを実現するの
はやはりわが国なのだろう、との深い感慨も覚えました。
それともう一つ忘れてはならないのは、
登場人物の性別、人種がさまざまであるという点です。
同じ部隊にも男女、種々の人種が含まれています。
そんな彼らが同じ目的に向かって命を分け合う姿は、
人間の良きものに光を当てて前進してゆこうという、
著者の明るい前向きな姿が反映されていると感じました。
だから、読後感はさわやかです。
そんな『日米中激突! 南沙戦争』のもくじは次のとおりです。
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はじめに
1章 発端
2章 潜入
3章 突入
4章 救出
5章 脱出
6章 ドッグファイト
7章 対艦ミサイル
8章 攻防戦
9章 防空戦
10章 死闘
11章 EMP攻撃
12章 帰還
用語解説
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1~2章が導入部で、3~4章は順調に進む奪還作戦の初期段階、
5章から敵の反撃がはじまり、真の意味の戦闘が展開されてゆきます。
とくに8章以降は見どころの連続。東中尉のリーダーシップ発揮にも
要注目です。
著者はこの方。
石原ヒロアキ(ペンネーム)
1958年、宮城県石巻市生まれ。青山学院大学卒業後、陸上自衛隊
入隊。 第7化学防護隊長、第101化学防護隊長を歴任。その
間地下鉄サリン事件、福島第一原発災害に出動。2014年退職
(最終階級 陸上自衛隊1等陸佐)。学生時代赤塚賞準入選の経
験を活かし、 戦争シミュレーション漫画『ブラックプリンセス
魔鬼』および自衛官の日常を描いた『日の丸父さん』を発表(電
子書籍で発売中)。『漫画で学ぶサイバー犯罪から身を守る30
の知恵』(ラック・サイバー・グリッド・ジャパン/並木書房)
の漫画などを担当。本名:米倉宏晃
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『日米中激突! 南沙戦争』 石原ヒロアキ(著)
南シナ海でこれから起こりうる戦闘の実相が見え
わが安保国防への妥当な理解が進み
読み手の防衛意識を変えてくれる
「信頼できる」戦争シミュレーションマンガ
●元一等陸佐、元101化学防護隊長という著者の経歴が、信頼
できるディテールの表現を可能にしました。
●軍事の理解に当たっては、最先端の科学技術への視座が不可欠
ですが、このマンガには、AIやロボットなど、現在の最先端科
学技術と軍事とのかかわりが正鵠を射た形で表現されており、
目に見える形でつかめます。
●中共軍と戦う最前線の様子がどういうものか?を
生々しく想像できます。
●南沙諸島で中共軍と戦闘状態に入ったとき、
陸海空の最前線でどういうことが起こるのか?のシミュレーションを、
ビジュアルでリアルにうかがい知ることができるので、
平和ボケから一皮むけた
「国に何をしてもらえるか?でなく国に何を提供できるか?」
の意識を持てるようになります
●特に見てほしいのは、AIやロボット、無人兵器、EMP攻撃など、
最先端の軍事技術の使われ方です。実に勉強になります。
●巻末には、収録数は少ないものの、石原さんご自身のことばで
書かれた、活きた「用語解説」があります。これひそかなおスス
メです。(EMP/HPM爆弾、レールガン、レーザーガン、A2ADなど)
●まず他では味わえない、生々しさと湿度の低さが共存する絵を
堪能できます。
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知り合いやご友人へのプレゼントにも最適です。
エンリケ
追伸
主人公・東中尉の妹が
「防大に入りたい」
と兄に告げるシーンがあります。
そんな妹は、
東中尉の父親(退役軍人)の戦友(ベトナム軍将校)の忘れ形見です。
それを受けた東中尉のことばは、
今後の軍の姿を示しているのかもしれません。
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